三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

適温の嬉しさ

2013-05-11 00:32:44 | DPZのお導き
〈4月5日の食事〉
朝:クリームシチュー プチフランスパン コーヒー
昼:クリームシチュー 枝豆ベーグル(ロンシェールで購入)
夜:ほうれん草とチキンのカレー プレーンのナン チャイ @スルターン/飯田橋

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デイリーポータルZを見て、物欲が疼いた。
買うでしょう、これ。
そうして我が家にやってきたのは、真空断熱フードコンテナである。

デイリーポータルZ:今、個人的に真空断熱フードコンテナが熱い

(ちなみに、記事に出てくるメーカーのものではなかったはず)

この記事中で筆者の松本さんは、冬山でも温かい食べ物が食べたいと思ったのがきっかけで、これを導入したと仰っている。
保温性の高さを利用して、簡単な調理もできるというのも魅力的だ。
だが私はそれ以上に、汁物の持ち運びにうってつけではないか!というところに強く惹かれた。

カレーやシチューなんかは粘度が高いから、持ち歩くには難儀しない。
問題はシャバシャバの汁物である。
具体的には豚汁。
ついつい鍋一杯に作ってしまうが、一食で食べるのはせいぜい1~2杯。
増してや、昼と夜は職場界隈で食べることが多い身。
一度作ってしまうと、3~4日は「朝に、キャパ以上に頑張って」食べることとなってしまう。
豚汁、持ち歩けたら最高ではないか。

そう思っていながら、コンテナを導入後初めて詰めたのは、クリームシチューなのだが。
沸騰するくらいまで温め直したのち、ボトルにたっぷりと詰め、昼に食した。

これが、想像以上に優れものであった。
カンカンの熱さがそのまま保持されるという訳ではないが、食べるにはちょうどいい温度だ。
レンジで温めた時のように、加熱にムラがあったりソース分が焦げたり…ということから回避できるのも嬉しい。

そして、匂いや汚れ。
これは個人的には棚ぼたの特徴で、プラスチック製の容器だと、匂いが移ったり汚れが中々落ちなかったりと結構厄介だろう。
これは本体が金属製なのでその心配がない。
蓋はプラスチックだが、思い切り上下に振るわけでもないから、料理が少しぐらい上蓋に触れたところでたいしたことはないし。

尚、パッケージにはこれを使ったレシピブックも付いていて、載っていた温泉卵を後日作ってみた。
容器に熱湯を入れて前もって温めたあと、そのお湯を捨てて、卵と熱湯を再度入れ、蓋をして待つこと20分ほど。
とても綺麗な温泉卵が出来上がり、感動した。
普通のやり方で成功する自信がないので、もうこれを使うことに決定だ。

と、非常によい働きをするこのコンテナ。
導入して正解であった。

酒飲みの焼きおにぎり

2012-05-16 09:45:29 | DPZのお導き
<4月24日の食事>
朝:卵かけご飯
昼:お弁当(玄米ご飯、鶏と野菜としめじのカレー炒め、たらこ入り卵焼き、ニラのごま和え)
夜:ブルーチーズ焼きおにぎり キャベツの味噌マヨディップ 多摩の恵

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こちらもデイリーポータルZより発展した食卓。
ライター馬場さんの書かれた「乾き物入り焼きオニギリを作ろう」である。

ワインバーで出された「ブルーチーズ入りの焼きおにぎり」が美味しくて酒にも合ったのだという。
「食事としてのおにぎりというより、酒の肴的なおにぎりだ」と馬場さんが感じられたところから始まり、色々な乾き物=酒のつまみを入れた焼きおにぎりを作ってみよう!という記事である。
主旨はそこなのだが、何よりもブルーチーズ入りの焼きおにぎりがとても美味しそうだと感じた。
早速真似した訳である。

だから、これは焼きおにぎりなんですね、実は。
あの、おにぎりとしての形を成してないけど。
固まってるけど焼き飯ですかね?みたいなルックスだけど。
気がはやったのかご飯を丸める前にフライパンを火にかけてしまい、あわあわしてよく結べてないうちに熱くなったフライパンに突っ込んだら、ものの見事に形崩れしてしまった。

