さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

ドキュメンタリー映画 『花と兵隊』

2009-09-04 | 映画・ドラマ
 映画を観ました。

          

       監督・撮影・編集  松林要樹
              編集  辻井 潔
              音楽  津賀田泰三
 タイトルデザイン・宣伝美術  成瀬 慧
        プロデューサー  安岡卓治



 タイ・ビルマ国境付近で敗戦を迎えた後、祖国に還らなかった六名の日本兵、すなわち「未帰還兵」を描いたドキュメンタリー映画である。
                     (パンフレットより)


 映画の初めの部分では、懐かしい農村風景がつづきます。
 
 うっかり、この映画は日本を撮ったものだったろうかと思ってしまいそうでした。

 ビルマの女性と結婚し、その地にとけこみ、ゆったりと流れる時間と、穏やかな空間の中で、優しく家庭生活を送っている元「未帰還兵」。

 妻たちは、美しくかわいらしい。

 ところが、証言者の一人・藤田さんの話に「兵隊」の部分が現れ、この映画の すごさ の大きな部分を知ることになりました。


 中国人の子どもたちを大虐殺。

 「自分が苦しい度に食った」人肉。

 昭和天皇の写真を見ながら「これは大きな顔をしている。俺は天皇陛下だからと。」という言葉。


 藤田さんはこの映画の出来上がるのを待たずに、90歳で亡くなられましたが、21歳で入隊してからの藤田さんの生きてきた一日一日はどんなだっただろうかと思うと、胸がつぶれそうになります。

 これは藤田さんだけではなく、他の5人の方たちの人生にも深く根を下ろしていることではないのか。


 ジャーナリスト・烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)さんはパンフレットの中で、「いま若年層が雇用差別の犠牲になる中、この国を「若者を見殺しにする国」と糾弾する怨嗟の声と、同じ響きを感じるのは僕だけだろうか。」(部分)と書き、撮影当時28歳だった松林監督は、60年前には若者であった6人の元兵士と自分とを重ね合わせて考えた、と紹介しています。

 このことにハッとさせられました。

 また、この映画で私は初めて 編集 という作業を意識しました。



        『花と兵隊』 上映中


          イメージフォーラム
              TEL 03-5766-0114
      http://www.imageforum.co.jp


明日 9月5日(土) には

          松林監督のトークショーがあります。

         10:15 の回 上映後
         12:30 の回 上映前


    9月中旬まで上映予定です。
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