仕上げまで数ヶ月の去勢肥育牛が、尿毒症で急死した。
予てより、尿石症の疑いがあり、断続的に加療を続けた牛であったが、最近も数日間その治療を続けたが、食欲不振となり、獣医師の直検により膀胱に尿が溜まっているとのことで、とりあえず血液検査をして加療することとなった。
血液検査の結果、BUN値が100で、出荷しても廃棄の可能性が高いとのことであった。
膀胱の尿を排出させることで、この値を下げることを期待して、尿道へカテーテルを装着する手術が行われた。
カテーテルが順調に装着され、尿の排出をみたが、尿は血液と思われるほどの血尿であった。
膀胱内で何らかの炎症が起きていたのであろうか。
ところが、尿の排出による効果は見られず、その翌日、2度目に見回った昼前急死しているのを発見した。
獣医師によれば、尿毒症が悪化したものと判断された。
これまで、この種の手術に立ち会ったことは無かったが、肉牛ジャーナルに08年12月号から連載されているシェパードの蓮見浩獣医師の「尿石症のお話」の記事中、尿石症の手術の詳細を拝見したばかりであった。
今回、蓮見師の紹介記事同様の手術内容であり、「なるほど!」と固唾をのみながらの観戦であったが、残念な結果に終わった。
尿石症の治療を徹底しなかったツケでもあり、先立たぬ悔いしきり。