三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

時をつなぐ道具たち(母娘旅行記・白川郷編)

2013-02-28 22:18:35 | ちょっと遠くに行きました。
〈1月20日の食事〉
朝:朝食バイキング @ひだホテルプラザ
昼:五瓶餅 飛騨牛まん 飛騨牛のメンチカツ 甘酒
夜:キノコ入りクリーミーチーズのおやき トマトチーズカレーおやき 緑茶 アルフォート @諏訪湖サービスエリアで買ったものを高速バスの車内で

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朝食を終え、少しだけゆっくりしたら、もう出発だ。
高山でやっているという朝市に後ろ髪を引かれながらも、バスに乗り込む。
一時間ほど揺られ、着いた先は白川郷。

今回の旅では、滞在時間を3時間とした。
90分しか居られなかった去年のリベンジである。

バスの発着場所から橋を渡り、白川郷の集落へ。
そしてそこから更に展望台行きのバスに乗り、展望台で町並みを臨む。
と、ここまでは去年と大差なし。
違うのは、時間をゆっくりとった分、散策も飲食も思う存分楽しめたことである。

白川郷は、豪雪に耐えうるような家と屋根のつくり=合掌造りで有名で、その町並みは世界遺産に登録されているのだが、寺社が多い他の世界遺産と大きく違うところは、「ひとのお家」ということである。
要は、人が住む家なのだ。
だったら外観のみを見れるってこともなく、中には一般解放されているお宅もある(もちろん博物館のように受付があって、住人の方が普段使うお部屋は閉ざされているのだけれど)。
うち一つにお邪魔いたしました。
去年は時間がなくて行けなかったんだよねえ。
ごめんください、お邪魔します。

柱が、黒い。
これは確か、囲炉裏からあがったススによって黒くなり防虫・防水の役目を果たすのではなかったっけ。
よく磨きこまれ、ピアノの黒鍵のように美しく光っている。
そしてくだんの囲炉裏や、使い込まれた古い茶箪笥などを見つけるたびに、心がうち震えるような思い。

圧巻だったのは、階段を登っていった先だった。
かつて蚕を飼っていた部屋(昔、白川郷では天井裏を利用しての養蚕がさかんだったのだ)では、過去に生活を支えてきた道具の数々が展示されている。
現在50代の母は、縄をなう機械なんかを「見たことある!」などと声をあげていた。
生家にも似たような道具があったらしい。
そういう話を聞くと、「昔」というのはかつてあった時間のことで、そこから脈々と色々なものが受け継がれて「現在」に至るのだなあと、当たり前の事に思いを馳せてしまう。

頭上を見れば、手が届きそうな距離で茅が確認できた。
あの三角形を構成するものが、すぐそこに。
またまた感激。

昼食は、展望台行きのバスの停留所近くにあった「お休み処 ちとせ」にて。
昨日と同様、しっかりとした一品メニューではなく、軽食的なものを何品かいただくことに。
ここで食べた飛騨牛まんが、これがまあ美味かった。
2つに割れば、ふかふかの温かいまんじゅうから、飛騨牛で作られた餡が湯気とともにお目見えする。
一面雪で白い世界を歩いて冷えた体が解されるようだ。
またこれだけでも食べに行きたいなあ。





最後に土産物をひやかし、いったん高山行きのバスで出たあとに復路となる。
高山と白川郷に別れを惜しみながら、新宿行きの高速バスに乗り込んだ。
そして午後10時過ぎに新宿着。
長く密な二日間が、こうして終わった。

バスの乗車時間が長かったためにヘトヘトになってしまったが、旅が終わってしまえば、よいところばかりが思い出されるというもの。
二年続けて冬に行き、白い高山・白川郷しか見ていないからその他の姿も見たいし、何より滅多にない3人での旅が楽しかった。
また行きたいな。

そんな感じで充実したこの2日間。
ツアコンよろしくよく動いてくれた妹に、感謝。





私が吉田豪になった日(母娘旅行記・高山編)

2013-02-27 11:19:20 | ちょっと遠くに行きました。
〈1月19日の食事〉
朝:ランチパック トマトジュース
間食:いきなり団子
昼から夕方にかけて:甘酒 飛騨牛の串焼き 飛騨牛の煮込み 飛騨牛炙り寿司 小鯛焼き など
夜:飛騨牛づくしコース @ひだホテルプラザ