これだけ崩れているから記事をなぞりました、とは言いにくいのだが、まあなんとか出来まして、ビールの栓も開ける。
形崩れしているので素手では持ち上げられず、箸で割って口に頬張る。

思わず目が細くなってしまった。
焼きおにぎりが好き、ブルーチーズを始めとするたいがいのチーズも好きという私なので、やっぱりというかなんというか、どうしたって美味しい。
これ、美味しい。
焦げた醤油、臭みのある溶けたチーズ、カリカリしたご飯の三位一体ぶりよ。
予想通り、いやそれ以上に美味しいって嬉しいもんです。
真似して本当によかった。

改良すべき点といえば、次は崩れないおにぎりを作る!ということと、チーズの種類。
このときの物で充分に美味しかったのだが、もっと臭みのあるチーズを使ったらどうなのか、あるいは記事でお勧めされていたチーズではどうなのか、といろいろ試したくなったのだ。
同居人はブルーチーズが嫌いなので、これは私一人の時の楽しみとして、ひっそりと温めよう。

惑わせないでプリングルス

2012-05-15 22:26:07 | DPZのお導き
<4月23日の食事>
朝:カボチャトースト コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、塩鮭、ニラ入り卵焼き、野菜の和え物)
夜:無印のレトルトグリーンカレー ご飯

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相も変わらず「デイリーポータルZ」は事務所での昼ご飯や晩ご飯の友である。
が、ともすると「楽しそう!」「美味しそう!」「やってみたい!」感を疼かせまくってたまらなくする、困ったちゃんの小悪魔のようなサイトでもある。
「困った」まで文字入力していたら「困ったちゃん」が変換候補に上がってて驚いた。
そんな言葉まで登録してんのかことえりは。

閑話休題。
これまたデイリーポータルZで見た、狂おしい気分になってしまった記事である。

「ランチ味って何味?知らないプリングルス集め」

プリングルスは、というよりポテトチップスは、私にとって「好きだけど、食べまいと思えば避けていられるお菓子」である。
だから久しく食べていないけれど、美味いんだよねえ、プリングルス。
「サワークリームオニオン」だったっけか、緑色のパッケージで、酸っぱくてしょっぱい味の。
あれ好きだったなあ。

と、記事を読みながら自らの記憶がどんどん呼び覚まされて、どんどん落ち着かない気分になってきてしまった。
記事の本題は、日本では一般流通されていないアメリカ本国仕様のプリングルスを探し食べる…というものだったから、面白いプリングルスを私も探したくなってきた。
そして、探しましたよ、輸入食品も広く取り扱う酒屋チェーンの「やまや」にて。
幸か不幸か我が家から一番近い食材屋がやまやで、しかもプリングルスのコーナーが入口からすぐにあるんだもの、これは不可抗力だ。

しかと見ましたよ。
たっぷりと種類の揃った、本国仕様のプリングルスを。
記事には取り上げられてないフレーバーもあった。
パッケージにて、チップスのイラストが顔なしで擬人化されていて。
メキシコっぽい帽子を被ったやつだの、海岸で日光浴をしてる風だの、何なのよ君たち。
押し寄せる迫力に、頭がクラクラした。
君たち、物として強者だよ!

結局のところ、プリングルスを買わなかった。
1缶の大きさがあまりに大きく、これを全部食べたら危険だ!とすんでのところで判断したのである。
甘い物にもこういった理性が働けばなあ。
裏を返せば、もうちょっと缶が小さければ買ってしまっただろうし、いざ食べ始めてしまったら途中で止める自信がなかったとも言える。
つくづく魔性の食べ物である。

尚、記事タイトルにある「ランチ味」とは、直訳すると「牧場」なのだが。
記事を書かれた安藤さんの文章を引用すると、
「サワークリームかフレンチドレッシングのように爽やかに酸っぱい。
にんにくの香りもしっかりついていてこれまたモリモリ食べられる。
ランチ味、アメリカでは定番の味でイタリアンと並んで人気なのだとか。」とのことらしい。

