さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

周防正行 『ダンシング・チャップリン』

2011-05-15 | 映画・ドラマ

 なんという素敵な映画なのでしょう。



 第1部でのインタビューや、討論や、稽古が、
 第2部で、なるほどね、こういうことなのね!
 と深く納得し、大いに愉しめました。


 周防監督が抱く、
 振付のローラン・プティ、主演のルイジ・ポニーノ、草刈民代さんたちへ、そしてバレエへの憧れを、
 映像として充分に描いています。

 でも、ほんとうは、
 チャップリンへのオマージュなのだと思いました。



 第2幕での13の演目すべてが、
 ため息の出るような見事な舞台、映像です。

 4「ティティナを探して」、8「小さなトゥ・シューズ」
  ほんもののチャップリンを彷彿とさせます。

 7「空中のバリエーション」
  これぞ憧れのバレエ!
  周防監督のこだわりが美しく拡がります。

 6「外套」、10「キッド」、11「街の灯」
  などと観ているうちに、
  チャップリンの、
  貧しい人、虐げられた人々に対する熱い想いが
  胸に響いてきました。

 「街の灯」の草刈さん、
 この盲目の花売りの娘さん、
 草刈さんにふさわしいなぁ・・・。


 そんな風に観てきて、
 ああ、私たちは偉大な芸術家を失ってしまったのだ・・・!

 と、気持ちが大きく揺れ、

  6人のチャップリンに扮したダンサーが踊る
 12「もし世界中のチャップリンが手を取り合えたら」で、
  ついに涙がこみ上げて・・・。

 
 この、
 もし世界中のチャップリンが手を取り合えたら
 の文字は、
 必要なかったかな?
 という気もしましたが、

 そうではない、
 これは周防監督の言いたいことなのだ!

 踊りの画面からだけでは、
 はっきりとは伝えきれないことなのだ。

 周防監督は、
 「それでも僕はやってない」で、
 弁護士役に、
 「これは国家権力とのたたかいでもあるのだから」
 とつぶやかせています。


 こんなに美しい、愉しい、心地よい映画、
 そして、強いメッセージ。


 周防監督も、チャップリンの一人です!




 私が観た映画館は、
 連日ほとんどの回が満席で、
 私も観たい時間には入れませんでした。

 パンフレットも品切れです。

 でも、公式サイトがよくできていますので、
 ぜひこちらをお楽しみください。


 「4月16日、チャップリン生誕記念日よりロードショー」
 と、このサイトで知りました。



 お ま け

  私の左隣の座席に
  永六輔さんが・・・。
 
 
コメント
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