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朝5時には起きて、6時には電車に飛び乗っていた。
行き先は新宿。
そんな朝もはよから何しに、といえば高速バスに乗るため。
向かうは岐阜県・高山、そして白川郷である。

去年、妹と高山・白川郷に行った。
だがしかしバスツアーで行ったため、気の済むまで楽しんだとは言い難かった。
なんせ白川郷の滞在時間は90分で、映画よりも短い。
そして白川郷の見事な景色と、高山での買い物の楽しさに、やっぱり実家の母も連れて行きたいと思った。
そんな訳で母娘3人、交通手段・高速バスと宿だけ決め、あとは道中自由という旅を決め込んだのである。

さて、行きのバスではこんな事があった。
バスのシートは2人分が1セットゆえ、母と妹が並んで座って私がその前の席に座ったのだが、私の席の隣のおばちゃんは母・妹の席の通路を挟んだ隣の人と連れ合いらしい。
だったら席を交換しませんか、お連れ同士隣になった方がよいでしょうと持ちかけると、母・妹と隣席の方は頑なに断る。
何でも「この人(連れの、私の隣の席の人)おしゃべりだから、寝せてくれないんだもの。朝早く起きてるんだから、バスの中では寝ていきたいのに…。だからわざと席を外したの!」と言う。

そ、そうですか…と指定席を交換せずにそのまま発進すれば、なるほどと納得したのであった。
おばちゃん、初対面の私にも物怖じせずに、しゃべるしゃべるしゃべる。
私も私で聞き出すような形となってしまいらおかげで個人情報が開けっ広げだ。
二人の娘さんの片方は清澄白河に勤めていて、もう一人は地元の埼玉に就職を決め、更にはその娘さんは毎週スノボーに行き、関ジャニ∞の大ファン、父母に娘二人という家族構成ゆえに父の立場が物凄く弱いことなど、旅には関係ないおばちゃんの情報が私の中にストックされることとなった。
何だろう、私はこのおばちゃんにとって吉田豪か。
知りすぎてる女か。

とまあ、私も眠りたかったのだけど、退屈しなかったことと、有益な現地情報をゲットできたことを感謝しよう。
名も知らないおばちゃん、ありがとう。

サービスエリアでの休憩を挟んで6時間弱、高山駅近くの停留所着。
ホテルにチェックインして荷物を置いたら、さあ、散策に買い物に買い食いだ。
そう、買い食い。
今回はちゃんと昼食をとらずに、街を歩いて目についたものを買い食いし、夕食までの腹を満たそうという算段なのである。

一番手は、去年の高山散策でも飛騨牛の串焼きに目を見張った六捨番。
さっと炙って塩をふっただけの串焼きが、何でこんなに美味しいのか。
そして今回初めて食べた牛筋の煮込みも、とてつもなく美味しい。
幸先のよいスタートだ。

その他、色んな店で飛騨牛の炙りを握り寿司にしたものや、甘酒や、小さな鯛焼きや。
色んなものに舌鼓を打っては、胃の中に落とし込んでいった。
これも3人で行ったからこそで、昨日の一人買い食いの愚行を改めて思ってしまう。

そして買い物テンションが高まって、いつもより多く土産物を買い込んでしまったのも、3人で行ったからこそなのだと思う。
欲しいものが2つあったとして、迷ったら両方買っちゃう…というのも、ほかの2人がそうしているからつられる行為なのだったりして。
そうしてずっしり買ってしまったお酢の瓶、重かったなあ。
もちろん、黒がシックな街並みも存分に堪能いたしました。

宿に戻りゆっくりした後に、夕食。
飛騨牛づくしの和風コースは、普段あまり牛肉を食べない身からすれば、一年分ほどの牛肉を食べたことになるんではなかろうか。
量が多くて平らげるのに苦心したが、そんな満ち足りた腹でも美味しいのって、本当に美味しい料理だってことだろう。
ご馳走さまでした。

旅の疲れと満腹さで、部屋に戻ればもう起き上がれない。
しばし寝入ったあと、力を振り絞るようにして入浴を済ませ、のろのろと就寝。
明日は、白川郷である。


ふるさとをひとりじめ

2013-02-22 10:59:30 | 行きました。
〈1月18日の食事〉
朝:ピザトースト コーヒー
昼:豚の角煮まん ホタテのコロッケ 豚んぽ ビール×2 @ふるさと祭りの会場
間食:いきなり団子・チーズ味 コーヒー
夜:チーズのハムのホットサンドイッチ(セブンイレブンで購入) クノールカップスープ・ジンジャー