これと、記事冒頭の「ハニーマスタード」は絶対私好みだな。
それから「マルチグレイントゥルーリーオリジナル」も美味しそうだ。
と再読するとやはり狂おしい気分になり、やまやの営業時間内に店の前を通りかかるのが、とても恐ろしいのであった。


目指せ上石神井、あの憧れの酒屋へ

2011-12-29 22:46:34 | DPZのお導き
<12月12日の食事>
朝:納豆かけごはん クリームシチュー 弁当のおかずの残り
昼:お弁当(玄米ご飯、牛肉しぐれ煮、ニラ入り卵焼き、野菜の和えもの)
夜:チゲ ごはん 付けあわせの海苔の和え物 @李さんの台所/飯田橋

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日が経ってかなり前のことになってしまったが、練馬区・上石神井にある酒屋「酒舗 石塚」さんに伺った。
以前デイリーポータルZで知って以来、ずっと気になっていたお店である。
(記事リンク「練馬で、すっぱいビールが美味しかった」「あっためて飲むとおいしい酒はどれだ?」「スウィーツをつまみに、花見酒を」
つくづくデイリーポータルZに人生観や行動を左右される私である。

リンク先を読んでいただくとわかる通り、コアでかつ美味しくてリーズナブルな酒を取り揃えたり試飲イベントをやったりと、酒に対しかなり面白い取り組み方をしているし、柔軟性に富んだ考え方をされているのが伺えて興味深いお店。
そして、私と同居人ともどもが何を追い求めているかといえば、このところハマりっぱなしの日本酒。
好きな居酒屋で飲ませてもらえるような、あんまり他では見ない日本酒が、そろそろ家飲みの際にも恋しくなってしまったのだ。
美味しい日本酒、ください!

で、電車を何回か乗り継いでまで向かうのだから、私たちも物好きだ。
西武新宿線を上石神井で降りて、向かうよ甲州街道沿い、あの憧れの酒屋へ。
記事でみた店構えを目の当たりにするだけで、これだー!と興奮してしまいますねえ。

いざ店内に入って日本酒コーナーの前に出れば、まあこれでもか!という未知なる様々な日本酒。
テンションも上がるが、生憎数があるうえに知識がないのだから、途方に暮れてしまう。
まごついていた私たちをみて、好みを聞いた上でお店のご主人がナビゲートしてくださることになった。
試飲もさせていただいたのだが、これまた美味い酒でして。
こんなに美味しい酒を振る舞ってくださるのだから、ご主人のおススメもご講釈も耳をダンボにして聞いちゃう聞いちゃう。

純米酒が欲しいと言った私たちに、ご主人が教えてくださった話が興味深く分かりやすかった。
ご存知の方は知っての通り、日本酒の原料である米を磨けば磨くほどランクの高いものとなり、半分くらいほどにまで磨いてしまえば「大吟醸」という大層なものになる。
という話を知ってはいたのだが、どうして米を磨いて小さくするほど高尚なものになるのか、その理屈にはいまいちピンときてなかったのだ。
要するに、米の外側の部分にいけばいくほど、それはすなわち「ぬか」であり、磨きが足りないものほど一般的にはぬか臭くなるのだという。
それを極限まで削って原料を半分にまでしてしまうのだから、大吟醸には高値がつくし、ぬか臭くないのだから有り難がられるのである。
ようやく納得がいった思いだ。
(尚、今は精米率90%程度のお酒でも美味しいものがあると勧めてくださったものもあったのだけど、それはまたの機会に。)

また、みりんも試飲させていただいたのだが、これまた美味しく。
紹興酒のベクトルで、酸っぱさはもちろんなくて、こっくりと、でもくどくなく甘くて美味しいの。
折しもそのとき売り切れていたので、これだけでもまた買いにいきたい。

そうしてアドバイスを経て買ったのは、草津の『道懽(どうかん)』という清酒と、佐渡の『真野鶴』というにごり酒。
どっちも、美味しくてすぐグラスが空いて困ってしまうほどで。
今まで自分たちで買ったものは何だったのだろうというほどで。
目利きに頼ると、こうも違うものなのか。
本当に、行ってよかったな。

