三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

海苔と皿にみだれている

2012-05-29 22:30:06 | 食日記
<5月4日の食事>
朝:ショーマッカーのパンにブルーベリージャムなど 牛乳 ダノンビオ
昼:昨日の鍋を利用した雑炊
夜:牛ステーキ シーザーサラダ プレミアムモルツ

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実家がある宇都宮で過ごす二日目。
といえど、どこに出かける訳でもない。
レジャーにいそしむよりも重大なミッションがあるのだ。
台所の戸棚の片付けである。
ガタが来ている我が家を少しだけリフォームすることになり、荷物をどかす必要があったのだ。

戸棚、といったが、実質的には押し入れを戸棚呼ばわりしているに過ぎない。
一間分のスペースに、各々が詰められるだけモノを詰め込まれたカオス。
それがこの空間なのであった。

予想していたことだが、まあ賞味期限切れの食材の多いこと。
食べきっていないお菓子なんかの箱の上に、更に他のお菓子の箱が積まれていたりする。
奥底には期限切れ5年超の食材ずらり。
一番古いものは1999年のものだっただろうか…ノストラダムスの予言が生きてた前世紀である。
食べ物の神様にお詫びしながら、ゴミ袋に突っ込んだのは言うまでもない。

こんなに沢山あったのか…の内訳をみれば、圧倒的多数だったのは、海苔。
そしてセットの食器(ご飯茶碗5個入りとか、湯のみ茶碗10個セットなど)。
いずれもいただきものである。
どちらも当面使う予定がなく、何となく戸棚に仕舞われてしまったのだろう。
箱を開けて、まだ新品同様の食器の艶めきを確かめるたびに、なんとなく申し訳なさに落ち着かなくなってしまった。

この家で使わないと判断したものは、一部私が東京の家に持ち帰ったものの、殆ど処分とした。
「断捨離」という言葉や概念が流行り、不要なものを生活から切り離すことが美徳とされたが、いやなんのその。
モノを捨てるということに対し、罪深く思ってしまう気持ちはどうしたって付きまとう。
実際に体を動かした運動量以上に疲れたように思う。

だからなのか、本来この翌日に行くのを予定していた益子の陶器市に、誰からともなく「行くのやめようか」という話になったのだった。
皿を捨てて新しい皿を買いに行くなんて、さすがに眠っていた方の皿が可哀想になったのだ。

ぐったりしながらも、どうにか片付けは完了。
モノは沢山いなくなったが、破棄したことへの後味の悪さは否めない。
ちゃんと使い切る。
使わなくなりそうなものは手に入れない。
そう誓った一日だった。

ある雨の日にあった出来事

2012-05-29 11:01:51 | 食雑記
〈5月3日の食事〉
朝:カッテージチーズとイチゴジャムのサンド(しげくに屋55ベーカリーのプレーンベーグル使用) 豆乳スコーン コーヒー
昼:ほうれん草とチキンのカレー ナン サラダ チャイ
夜:餃子鍋 プレミアムモルツ

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ゴールデンというほどゴールデンではなかった、今回の5月の連休。
後半は実家に行く予定。
出発するこの日の14時頃までは、済ませておきたい用事を片付けることにする。

その一つがネイルサロンであった。
付けていたものがかなり剥がれ、見るも無惨になっていたのだ。
美容専門予約サイトにて予約は完了、あとは店に向かうだけとなっていた。

ところが、いざサロンに赴けば。
約束の時間にチャイムを鳴らしても、応答がない。
何度試しても、電話もかからない。
予約サイトと店の連携がとれてないのか、と心配になって、今度は店のサイトを見れば、今日は営業中とある。

近くで時間を潰し、出直しても結果は変わらず。
自発的なキャンセルではないので、どうかキャンセル料採らないでくださいね、という旨のメールをしたため送ったのち、その地をあとにしたのであった。

