三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

マイ・リトル・醤油さし

2011-12-31 09:52:17 | 買いました。
〈12月19日の食事〉
朝:チャーシューエッグ 玄米ご飯 お弁当のおかずの残り
昼:お弁当(玄米ご飯、豚とピーマンのしょうが焼き、カボチャサラダ、ひじきとほうれん草のサラダ、もやしと卵の塩麹炒め)
夜:ひよこ豆のカレー ナン チャイ @スルターン/飯田橋

----------

これまた結構前のこととなってしまったが、先月にかっぱ橋に行った際に、醤油さしを買ってきた。
白山陶器のもので全体が白、シンプルで美しい見た目と、持ちやすさや注ぎやすさといった機能性を兼ね備えた代物。
実はこれを買うのは二回目。
同じものを買い直したのである。

何故か、といえば答えは簡単で、初代のものを誤って流しに落として、ひびが入ってしまったのである。
以来、全く使えないことはないが、漏れずとも醤油が染み出すようになり。
何よりも、白いはずの地肌に茶色く亀裂が走るのをみるたびに、後ろめたさや後悔のような感情が沸き上がって後味が悪い。

買い替えよう、と思ったのである。
せっかく食のツールの問屋街・かっぱ橋に行くのだから、どうせならそこで。

いざかっぱ橋にて。
他の用事を済ませながら、あらゆる店で醤油さしを並行して探した。
見た目に惹かれたら、実際に手に取り、注ぐときのシミュレーションをする。
あるいは、注ぎ口の角度や曲がり具合を確かめ、注いだ後に垂れてこないかどうかなどを予想する。
もちろん値段も吟味する。

すると、なかなかしっくりくるものがないのである。
あるものは注ぐときに蓋を押さえにくそうで、あるものは機能性もデザイン性も充分ながら、予算に見合わなかったりする。
1000円前後とリーズナブルながら、機能性とデザイン性に優れているのは、何といっても私が持っている白山陶器のアレだったのだ。
いい買い物をしていたんだ、とようやく気付いた。

この白山陶器の醤油さし、かつてグッドデザイン賞を受賞したこともあってのことなのか、案外世の中に出回っている商品なんである。
だから何もわざわざかっぱ橋で買わずとも、実際私が一番最初に買ったのも渋谷のロフトだったか東急東横店だったのだが、結局この場で買うことにしたのだった。

その後、料理をすり際に新たに買ったものをおろした。
側面・上部にあるくびれを、私はただ単にデザインだと捉えていたのだが、指を添えやすいような位置でくびれているのだと、改めて気付く。
また、その位置で親指と中指以下とで瓶を支えれば、蓋に容易に人差し指が届くのだ。
すごく使いやすい。
本当にデザイン性と機能性が両立した品物なのだなあ。

役目を果たした先代の瓶は、一度綺麗に洗ってから燃えないゴミ用の箱に入れた。
今までありがとう、そして雑に扱ってしまってごめんなさいとの意を込めて。
そして二代目の醤油さしは落としたりしないよう、落ち着いての調理を心掛けたいと思う。

ドヤ顔で稼げ多品目

2011-12-30 13:53:30 | 作りました。
<12月18日の食事>
朝:ねんりん屋のチョコバウム コーヒー
昼:ドライカレー+玄米ご飯 ほうれん草とひじきのサラダ サラダ菜 ゆでたまご コンソメスープ とうもろこしのひげ茶
夜:チャーハン わかめスープ 多摩の恵

----------

前日の残りのラタトゥイユをドライカレーになおしたところ、どうもこの日の食材の品目は多いのではなかろうか?
知ってる方はご存知の通り、ラタトゥイユは色々な種類の夏野菜を煮込んだトマトベースの煮込みであり、野菜が沢山食べられる上に簡単にできる優秀な料理である。
最近では「一日に30品目というのは到達の難しい数字であり、そこまで気にする事はない。なるだけ多くの食材から栄養をとる」という風潮らしいが、なあに、多いに越したことはないだろう。
品目数において確信をしたので、カウントしてみることにする。

朝。
とはいえ朝は、品目数鵜目線で言うとばかっぽい内容であった。
あまけに自分で作っていないから材料が分からないが、小麦粉・牛乳・卵あたりは確実だろうか。
よってカウントを3とする。

昼。
確信をした際の食事なので、調子に載って品目数を伸ばす作戦とした。
・ドライカレー:トマト、ナス、タマネギ、ピーマン、パプリカ、牛肉+豚肉(合い挽き肉)
・米
・サラダ:ほうれん草、ひじき
・サラダ菜
卵は朝と被るから端折って
・スープ:キャベツ、ブロッコリーの茎、ウィンナーは豚肉としてカウント。
以上、堂々の13品目!