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朝、大岡山駅。
ウキウキいそいそと南北線直通の電車に乗るおばちゃん2人組を見て、「さては後楽園駅で降りるな」と思ったのだ。
果たしておばちゃん2人組は、後楽園駅で降りていったのだった。
そんな予想がついたのは、私も同じように気を弾ませ、行き先も同じだったからである。
さあ、東京ドームへ。

野球のシーズンでもない平日の朝っぱらから東京ドームで何があるのかといえば、「ふるさと祭り」。
全国各地の名物や踊りなどが一堂に集まる祭りである。
これの、平日限定の入場券を上司からもらったのだ。
隙を見て仕事の前に行っていいよ、との言葉に甘えていざ行かん。

さて、同居人を伴って行った去年と違って、今日は一人である。
その上、最近の胃袋のキャパシティを省みると、食べられる数が限られてくるぞ。
さあ何を食べよう。
この翌日には飛騨高山で牛肉を貪る予定だったから、それ以外で。
弁当やどんぶりものが豊富だが、それだけでお腹がいっぱいになってしまうから、それも避ける。
そして、なるべく見たこと・食べたことがないものがいい。

そう吟味を重ねて選んだのが、豚の角煮まんに、ホタテのコロッケに、豚んぽ。


(↑豚の角煮まん)

特筆すべきは、やはり豚んぽであろう。

これは何かと言えば、きりたんぽに豚肉が巻き付いていて、甘辛ダレをまとっている代物である。
きりたんぽの本場・秋田で最近出てきた食べ物らしい。
美味しそうでしょう。
実際のところ、食べてみれば予想を裏切らない味。
一本だけしか買わなかったことを今でも時々悔やむほどで、次に見かけたら何がなんでも二本は買おうと思う。

他には、私の中での和菓子ランキング・堂々一位の「いきなり団子」はもちろん購入。
味はもちろんのこと、ラベルのデザインも好みな箕面ビールの3種セットも忘れずに。
この2つを土産とし、会場をあとにしたのだった。

そんないきなり団子のチーズ味↓



こうしてホクホク気分で職場に向かえば、仕事も捗るというもの。
遅く行ったぶん残業覚悟でいたが、予想より遥かに早く帰れたのであった。

そんなわけで、一人でも楽しかった今年のふるさと祭り。
機会を与えてくださった上司に感謝である。


足を使えば

2013-02-21 23:50:34 | 買いました。
〈1月17日の食事〉
朝:トースト カッテージチーズ メープルシロップ コーヒー
昼:ゆで玉子入りカレーパン チョココロネ(以上二点、いちげベーカリーで購入) トマトジュース
夜:パスタラザニア(ローソンで購入) 濃厚ギリシャヨーグルト

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「すず音」を買ったのだ。
炭酸を足したのではない、自然の発酵が生んだ発泡する日本酒。

「おとりよせ王子」で知って購入に走った第一号がこれになったわけなのだが、おとりよせしたのではなく。
池袋にある宮城県のアンテナショップにて購入。

こんなときに、自分の足を駆使すればある程度のものは買えるという、東京の地のありがたさを思うのだ。
しばらくアンテナショップ巡りから足が遠のいていたが、またあちこち廻りたいなあ。
せっかく栃木のアンテナショップもできたことだし。

すず音はとても美味しかった。
また買いに行こう。


餃子アイデンティティ

2013-02-19 23:12:35 | 食雑記
〈1月16日の食事〉
朝:クリームシチュー ロールパン コーヒー
昼:お弁当(玄米、牛肉とピーマンのオイスター炒め、ニンジンしりしり、もやしの和えもの)
夜:餃子 肉団子(買ってきたレトルト) ダイコンとワカメの味噌汁

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とても大きな声では言えないが、餃子を焼くのが下手である。
商品に記載の「作り方」に添って焼いてさえ、皮がフライパンに貼り付く始末だ。
(上記の写真は、比較的ちゃんと焼けたものをなるべく手前にし、皮が剥がれたものは巧みにもとの位置に貼り付ける、という隠蔽工作をした。)