結論をいえば、後日連絡がとれ、丁寧な謝罪ののちにネイルをやってもらえたのである。
やはり予約サイトと店の連携がとれておらず、私の予約は通ってなく。
この日の予約が他になかったため、営業を休みにしてしまった、というのが事の真相らしい。
だから揚げ足をとるような文章をわざわざ書くのはどうよ?という話なのだが、大雨の中に連絡すらつかずに途方に暮れるというのが、何とも狐に化かされたようで、忘れがたかったのだ。

この日感じた持っていきようのない気持ちは、好きな食べ物を食べることで、何とかやり過ごせた。
好物で自分を甘やかすの、大切。
(食生活ブログなの、ここだけですね)

ともあれ、最終的にはネイルをやってもらえてよかった。
ただし、ネットでの予約を過信してはいけないと、身につまされた。
専門予約サイトでの低価格は捨てがたいけど、なるだけ直の人の声を聞いてお願いしようと思ったのであった。

イソップの欲張りコーヒー

2012-05-29 10:29:28 | 食日記
〈5月2日の食事〉
朝:抹茶とホワイトチョコのベーグル(しげくに屋55ベーカリーのもの) コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、塩鮭、茄子とスナップえんどうのマスタード炒め、ブロッコリーの茎とニンジンの炒めもの)
夜:レトルトカレー+ご飯

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ケチである。
あるいは、貧乏性である。

こういう性分の私が、普段はインスタントコーヒーを飲んでいるところ、一個につき一杯のドリップコーヒーをもらうとどうなるか。
答え。
出来るだけ多くのコーヒーを作り出そうとする、である。

だがしかし、さすがに何杯分にもならないだろう…というのは心得ている。
対処法はといえば、使い捨てにせずに何杯も淹れるんではなく、できるだけでかいマグカップを使うのであった。

この日も、そうやってでかいマグカップを使おうとしていた。
懸念していたのは、この日使おうとしていたドリップコーヒーはフィルタ部分が小さく、マグカップの淵にギリギリ引っ掛かるくらいのサイズだったことである。

フィルタを端から端まで目一杯に伸ばし、そろそろとお湯を注ぐとどうだろう。
湯の重さに耐えられずにフィルタが傾いてしまい、マグカップにまっ逆さまに落ちていくではないか。
唖然とした。
濾すべきカスもろとも、マグカップにこんにちはである。

一瞬気が動転して、澱を静めてからならそのまま飲めるんじゃないかと思った。
だがどう見たって、マグカップにいるのはコーヒーに似て異なるものである。
なんだよこのドロッとしたの。
結局、引き上げたフィルタは別の小さなマグカップに移し換え。
元のマグカップの中身を、フィルタの上から再度注いだ案配である。

少しコーヒーを無駄にしたうえに、洗い物まで増やした訳である。
こうも「欲張るとロクな目に遭わない」といった、教訓めいた話があろうか。
川に写った自分の姿を他の犬だと勘違いし、威嚇して吠えた瞬間に、くわえていた肉を落とす。
イソップ童話の欲張り犬を思い出しながら飲んだコーヒーは、いつになく苦いのであった。

七味でチーズでしょうゆのベーグル

2012-05-28 21:08:04 | パン侍
〈5月1日の食事〉
朝:七味チーズしょうゆベーグル(しげくに屋55ベーカリーのもの) ベイクドなっとうドーナツ・チョコ(せんだい屋のもの) カリフラワーのピクルス コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、肉野菜炒め、ニラの卵焼き、野菜おひたし)
夜:フルーツグラノーラ+ヨーグルト エビチリ丼(ローソンで購入)

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今更ながら、夜ご飯を平気で食べ過ぎてて驚いている

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この日の前の土曜日に、青山の国連大学敷地で行われている「青山ファーマーズマーケット」に行ったのだ。
その名の通り、日本各地の野菜の直売が広くされているのだが、パンや焼き菓子の販売も多くなされており、パン好きの私にとって魅惑的な場所なのである。