夜。
チャーハン:米と卵と豚肉(チャーシューを使った)は昼と被るからノーカウント、その他の材料は長ネギ、ニンジン、しいたけ。
スープ:わかめ、白菜。
以上をカウントすると5品目。

さて、一日の総計を出してみよう。
ドロロロロロ…(勝敗の結果を待つ時の効果音)
ジャン
出たー!21品目!

…結果に唖然とし、少し落胆もしてしまった。
これだけ品目数を多く使ったつもりでも、「30品目」には遠く及ばないのか。
朝をお菓子で済ませなかったら話は変わってきたかもしれないが、朝に用意できる食事なんて大して品目数は稼げないしなあ。
あと、豚肉を多用したから、もっと他のタンパク質と置き換えていたら変わるがなあ。
うむ、私には30品目は無理!
少なくとも、食材を無駄にせず使い切ることを前提に考えたら、2人暮らしではこれが限度じゃかかろうか。
一日30品目を一回でもクリアできる人は、どれだけいるのだろう。

とりあえず分かったことは、よほど意識的に色んな食材を使わないと、品目数を稼ぐのは困難ということ。
30品目は難しくても、20品目には届くように努めたいと思う。

主にごぱんなっとうの件

2011-12-30 07:36:08 | 食日記
<12月13日~17日の食事>
え~もともと10日くらい前の内容を書く事が多かった、当ブログ。
更新をさぼったりしているうちに、半月くらいが優に経ってしまって記憶も曖昧となり、焦りを覚えるようになってきました。
誰に強制される事も乞われる事もなく、自分でやろうと始めたブログなのに、このサボるだのなんだのという物言いはイラッときますね。
とりあえずまあ、ズルします。
13日~17日の5日間くらいのことをまとめて。
これまた一日の食事内容と写真+雑文というスタイルも自分が決めたのに、面倒いねえ。
まあ、いってみましょう。



この5日間の食事内容で興味深いものといえば、何と言っても「ごぱんなっとう」であろうか。
タレにバター醤油を使い、ご飯にもパンにも合うという名目で売り出されている納豆。
以前実家でみかけ、気になるもその場で食べず、東京に戻ってきてから探すもなかなか見つからなくて、その場で食べなかったことを後悔したいわくつきの一品である。

メインの写真に使われているこの日、早速トーストに乗せて食べてみたのだ。
感想をさっくり言うと、微妙でありました。
あんまりバター風味を感じず、パンとの仲良くしてくれない感じ。
カトラリーの類を使わず手で持って食べたせいか、パンの端という端から豆が落ちて食べにくかったし…
この前日に普通にご飯に乗せて食べたのだがそれは普通にちゃんと美味しくて、そうだよね、君たちほんと仲良しだもんね、と言ってあげたい気分であった。
そう、ごぱんなっとうとメーカーさんの名誉のためにも言っておくと、納豆自体はとても美味しかったんですよ。

ごぱんなっとうの話はまだ続きます。





ああ、ここで弁当が消えちゃったイリュージョン事件があったなあ



で、また続くごぱんなっとうの件。

ごぱんなっとうの包装フィルムには、納豆を卵焼きでまとめ、ご飯に乗せてどんぶりご飯として食すレシピが載っていたのだ。
ご「パン」なっとうなのに、パンとのマッチングが上手くいかなかったのが妙に悔しくて、私はこれをトーストのせで試すことにしたのだ。
タレにバター風味をあまり感じられなかったから、バター風味を追加すべく、熱したフライパンにまずはバターを落とす。
溶き卵を流し入れ、少し固まってきたところで納豆とタレを投入。
焼き上がったトーストに乗せてみた(のが、上記の写真、上部)。

結果はといえば、納豆オンリーよりはまだいけるかなあ、といった印象。
ただしこの場合、卵を足した分味が薄くなってしまったのと、卵でうまく納豆をまとめられなくて、それでもボロボロこぼしたのは私のミスであると考えられる。
卵を入れるなら味を足して、卵を流し入れた直後くらいに納豆を入れてもうちょっとまとまるようにしてだな…と、どんだけ意地になっているのか。

とりあえず、ごぱんなっとうを売っているところを把握したので、試したかったらあそこに行けばいいんだ、というのが分かったのは心強い。
という一方で、やはり私は「黒豆納豆にワサビダレ」が好きなので、そちらを選んでしまうんだろうなあ…