難点は家からは行きにくいところなのだけど、それを跳ね返すくらいの力がある、石塚さん。
美味しいものをおしえてくださってありがとうございます。
そして、きっかけを与えてくださった、ライター・大塚さんにも多謝!
また行きます。

「酒舗 石塚」

クリームチーズで袋小路

2011-11-05 14:51:38 | DPZのお導き
<10月24日の食事>
朝:納豆掛けご飯 海苔の味噌汁 野菜のオイスター煮
昼:お弁当(玄米ご飯、鮭の味噌のせ焼、卵焼き、根菜とこんにゃくのキンピラ、サラダ)
夜:おでん おかかおにぎり(以上のもの、セブンイレブンで購入)クリームチーズ

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面白くて読んでいて真似したくなる読み物が多いばっかりに、簡単に試せるものはなにかと試してみたくなる素敵なサイト、デイリーポータルZ。
先日読んだ、編集部工藤さんの記事は職場でも簡単に真似できるものだったから、早速やってみた。
それがこの記事、「おでんにクリームチーズという悦び」である。

方法はとても簡単。
おでんをコンビニで、クリームチーズをスーパーマーケットで買ってくるだけ。
むろんのことおでんは自前でもいいし、高級なクリームチーズを専門店で買ってきたっていい。
とにかくそうやって手に入れた二つを、クリームチーズをディップのようにしておでんダネと一緒に口に入れるだけだ。

これがどうして、美味かったのだ。
記事には巧みに(工藤さんの味の表現が本当に巧みだ)味わいについて書いてあるから詳細を省くが、おでんにコクと酸味がプラスされて2割増し、といった印象だ。
ううむ、意外にも美味いぞ…。
試した中では、特にはんぺんが気に入った。
はんぺんのぶわぶわした触感にクリームチーズが上手く絡んで、革命が起きたといっても過言ではない。

が、食べ進めていくうちに、何だか落ち着かなくなってきた。
おでんにクリームチーズが合うか合わないか以前の問題で、私はクリームチーズが大好きなのではなかったか。
おでんも好きだから、好きなものをいっぺんに食べたらそりゃあ美味いだろうよという話なのではなかろうか。
そんな疑念が頭をよぎる。

ならば、もうこれっきりやらないかと言われれば、いや、やるね、美味いしとも思う。
だったら、結局美味かったしこれ好きだ、ってことでいいですかね。
一時のダイエット生活により食べ過ぎて、それを思い出すから見たくもなくなってたセブンイレブンのおでんがやっぱり美味しかった、と気づけたのも収穫だった。

幸いにも職場で一番近くのセブンイレブンはスーパーと並びだから、これからもちょくちょく食べるのでは、という予感。

クリームチーズに塗れるんだ!いぶりがっこ

2011-09-07 11:34:19 | DPZのお導き
〈8月30日の食事〉
朝:チーズオリーブトースト フルーツグラノーラ+ヨーグルト コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、豚のしょうが焼き、湯葉、もやしのナムル)
夜:金麦 ナスとじゃがいものチーズ焼き いぶりがっこのクリームチーズ和え チーザ

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いつも私の昼休みを充実させてくれているデイリーポータルZは、同時に料理の先生である。
これまでも、塩麹を作ったり、キャベツとバターをとろ火で蒸したり、色んなものを味噌に埋めたりと、未知の味と料理の可能性を広げてくれた。
して今回は、珍味部の「いぶりがっこのクリームチーズ和え」である。

秋田出身のOさんからいぶりがっこをいただき、そんな折にこの記事が上がったのは、天啓だと思いましたとも。
帰りにクリームチーズを買ったのは言うまでもない。

しかし、いぶりがっこを初めて取り扱ったのだが、燻製ってものは凄いね。
肉片のかけらすらもないのに、立ち上るのはベーコンのような匂い。
肉やサーモン、いかにチーズと燻製ものはあらかた好きなので、これもまた好きな匂いだ。

さて、「クリームチーズ和え」という名前であって「漬け」ではないのだから、混ぜて即刻食べてもよいのだろうけど。
ある程度馴染ませた方が美味しいに違いないと、いぶりがっことクリームチーズを交互に挟み込み、タッパーに入れて冷蔵庫で寝かせることに。
これがまた吉なのであった。
だって、日を置くほど美味しくなっていくのだもの。
クリームチーズにまで燻製の香りが移って…というのは記事の通り。
これは本当に、手軽なのに美味しい!