出来るなら、東京都外か、もしくは都内でも行きにくい場所・知らなかったパン屋と出会いたい。
そうして目に留まったのが、東京都は武蔵境に実店舗がある「しげくに屋55ベーカリー」の出店なのであった。

まず、物凄い種類のベーグルに目を惹かれる。
生地の固さも何種類かあるらしい。
圧倒されながら、気になったフレイバーを試食してみる。
気に入ったそれと、他に惹かれた二つほどを購入。
気に入ったそれこそが、「七味チーズしょうゆベーグル」なのであった。

醤油と七味を、ベーグルに。
更にチーズも合わせちゃう。
他にない組み合わせである。
それをいざ食べてみれば、意外な組み合わせなのに全く違和感がないのに驚く。
違和感がないどころか、美味しいのだ。
私は餅の磯辺焼きに七味を振るのが好きなのだが、それを彷彿とさせる。
なるほど、美味いもっちもちのベーグルは、餅のように扱っていいのだな。

また、試食の時より予想外に多く感じられる七味の量も、刺激的で楽しい。
辛いものが苦手な方にはツラいだろうが、好きな私は大歓迎。
大人向けの、ビールにも合いそうなベーグルであった。

この後日、イラストやエッセイ漫画を描かれる山本ありさんの「やっぱりパンが好き!」というパンのルポ本を読んだのだが、この「七味チーズしょうゆベーグル」を紹介されていて、嬉しくなってしまった。
ほんと、あれは美味しいですよね。

こんな出会いがあるのだから、やっぱりファーマーズマーケットは素晴らしく楽しい場所だ。
また行こう。

勝沼へ

2012-05-25 14:57:10 | ちょっと遠くに行きました。
〈4月30日の食事〉
朝:おにぎり 豆乳
昼:きのこほうとう @かつぬま一味家/勝沼
間食:ぶどうソフトクリーム @ぶどうの丘
夜:かってきた白ワイン 野菜のグリル バゲット チーズにハチミツ カリフラワーのピクルス

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甲府駅でお土産をたんまり買い込んだら、電車に乗る。
向かう先は勝沼である。
(余談だが、餅菓子って重いのだなあ。
信玄餅を3セットとその他もろもろ買ったら、腕がちぎれんばかりの重さに。)

勝沼には何があるか。
と言えば、何と言ってもぶどうにワインである。
なんてったって、駅名からして「勝沼ぶどう郷駅」だ。
さあ、果実から成り立つものを満喫しよう。

その前に腹ごしらえだ。
山梨においての残るミッション、「本場のほうとうを食べたい」を勝沼で叶えるのである。
買ったガイドブックで一番大きく扱われていたお店が勝沼にあったからで、今回は本当にガイドブックにおんぶにだっこの旅である。
周遊バスでのんびり揺られて、下車。
少し歩けば、待望のほうとう専門店・かつぬま一味家だ。

何種類かある中、「きのこほうとう」を注文する。
運ばれてきたそれを見て、思わず怯んでしまった。
米の二、三合をゆうに炊けそうなくらいの大きな鍋に、ほうとうがなみなみと煮えたぎっているのだ。
大丈夫か、これ一人で食べられるのか。

と危ぶんだものの、食べ始めてしまえば何の造作もない。
野菜や肉、きのこと平たい麺を、ことこと味噌で煮込んだこれが美味くない訳がなく、すいすい胃袋に格納されていく。
自家製の辛味噌が別添えにしてあり、これを入れて味に変化を付けられるのもいい。
心配は杞憂に終わり、あとには空の鍋と満足感が残った。
辛味噌を気に入ったので、自宅用のお土産として購入。

腹ごしらえのあとは、ワイナリーの「マンズワイン」へと向かう。
タイミングが合わず工場見学は出来なかったのだが、常設されているワインが出来るまでの説明プレートだけでも充分にためになった。
無料の試飲も嬉しかったなあ。

