⑩削蹄を定期的に行う(2)
また、和牛を放牧管理している場合、削蹄の経験がないという情報もある。
さて、和牛の育成雌牛の具体的な削蹄法は、基本的には昔ながらの削蹄鎌(写真2)、ヤスリ(蹄鑢:写真2)、削蹄鋏(センカン)、削蹄用の刀((19)に貼り付けた写真1)などを用いるのが一般的であり、削蹄師などによる削蹄も同様である。
経験豊かな削蹄師などは、四肢の一つひとつを左腕で持ち上げながら牛を保定させて、右手で削蹄する方法がとられている。
四肢を削蹄し易くする方法には、牛専用の枠場に入れて、枠場の柱に四肢を持ち上げた状態でそれぞれ繋いで削蹄したり、四肢を持ち上げる補助と削蹄する術者が二人コンビで削蹄するなどの方法がある。
削蹄は、通常前肢から行い、偶蹄目である牛の蹄は、中程で左右に分かれている。
蹄を持ち上げて身体の内側にある蹄を内蹄といい、身体の外側にあるのが外蹄である。
最初は内蹄から削蹄し、内蹄が終われば外蹄を行う。
削蹄鎌の握り方は、内蹄や外蹄または、前肢や後肢の蹄の切り方によって、鎌の柄の握り方が、握り手より先に持ってくる場合と、逆に手前にくる場合があり、柄の握り方を変幻に替えて効率よく蹄を切って整える。
蹄が思い切り伸びているような場合は、削蹄用鋏や刀を用いて蹄の毛際から指4本分の辺りで先端を切り落としてから鎌で整える。
切り整えたら、削蹄用ヤスリで蹄の周囲のトゲトゲした部分を丸く擦って整えれば、削蹄は終了する。
問題は、蹄を如何に整えるかである。
削蹄を行う場合は、牛の蹄の正常な形や立ち角度を熟知してかからなければ、なかなかうまくいかない。
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