いぶりがっこをパックで2ついただいたうち、1つめの残りをまたクリームチーズと漬け込んだ。
残りは未開封の1パック。
いぶりがっこだけの味を知らないまま、この分だと全てクリームチーズ塗れにしてしまいそうである。

いぶりがっこをくださったOさんと、この食べ物の事を教えてくださったライター・ほそいさんの「珍味部」に、改めて感謝。

期せずしてソルティ X

2011-09-01 08:51:25 | DPZのお導き
〈8月22日の食事〉
朝:プレッツェル(ショーマッカーで購入) フルーツグラノーラ+ヨーグルト コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、ぶり大根、にんじんしりしり、ピーマンとアスパラを炒めたらしきもの)
夜:無印のレトルト豆カレー+玄米ご飯 豆乳

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朝に、プレッツェルを食べた。
ビールにも合うパン界随一のおつまみと聞いていながら、まだその組合わせを試してないなあ、と思いながら、ブラックコーヒーとともに食べる。
一緒に口に含みながら、これって「ソルティ X」じゃん!と気付きながら。

ソルティ X。
先日のデイリーポータルZで、ライター・T斉藤さんが書かれた記事のタイトルである。
記事はこちら

概要はといえば、塩入りを銘打つ飲料が多い昨今、それにちなんで、色んな飲み物と塩の相性を調べたという内容。
飲み物に塩を混ぜるのではなく、ソルティードッグよろしく、器の縁に塩を盛り、それを口にしてから飲み物を流し込む…というのが特徴だ。

記事ではブラックコーヒーとの組合わせも試されており、斉藤さんによると、ブラックコーヒーとの組合わせが一番良かったらしい。
翻って今現在、私が手にとっているパンは、岩塩がまぶされた塩辛いものである。
それと一緒に飲むコーヒーは、まさにソルティ・コーヒーではないか。

気が付いたら最後、注意深く味わうことに。
パンを齧って、コーヒーを流し込む。
うむ、美味い気がする。
けどこれは、パンとコーヒーの組合わせがよいという鉄板の答えなのでは。

今度は、岩塩を歯でこそげ取り、コーヒーを口に運ぶ。
美味しいような、気が、するな。
味にコクが出るような、けれど砂糖やミルクのように、舌に絡みつくくどさはない。
そして、苦味も柔らかくなるような。
うむ、アリかナシかでいえば、全然アリでしょう!

されど、その味の見分けに、自信があるかといえば、ちょっと濁したくなくなるんである。
そこまで露骨な変化ではなく。
そしてオススメか否かという辺りも。
こればっかりは個人の好みに左右されるので、気になる方はやってみるのが一番だろう。
元手もかからないしね。

あ、私はもともと「ちょい足しの塩」に求めるものが少ないので、こんな感想なのかも。
スイカやトマトジュースに塩はマストでしょ!といった方ほどお試しいただきたい。

待ってましたの塩麹

2011-04-22 12:32:17 | DPZのお導き
<4月13日の食事>
朝:フルーツグラノーラ+イチゴ+ヨーグルト コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、鶏とピーマンのトマトオイスター炒め、卵焼き、カボチャの煮物、サラダ)
夜:お弁当(玄米ご飯、鮭の塩麹漬け焼き、ニラのゴマ和え、おからこんにゃくと野菜の煮物)タニタ食堂の100kcalデザート・カスタード

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画面を見ながら、これほどまでに狂おしい気分になったのは久しぶりだった。
デイリーポータルZ、ライター馬場さんの書かれた記事「麹と塩と水で作る凄いうまい調味料」である。

この魅力は、私としては悲しいことだけれど、私のつたない文章を読むよりも、記事を見てもらえたら全てが分かる。
リンクを貼りましょう。
さあ、読んでください。
「麹と塩と水で作る凄いうまい調味料」