そのあとは、最後の目的地・「ぶどうの丘」に徒歩で向かう。
ここには温泉あり、各ワイナリーのワインが売られているショップありと、勝沼での楽しみたいあれやこれやが詰まっているのである。

温泉を楽しんだあとは、喉を潤したい。
ここぞとばかりに選ぶのは、ぶどうのソフトクリーム。
これが、パナップのぶどう味のようで、甘酸っぱくミルクっぽい要素もあり、とても美味しい。
普段なら果実系のアイスクリームをあまり選ばない私だが、せっかくだからという気持ちが働けば、こうして目新しい美味しいに出会えるんだなあと、しみじみ思ってしまった。

自宅用の土産としてワインを買い、帰路へと。
小高くなった駅から町を臨むと、ああ本当に果実の町だなあと思ったのだ。
今はシーズンではないから何も実っていないけれど、見渡す限り果実の畑である。
田んぼや野菜の畑が見当たらない。
原風景にまずは田んぼの姿がある関東平野育ちの私にとって、耕作が感じられるのに田んぼが見あたらない山あいの姿はとても新鮮だ。
反対にここで生まれ育った人たちにとっては、田んぼが新鮮に感じられるのだろう。
立場によってものの見え方はまったく違ってくる。
それがとても面白いと思った。



買ってきたワインを中心とした夕食。



ありがとう、またいつか、山梨。

甲府へ

2012-05-23 22:01:10 | ちょっと遠くに行きました。
<4月29日の食事>
朝:豆乳スコーン・いちじく コーヒー
昼:バレンシア風ピラフ @店名失念・高尾駅付近の喫茶店にて
間食1:鳥もつの赤ワイン煮込み マグロのスモーク ホタテのスモーク チーズ盛り合わせ 白ワイン @サドヤ/甲府
間食2:温玉あげ ビール @ほったらかし温泉/山梨市
夜:椎茸バター焼き おにぎり マグロの炙り 醸し人九平次など @九曜庵/甲府

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前の晩に急に思い立って、山梨県に行くことになったのだ。

ゴールデンウィークはカレンダー通りの休みだし、その後半には帰省することが決まっている。
とはいえいつもよりは休みが多いし、せっかくなんだから、前半に一泊二日くらいでどこか行けないかな。
県境一つまたいだ辺りで。
神奈川にはしょっちゅう行ってるし、埼玉も千葉も行ったことがある。
あ、山梨なんてどうだろう、行ったことがなかったぞ。
前日でも宿とれるかな…お、取れた。
そんな午前0時、正確には当日になってから。

山梨の方を不快にさせても仕方ないような、こんな動機を引っ提げて。
具体的な目的を設定せずに、乗換駅の高尾でガイドブックを買い、中央本線に揺られながら観光スポットについて調べ出す…という、行き当たりばったりな一泊旅行の開始。

とはいえ、前もって「これは体感したい!」というものはあった。
温泉とワインとほうとうである。
温泉は、まあ山梨関係なしに入りたかっただけなのだが、ワイン、これはなんとしても接したかった。
ぶどう!もも!じゃなしに、そこから作られたアルコールに関心を抱くようになったなら、いい大人だ。
ほうとうも、お土産品で作るものではなく、地元の方が作ったものを食べたい。

午後3時頃、JR甲府駅着。
そのまま歩き、宿泊ホテル(ちなみに「泊まる」に重きを置かない我々は、ビジネスホテル泊である)にチェックイン。
そして、街に繰り出そう。

この日は暑くて、じりじりと肌が灼けるようだった。
散策の足もすぐへばり、たちまち休憩したくなる。
そこで、甲府駅周辺のカフェを検索して、ここぞと思うところに行ってみた。

それが同名のワイナリーに併設されたカフェ、サドヤである。
何とも日本らしいこの名前は、おおもとは油を商っていた「佐渡屋」を、明治時代に「サドヤ洋酒店」に転業したためらしい。
しかし県の要を担う駅のこんな近くに、ワイナリーがあるってすごいなあ。
新宿でいうなら、都庁あたりにワイン工場があるという感覚である。