これまた大きな声では言えないが、私はさして餃子にこだわりがない。
どの店で食べてもだいたい美味しいじゃんと思っているから、うまい店を尋ねられてもまず答えられない。
食べ物には何でも「まずい」「普通」「けっこう美味しい」「物凄く美味しい!」が存在するのだろうが、餃子に関しては「まずい」か「美味しい」しかないのでは、とすら思っている。

作り手としての上手い・下手や、味へのこだわりのなさといった、個性や嗜好の違いの範囲内の話のはずなのだが。
どうして大きな声では言えないかって、私は宇都宮出身だからなのであった。
そう、餃子がやたら有名な街である。

そういう認識が広がっているもんだから、東京に出てきてからというもの、宇都宮出身だと分かるといなや、「ああ、餃子の!宇都宮で食べたことあるよ。地元の人はどこが好きなの?」的な話をさんざんされてきていた。
きっと、学校帰りに立ち寄ったり、土曜の昼には決まって食べる店があったり、みたいなソウルフードとしての餃子の話を聞きたいのだと思う。

ところが私は、上記のように餃子にこだわりのない身。
おまけに小・中学校時代は、通学路に飲食店が見当たらないという宇都宮の中でも郊外に育ち、高校も比較的外れの方。
そもそもが友達付き合いも苦手としていたから、街の方の学校だったとしても「友達とよく行った餃子」なんて店を築けたかは怪しいし、家族で餃子を食べに行ったこともない。

要するに、宇都宮の餃子に関して語れるポテンシャルはないもないのである。
そんな話を振られるたびに、冷や汗をかいていたのは、本当に大きな声では言えない話。

ではそういう話を振られたらどう出るかと言えば。
ずっと以前に親戚からいただいた「まさしの餃子」が、家で焼いてもとても美味しかった、という思い出について話す。
あるいは「実家では、寄せ鍋やキムチ鍋の具として餃子を入れていた」なんて話をする。
宇都宮=餃子になった理由は、いち家庭あたりの消費量が極めて高かったことに由来するので、それを裏付けるエピソードとして有効なのである。
まあ、それにはスーパーで適当に買ってきたパック詰めの餃子を使うのだから、こだわりのなさも同時に窺えるのだが。

…という風に切り抜けているのだが、こんな風に冷や冷やしている人は全国に沢山いるのだと思うのだ。
ジンギスカンを食べられない北海道出身者、うどんよりご飯が好きな香川県民、ゴーヤが食卓に出てきたら泣きたくなる沖縄県民。
いるな、絶対にいるな。
それを思うと、世間話を出身地を絡めた話で広げたいときには、「◯◯が人気ですよね?」ではなく「名物は何ですか?」というように切り出したい所存である。

豚汁よ魔物

2013-02-19 11:02:56 | 作りました。
〈1月15日の食事〉
朝:クリームシチューのドリア風 紅茶
昼:お弁当(ごはん、豚と野菜炒め、ニンジンしりしり、キャベツのコチュ胡麻和え)
夜:釜寅の鰤釜飯 海苔の味噌汁

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さて、この時点ではすっかり食べ尽くしてしたが、豚汁である。
この度初めて作りましたよと。



きっかけは、このところドラマ『深夜食堂』のDVDを借り、ずっと観ていたからであった。
以前、このブログに「豚汁」は「とんじる」か「ぶたじる」か、という書き物をしたこともあり、それが心に引っ掛かっていたのもあったのかもしれない。

同名のマンガが原作のこのドラマ、深夜から早朝に開く「めしや」を舞台に、お客さんたちの悲喜こもごもが織り成される作品である。
お品書きにあるのは、豚汁定食とビール・焼酎・日本酒だけ。
あとの食事メニューは固定ではなく、リクエストを言ってもらえれば、作れるものなら作るよ、といったスタンスの店。

そういった所以か、ドラマのオープニングにて、毎回豚汁を仕込む様子が映し出されるのだ。
それも作り手・マスターの目線で、鍋を真俯瞰から。
段々と作り上がる豚汁を毎度のように見ていたら、そりゃあ作りたくも食べたくもなるでしょうて。
刷り込まれて行動に至った次第である。

マスターの所作で作り方を覚えた気でいたが、初めての豚汁ゆえ、一応作り方を調べた。
材料を炒めずに煮込むやり方もあるようだが、そしてその方が明らかにカロリーも抑えられるが、ここはマスターの真似をしてごま油で豚や野菜を炒める。
コンニャクももちっと手で千切ったし、味噌も赤と白を合わせて…と、ことごとく真似をした。
…まあ、出汁はとってないけどな!
そこは顆粒出汁で。