読みましたか。
涎を垂らしませんでしたか。
垂らしたでしょう。
以下は、言ってしまえばこの「塩麹」を作るのをトライしてみた、というだけの蛇足みたいな文章である。

作成・保存容器として、ヨーグルトを作ったとき買った1リットルのガラス瓶を用意。
煮沸消毒し、冷めるのを待つ間に、麹と塩を下準備する。
が、下準備もなにもやることは、馬場さんの記事にもある通り、麹をちぎって塩を計量して混ぜ合わせるだけ。
これを瓶に移し替え、ひたひたになるまで水を注ぐ。
蓋を締めたら、これからが勝負である。

いや、勝負もなにも、一週間から10日ほど、室内にほったらかしにしておくだけだ。
だが、美味しいものが徐々に出来ているのを分かっていながら、10日待つのって中々に根気がいるもので、そういった自分の堪え性との勝負である。
従って、日に一度スプーンで撹拌しながら、そわそわして落ち着かなかったのであった。

仕込んで、4日か5日ほど経った頃だろうか。
粒状だった麹がだらりとなれ、それまで無臭だったのが、出汁のようないい匂いを放つようになってきた。

という変化を、観察日記よろしくツイッターに書き込む。
いい匂いがしたけど舐めるのを我慢、とも書き込んだところ、馬場さんご本人からまさかのリプライが!
舐めてみて、味の変化を楽しむのも面白い、と。
その発想はなかった。
ご指南ありがとうございます!

出来上がるまでの間にも舐めてみてよしと、先生のお墨付きをいただいたのだから、早速翌日の撹拌時に味見してみる。
!!!
柔らかいな匂いに反して、かなり、しょっぱい。

考えたら、200gの麹と300ccほどの水に対し、塩は60gも入っているのである。
しょっぱいのも当然といえば当然か。
これが時間をかければ調味料としてそぐう塩気になるわけで、発酵というものが益々面白い。
以降、毎日掻き混ぜる度に味見していったが、なるほど味がまろやかに穏やかになっていき、感心させられたのであった。

仕込みから10日。
形状も味のうえでも、だいぶ角がとれたように思う。
匂いは更に魅力を増し。
よし、これにて完成としよう。

待ちに待ったのだから、即味わいたければ野菜に和えたりすればいいのだが、まず試したかったのは肉や魚を漬けて焼くもの。
鮭と豚肉を買ってきて、塩麹と馴染ませて。
また1日我慢の子である。

そうして出来たのが、この写真にある焼き鮭である。
…弁当箱に入ってるし、原型をとどめてないしで、分かりずれぇ。
結論を言えば、気に入ったもんだから毎日使っていて、後日もっと分かりやすい形で使っているのだが、一刻もはやく伝えたかったのだ。
御免被りたい。

で、肝心の味ですよね。
塩ベースなんだけど塩だけではない、この穏やかな旨みはなんて形容したらいいのか。
が、「旨」という漢字が、何とも適材適所である。
アミノ酸の泉に舌が抱き込まれているようだと申しますか。
って、よく分からないですね。

つまりは、そこのあなたも試すっきゃない。
今はそんなゆとりがないならば、心のメモに控えてほしい。
旨いですよ。
改めて、記事を書かれた馬場さんと、掲載されたデイリーポータルZには感謝の意を表します。
ありがとうございました!

失敗・ド・湯葉あげ祭り

2010-12-30 19:32:42 | DPZのお導き
<12月21日の食事>
朝:ホノカ(デュヌラルテのもの)ゆずジャム カッテージチーズ コーヒー
昼:パンプレート(+カボチャとサツマイモのポタージュ、リンゴのコンポート、クリームチーズ、くるみサラダ、コーヒー)@Alaska 池尻大橋
夜1:玄米クリームブラン・ラムレーズン コーヒー
夜2:湯葉(のつもり)カンパーニュ

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はい、チーズフォンデュが上手くいったため、調子に乗り過ぎました。