元はコーヒーでも、と探していたはずのカフェなのに、ワイナリーのカフェとあってはワインを頼まないわけにはいかないだろう。
そんな訳で、頼んじゃいましたよ、白ワイン。
そしておつまみも…「間食」のはずなのに、大食いの同居人と一緒とはいえ、いくらなんでも食べ過ぎじゃないでしょうか、おまえさん…。
だがしかし、頼んだものの美味しかったこと。
特に、甲州の新名物である「鳥もつの煮込み」をサドヤ流にアレンジした赤ワイン煮。
いやそれだけじゃないな、あれもこれも美味しかったな…と酒も進む。
美味い肴と酒の相乗効果に、気がつけばベロンベロン。

ホテルに戻ってついうっかり寝てしまったあと、再度出かける。
向かうは山梨市駅、「ほったらかし温泉」だ。

山梨市駅から、タクシーで山を駆け上ってその地へ。
普段だったらタクシーで贅沢するならその分酒につぎ込め!というタイプの私たちなのだが、行き先が山のてっぺんで、車で15分はかかる距離ならば仕方あるまい。
温泉に入る前にぐったりして、帰り道が汗でべっとりになったら嫌だものね…。

「ほったらかし温泉」は、山のてっぺんから周りの景色を臨める露天風呂から成る。
私たちが向かった午後7時過ぎはとうに日が落ち、山間が切り取る星空と夜景の灯りがまばゆい。
これが本当に素晴らしい眺めで、ガイドブックを買って本当に良かったとしみじみと思う。
私は「何もせずに間をもたせる」のが苦手で、一人での食事時や電車の中では活字を追ってしまうのだが、綺麗な景色っていつまでも眺めていられるものなのだなあ。
ついつい長湯してしまった。

こちらは宿泊施設なしの日帰り温泉。
近郊にお住まいで、車をお持ちの方には特にいいんじゃないだろうか。
半熟卵を揚げたフライも美味しいよ!
と、お勧めしておきます。

また甲府まで戻り、きっちり夕食までも摂って、腹ごなしに散歩して、就寝。
旅はまだ続く。



甲府駅か山梨市駅どちらかにあった桃とぶどうの像。



すれすれ不合格のカレーうどん

2012-05-22 10:57:11 | 作りました。
〈4月28日の食事〉
朝:チーズのパンにカッテージチーズを挟んでる コーヒー
間食:柚子チーズケーキ コーヒー @スパイラルカフェ/表参道
昼:鴨とブルーチーズのガレット 甘い系のガレット(味の詳細忘れた) アイスティー @ル・ブルターニュ 表参道店
夜:カレーうどん

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柚子チーズケーキ美味しかった!や、鴨とブルーチーズが入ったガレット美味しかった!を差し置いて、カレーうどんの話である。
いやあなに、初めて作ったもんでね。

この日ずっと、カレーうどんモードだったんである。
カレーうどんの千吉の前を通りかかったせいかもしれない。
千吉に行ったことはないというのに、難儀なことである。
また、疲れていたけど外食費は抑えたかったもんだから、一品で一食が成り立つ汁麺はうってつけであった。

カレーうどん。
久しく食べていない。
また、作ったこともない。
けれど、だし醤油味をベースにカレー粉(粉末状で、小麦粉や油脂が入っていない方)を入れて、片栗粉でとろみをつけたらどうにかなるんじゃないかと。
ろくに調べもせずに当てずっぽで進めることにした。