ほどなくして出来上がり。
お椀に盛れば、夢にまで見た豚汁は、拝みたくなるほど美味しそう。

早速食べる。
まずは温かさが染み、冬場にドラマを見たことの幸運を思う。
具材それぞれから出た出汁にそれぞれが干渉し、味噌でまとまった汁。
が、不味いわけがないのであった。
いやあ美味しいわあ染みるわあと、自然に顔も綻ぶ。

最初の一食はついついお代わりしてしまったが、いかんせんそこは豚肉を使った汁だ。
たちまち腹がはち切れそうになる。
この年になって、普段の自炊でここまでお腹いっぱいになってしまうのは何とも馬鹿っぽいのだが、豚汁ならしょうがないよね。
そう思えてしまう豚汁の魔力よ。

ふう。
ごちそうさまでした。

美しいゼリー

2013-02-18 23:59:35 | こんなものを食べてみました。
〈1月14日の食事〉
朝:-
昼:クリームシチュー
夜:クリームシチューのドリア風

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ゼリーと銘打っているけど、常温で保存できて、グミのようにつまめる。
オブラートに包まれたり、白色透明の砂糖がまぶされたりしている。
そんなお菓子・ゼリーが、私は子供の頃嫌いだった。
それが真逆に覆された。
そんな話である。

それとの出会いは、お裾分けだった。
お歳暮だかお中元だかでそれをいただいた実家の母が、一人じゃ食べきれないからと、何かのついでに寄越してきたのである。

実家からの段ボールを開けて、発見した当初は顔をしかめたのだ。
「こういうの好きじゃないんだよなあ…」と。
だが勿体ないし、ひとつ食べてみるかと個包装の封を切って世界が一転した。
とても芳しいにおいがする。
そして、今までの「ゼリー」感を覆す美味しさは、何だこれ。

その名は「彩果の宝石」という。

簡単に言うと、一粒が親指と人差し指で簡単につまめるくらいの大きさの、フルーツのゼリーだ。
送られてきたのは、そのアソートタイプ。
イチゴやリンゴのように実全体を象ったものがあれば、パイナップルやみかんのように一かけ・一ふさを象ったものありと、意匠に凝っていて、見た目にも美しい。

何より特筆すべきは味である。
果汁の味がきちんとして、まるでジャムを食べているかのよう。
驚いたのは梅味だった。
「うめ 赤しそ入り」と個包装の袋に書いてあったのだが、本当にしその味までするのだ。
その再現率の高さに惚れ惚れした。

どれを食べても美味しかったが、自分の嗜好を再認識したのはイチゴやラズベリーなどのベリー系の味。
匂いも味もとても好みで、ずっと舌の上に転がしていたくなる。
そう言えば、子供の頃好んで食べたサクマ式ドロップも、イチゴ味をとっておきにしていたなと思い出す。
意外な嗜好を見出だした気になっていたが、何のその、変わってなかっただけである。

と、最初は棚ぼた的に出会ったこの味。
気に入った話を特に告げていなかったのに、実家からまたこれが届いた時には狂喜乱舞し、遂には自分でもおとりよせして買うに至った。
その箱には、今まで見たことのなかった薔薇の形の美しいゼリーが入っていて、更に歓喜が生まれることとなる。
これまた、美味しかったなあ(ブルーベリー味でした)。

五感を使って味わいたくなるこれを、きっとまた買うんだろうな。
そんなゼリーのお話でした。

いざ行かん、件

2013-02-16 11:20:54 | 行きました。
〈1月13日の食事〉
朝:豚汁
昼:玄米ごはん 豚汁 じゃがいもとほうれん草の炒めもの 秋刀魚の煮付け
夜:友人と。おでん盛り合わせ 刺身盛り合わせ キムチと温泉卵のサラダ 日本酒色々など @件/学芸大学

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私はかつて、くだんという屋号を使って仕事をしていました。
「九段」ではなく「件」という字を宛て、その意するところは人頭+牛の体、という妖怪です。
といういわれはあるのですが、妖怪に詳しい訳でも興味津々な訳でもございません。
ただ音の響きで付けた名前です。