フォンデュ鍋を使った第一の目的料理と言っても過言ではない、湯葉作り。
作りもなにも、無調整豆乳を入れて火に掛け、膜が出来たら引き揚げる、それだけの筈なのだが。

まず、予想だにしない、沸騰した時の形状よ。
たちまちに沸騰し、もうもうと水位を上げ、鍋の淵を越え、コンロの火を消す。
豆乳よ、きみってそんな悪さをするのか。

そして、堪え症がないのでしょうねぇ、膜がほんの少し張ってきたかな、くらいで表面を突いてしまい、湯葉どころか膜と呼んでいいのか程度の、よく分からない固体を引き揚げただけでは無論のこと満足する訳もなく。
用意したわさび醤油も虚しく、なんだ今私が口に運んでいるものは。

と見事なまでに失敗に終わったのだが、最後の最後に鍋に残った、豆乳が煮こごったサムシング。
が、ひとに出せるようなものではないけど、美味かったとだけは明記しておく。

東京の西で世界を食べる

2010-11-25 22:00:14 | DPZのお導き
〈11月21日の食事〉
朝:コーヒー フランボワーズのビスキュイ ショコラ豆乳
昼:カンボジアのカレー モンゴルの串焼き チェコの焼き菓子&ビール ロシアのビール フィリピンのビーフン(少しもらった) インドネシアの串焼き(少しもらった) タイの揚げバナナ春巻き スパニッシュオムレツ @外語祭会場/東京外語大学・多磨
夜:ウコンハイ 黒豚のあぶり焼き 黒豚餃子 塩キャベツ ホタルイカ 鶏飯(少しもらった) @あじと 吉祥寺本店

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食行動において、デイリーポータルZには本当に多大な影響を受けていて、特に影響を与える二大巨頭といったら、ライター高瀬さんの自炊系記事と、ライター大塚さんのイベント系記事である。
今回は大塚さんの過去記事で知った、東京外語大学の学園祭「外語祭」に相方を伴って行くことにした、という記録である。

きっかけとなった記事はこちら。
@nifty:デイリーポータルZ:ここ日本じゃないのかも、という学園祭

向かうは多磨駅である。
お近くでないと、はてどこだって思うでしょう。
新宿方面からだと、中央線で武蔵境まで行って西武線で二駅。
そんなところに今回の訪問先・東京外語大学はある。

色んな国の言語を学ぶ大学だけあって、外語祭の目玉は、学生による各国の踊りや各国語による劇。
そして各専攻学科による、よその国料理である。
…すみません、滞在時間の短さも手伝って、それを主な目的として行きましたです。

イタリアや中華など、既に国民食レベルまで定着している国の料理に、最近定着しつつあるタイやインドの料理。
また、国の名前は知っているけど、専門店には行ったことないぞという国の料理!
そうそう、それを食べてみたかったのだ。

私たちが到着した午後3時頃は、残念ながら売り切れのものもあって。
買えた中で気に入ったのは、カンボジアのカレーと、チェコの焼き菓子である。

カンボジアのカレーは、ココナッツミルクベースで、しかし辛くはなく。
近いところでは、グリーンカレーから辛さを取って、じゃがいもなんかを入れて優しくした感じか。
美味しかった!

チェコの焼き菓子は、蒸しパンをぎゅうぎゅうに押したようなモチモチの生地に、果物が織り込まれているような物。
テクスチュア的にもろに私好みで、気に入らない訳があろうか。
持ち帰り用にもう一つ買ったくらいである。

もっと色々食べてみたかったが、2人がかりでビールの炭酸が効いた腹では、これが限界。
(いや、充分に食べているけど…)

お酒以外のものはだいたい300円以内で買えるという、いいんですか感。
しかも、モンゴルの串焼きにチェコのビールを合わせるという離れ業も、ここなら可能なのだ。
単純に食のイベントとして見ても、相当優秀な催しである。

加えて、一丸となって頑張る学生さんたちの姿にも胸を打たれた。
私、これやってなかったわあ。
大学に行っていないから学園祭とは無縁だし、そもそも今よりも更に社交ベタだったその頃に、こうして「皆で取り組む」ことに、苦痛を伴わず参加できたか。
なんというか、持たざる過去への、甘酸っぱい感傷を持ってしまった。

なんだか正しい楽しみ方をしていなかったような感じだが、それならそれで、大人目線で参加しよう。
そう気分を切り替えた霜月下旬の夕方であった。