スープ部は先に書いた通り。
具の入った湯が沸騰したあと、顆粒だしと酒・みりん・醤油を入れて煮ていく。

意外と苦心したのはカレー粉の量だ。
カレー味のちょっとしたおかずを普段作る際は、入れすぎると辛くなっちゃうからと、小さじ1杯くらいで充分なのだが。
汁物にしてしまうと、増してやメイン料理になるような量だと、たちまちそれだけじゃ足りなくなるのだなあ。
味のベースに醤油を使っているせいもあるかもしれない。
こんなに入れちゃって平気?って量のカレー粉を入れ、結果それでも足りなかった。

うどんは乾麺を使用。
とうぜんのように汁部とは別に茹で、あとで合わせたのだがここでも反省。
茹であがったうどんを丼に盛ったあとに汁を掛けたのだが、いやあ味が馴染まないこと染みないこと。
茹でたあとに、少しカレー汁と一緒に煮るべきだったなあ。

そんなこんなで。
ベクトルとしては正しいのだけど、どうにも釈然としない姿で初めてのカレーうどんが完成。
カレー粉も、やっぱりなんだかんだ足りなかったのである。
汁は丁度よくとも、具や麺と一緒に頬張るとそれだけ薄まってしまうと計算せねばなあ。

と、改善すべき点を頭の中で整理しながら、ずるずると完食。
次こそ、美味くて箸が止まらなくなるカレーうどんを目指したい。

酢豚味の鶏と野菜の炒めもの

2012-05-20 07:20:00 | 作りました。
〈4月27日の食事〉
朝:昨日のおかずのサンドウィッチ(ル・プチメックのチャパタ使用) コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、酢豚味の鶏と野菜の炒めもの、タラモサラダ、卵野菜炒め)
夜:フルーツグラノーラ+ヨーグルト スモークチーズ

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ああしかし、「酢豚味の鶏と野菜の炒めもの」を、もっとすんなり言い表せる方法ってないのだろうか。
と、友人が言っているのを聞いて、至極膝を打った。

甘酸っぱいあの酢豚味、好きなんである。
酢とケチャップとオイスターソースであの味は簡単に作れる!と学んで以来、ちょくちょく作っている。

だがしかし、豚を使ってあの味の料理を作ったことがないのだ、私は。
モモ肉にしてもムネ肉にしても、使うのは鶏。
しかも、片栗粉をまぶして多目の油で焼いていて、揚げるという体裁を取っていないため、酢豚からはとことん遠い。
(友人は鶏の時も揚げるらしいが)
味付けだけが酷似している案配だ。

こんな料理を、すっと言える表し方を編み出したいのである。
知らない人にもすんなり通じる名前だと、尚のこといい。
作る頻度が多いのだから、「酢豚味の鶏と野菜の炒めもの」じゃあんまりだ。

じゃあ「酢鶏」でいいじゃん、と言うと全く違ったもののように感じるから、言葉って厄介で面白い。
酢で煮た鶏、のようである。
鼻の奥がツンとしてくる。
そもそも「酢豚」ってのも雑な名付け方だが、誰も酢漬けの豚なんて想像しないだろうから、定着化って凄いなあ。

などというようなことを、「定番料理から1つ具を変えたもの」を作る度に、なんて名前で書こうか考える。
こういった食生活ブログを書いている者ならではの思案である。

かわいいひとのクロワッサン

2012-05-18 10:41:19 | パン侍
〈4月26日の食事〉
朝:クロワッサン 枝豆チーズパン(ル・プチメックで購入) ココア入りコーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、肉野菜炒め、にんじん卵炒め、キャベツの胡麻コチュジャン和え)
夜:鮭のクリームフェトチーネ セットサラダ コーヒー @パスタの店SPIGA・飯田橋店

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新宿の三丁目付近に行く用事がある際は、ル・プチメックにも立ち寄ることが多い。
マルイの一階に入っている、京都に本店がおるパン屋である。

昨日の映画館は新宿三丁目から歌舞伎町側に向かう途中にあるから、映画の観る前の夕食も買いがてら、当然のように立ち寄った。
明日の朝食の分も考えて、少し多目に買っていこう。
幸いにも時間に余裕があったし、店内もそんなに込み合っていなかったから、ゆっくり選べる。
パンが並んだカウンターの間をゆっくり移動した折に、その文字が目に留まった。