くだん、という響きを気に入っているので、このブログやツイッターのアカウントでも使い、くだんという屋号では働いていない今もなお、愛着のある名称なのです。
そんな名前と同じ漢字を使い、音まで一緒のこのお店、学芸大学の「件」には行く前から焦がれておりまして、実際に行ったら日本酒も料理も大変に美味しいお店で、とても嬉しく思ったのを覚えています。
以来贔屓にさせてもらい、ちょくちょくと足を延ばしております。
(※…という文章だと、さも妖怪のくだんから店名も採用したかのようですが、そういえば店名の由来を知らないのです。
そうじゃない気がする、と思っています。)

そんな件には、是非とも彼女を連れてゆきたいと思っておりました。
大切な友人の一人であり、私のくだんとしての仕事とも深く関わった人です。

この日は、遂に彼女と一緒に件の暖簾をくぐることができたのでした。
名物のおでんに舌鼓み。
出汁は決して茶色くなく透明なほどなのに、しっかり深く優しい味がして、感服したっけ。
そんな味を、彼女も気に入ってくれてよかった。

交通アクセスを考えると、決して行きやすい場所ではないはずなのだけど、それでも来てくれて嬉しかった。
ありがとう。
また行きましょう。


嬉しさがはるばると

2013-02-15 11:44:38 | いただきました。
〈1月12日の食事〉
朝:じゃがいものパン(ル・プチメックで購入) カッテージチーズ+メープルシロップ コーヒー
昼:秋刀魚蕎麦
夜:豚汁 茹でスナップえんどう

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大阪の彼女から、お年賀が届いた。
丁寧に梱包された袋を開けてみれば、何やら素敵そうな調味料の山!
何でも、使ってみて気に入った調味料の数々を送ってくださったらしい。
なんて嬉しい贈り物だろう!

塩だれ。



だしつゆ。



あたたかくした「にゅうめん」でもコシが失われないという、素麺。



燻製風味の塩(左)、極上スパイス「喜」(右)。



紅茶のティーバッグまで!




そして、早速この日の昼食にて、「だしつゆ」を蕎麦に使用。
規定の量の水で割ったのちに、葱と一緒に小鍋で温める。
上に乗せたのは、秋刀魚を生姜・出汁・酒・みりん・醤油で煮たもの。

蕎麦をすすり、汁を飲む。
美味しさににやりとする。
旨みは濃いけど、甘みがくどくない。
だから残りの汁をゴクゴク飲めてしまうし、食後の舌に変に残らない。

美味しいものを知っていて、それを教えてくださる彼女のご好意。
嬉しさに拍車がかかった。

本当に、本当にありがとうございます。
他のものもすべて、大切に使います。

頼りになる王子

2013-02-14 23:04:06 | 学びました。
〈1月11日の食事〉
朝:じゃがいものきんぴらのチーズトースト コーヒー
昼:お弁当(ごはん、塩鮭、缶詰めの鯖味噌、ほうれん草のゴマ和え、じゃがいものきんぴら)
夜:ランチパック・焙煎キーマカレー もっちイチゴパン トマトジュース

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先日「おとりよせ王子 飯田好実」の魅力を書き連ねたが、本筋とは離れたところでとてもためになった!と感じたことを書き忘れたので、綴っておきたい。

それは唐揚げ肉を取り寄せた時の回。
肉と粉が別になっており、揚げる寸前に自分で粉をまぶす…という商品を紹介したのだが、揚げものをするときのツールが思いも寄らなかった。

ガスコンロに付属の、引き出し状の魚焼きグリル。
その網を、揚げたての受け皿として使うんである。
省スペース対策としてのアイディアだったのだが、なるほど。
シンクの作業台に置くと、かさばって他のことができなくなるんだよねえ。
揚げ物を受けたあとは、網をコンロに格納してしまえばまったく邪魔にならない。

というか、揚げ物をあまりしないがばっかりに、揚げ物用のちゃんとした網やらパットやらを、実は持っていないのであった。
これは、そんな調理ツールが不完全な私にもうってつけなのであった。

高温の油を難なく扱う自信がなくて、「鍋を傾けて片側に油を寄せれば、少ない油で揚げ物ができる」という、もうひとつのアイディアにはお世話にならなそうであるが。
こうして本筋とは関係ないあたりからも参考になるなんて、本当に頼りになります、おとりよせ王子。