「京都ではかなり美味しいと思っていたけど、東京には美味しいクロワッサンが沢山えるので、ふつうのパンです」。
正確に覚えて書いたわけではないが、大意としてはこういった手書きのメッセージ。
これが、クロワッサンが置かれたプレートの近くに、寄り添うように立て掛けていたのであった。

思わず、きゅうんとなってしまった。
何て謙虚というか、ばか正直にというか。
ふつうそれ言わないでしょう。
これを書いた店員さんの人間くささに、ついつい思いを馳せてしまう。

ここまで言われたら、そりゃあ。
トングで挟んで、自分の盆に乗せる。
私は滅多にクロワッサンを買わないのだが、だからいつもと比べて普通だね、などと思わないに違いないのだが、妙にほだされてしまったのだ。

そうして食卓に乗った本日のクロワッサン。
比べてどうかはわからないけど、美味しかった、とお伝えしておきます。

映画の圧倒と消化不良

2012-05-17 09:44:36 | 食日記
〈4月25日の食事〉
朝:目玉焼きトースト
昼:お弁当(玄米ご飯、牛肉と野菜のオイスターソース炒め、カボチャサラダ、キャベツのおかか和え)
夜:映画館にて。鶏のココナッツミルク煮のサンドウィッチ(ル・プチメックで買ったもの) アイスカフェラテ

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ぽっかりと空いてしまった夜の二時間を、映画に充てたのだ。

事務所から、東京では唯一の上映館がある新宿に向かう。
開演は18時50分だから、予告編を見ながら夕食を済ますとちょうどいいだろうと、サンドウィッチを買い込んで席に着く。
磐石の構えである。

そして、予告編を見ながらのサンドウィッチ。
ココナッツミルクを使って煮た鶏が、サンドウィッチの具としては予想外ながら、すっごく美味いんだ。
これを選んでよかったなと思いながら、映画の無断撮影・違法アップロード禁止のCM(頭がビデオカメラでスーツ姿の、あのパントマイムのやつです)が終わる頃には完食。
これで上映中に周りの迷惑にならなくて済む。
ここまでは予定調和なくらい予定通りであった。

映画には圧倒された。
「心に訴えかけるもの」とは「圧倒」か「共感」である、と私は分類しているのだが、これはまさしく「圧倒」。
スクリーンいっぱいの画が、包み込む音が、じわじわと私の五感を攻めてくる。
ほっといたら呼吸を忘れるほどに、言ってしまうと凄まじい。
事実、とても息苦しい。

異変を感じたのは、映画の中盤より前であった。
どうにもこうにも胸が苦しく、胃がむかむかする。
ああこれは消化不良を起こしているぞ、というのが感じられる。
脂汗まで出てきたのであった。

非情なことをよく「血も涙もない」と言ったりするが、そこへくるとこの作品は、血も涙もありあまるくらいに描かれている。
だが、暴力・残虐表現やグロテスク表現ってかっこいいだろう?という風に存在する血ではない。
心の混沌を意味する血であり、切ない血であるはずだ。

だがしかし、私には刺激が強かったようだ。
フィクションでこういう体調になるなんて初めてかもしれない。
それだけ演者が、話が、真に迫り圧倒的だったということだろう。

映画が終わる。
まだ呼吸がうまくできない。
劇場が明るくなり、あらわになったのはパンの入っていた袋。
そうだ。
サンドウィッチだけじゃ足りないかもな、途中で小腹減った時用のオヤツパンも買っておこう、などと思っていたのだった。

ガサゴソしなくても済むようにと、袋を開けきったそのてっぺんに、小振りの甘いパンがのぞいている。
劇中はおろか、終わってからも食べたくはならなかったことは言うまでもない。
胃もたれは、その日の間じゅう、続いた。