以上、主にごぱんなっとうの件でした。


目指せ上石神井、あの憧れの酒屋へ

2011-12-29 22:46:34 | DPZのお導き
<12月12日の食事>
朝:納豆かけごはん クリームシチュー 弁当のおかずの残り
昼:お弁当(玄米ご飯、牛肉しぐれ煮、ニラ入り卵焼き、野菜の和えもの)
夜:チゲ ごはん 付けあわせの海苔の和え物 @李さんの台所/飯田橋

----------

日が経ってかなり前のことになってしまったが、練馬区・上石神井にある酒屋「酒舗 石塚」さんに伺った。
以前デイリーポータルZで知って以来、ずっと気になっていたお店である。
(記事リンク「練馬で、すっぱいビールが美味しかった」「あっためて飲むとおいしい酒はどれだ?」「スウィーツをつまみに、花見酒を」
つくづくデイリーポータルZに人生観や行動を左右される私である。

リンク先を読んでいただくとわかる通り、コアでかつ美味しくてリーズナブルな酒を取り揃えたり試飲イベントをやったりと、酒に対しかなり面白い取り組み方をしているし、柔軟性に富んだ考え方をされているのが伺えて興味深いお店。
そして、私と同居人ともどもが何を追い求めているかといえば、このところハマりっぱなしの日本酒。
好きな居酒屋で飲ませてもらえるような、あんまり他では見ない日本酒が、そろそろ家飲みの際にも恋しくなってしまったのだ。
美味しい日本酒、ください!

で、電車を何回か乗り継いでまで向かうのだから、私たちも物好きだ。
西武新宿線を上石神井で降りて、向かうよ甲州街道沿い、あの憧れの酒屋へ。
記事でみた店構えを目の当たりにするだけで、これだー!と興奮してしまいますねえ。

いざ店内に入って日本酒コーナーの前に出れば、まあこれでもか!という未知なる様々な日本酒。
テンションも上がるが、生憎数があるうえに知識がないのだから、途方に暮れてしまう。
まごついていた私たちをみて、好みを聞いた上でお店のご主人がナビゲートしてくださることになった。
試飲もさせていただいたのだが、これまた美味い酒でして。
こんなに美味しい酒を振る舞ってくださるのだから、ご主人のおススメもご講釈も耳をダンボにして聞いちゃう聞いちゃう。

純米酒が欲しいと言った私たちに、ご主人が教えてくださった話が興味深く分かりやすかった。
ご存知の方は知っての通り、日本酒の原料である米を磨けば磨くほどランクの高いものとなり、半分くらいほどにまで磨いてしまえば「大吟醸」という大層なものになる。
という話を知ってはいたのだが、どうして米を磨いて小さくするほど高尚なものになるのか、その理屈にはいまいちピンときてなかったのだ。
要するに、米の外側の部分にいけばいくほど、それはすなわち「ぬか」であり、磨きが足りないものほど一般的にはぬか臭くなるのだという。
それを極限まで削って原料を半分にまでしてしまうのだから、大吟醸には高値がつくし、ぬか臭くないのだから有り難がられるのである。
ようやく納得がいった思いだ。
(尚、今は精米率90%程度のお酒でも美味しいものがあると勧めてくださったものもあったのだけど、それはまたの機会に。)

また、みりんも試飲させていただいたのだが、これまた美味しく。
紹興酒のベクトルで、酸っぱさはもちろんなくて、こっくりと、でもくどくなく甘くて美味しいの。
折しもそのとき売り切れていたので、これだけでもまた買いにいきたい。

そうしてアドバイスを経て買ったのは、草津の『道懽(どうかん)』という清酒と、佐渡の『真野鶴』というにごり酒。
どっちも、美味しくてすぐグラスが空いて困ってしまうほどで。
今まで自分たちで買ったものは何だったのだろうというほどで。
目利きに頼ると、こうも違うものなのか。
本当に、行ってよかったな。

難点は家からは行きにくいところなのだけど、それを跳ね返すくらいの力がある、石塚さん。
美味しいものをおしえてくださってありがとうございます。
そして、きっかけを与えてくださった、ライター・大塚さんにも多謝!
また行きます。

「酒舗 石塚」

じゃがいもと俳優

2011-12-29 14:17:05 | 食雑記
〈12月11日の食事〉
朝:アスパラのピザトースト ココア
昼:パッタイのランチセット(+サラダ、スープ、生春巻、デザート、ドリンクバー) @新宿三丁目
夜:クリームシチュー バゲット

-----------

この日の昼下がりに、映画を観に行ったのだ。
すこぶる良作だったものの、いかんせんあまりにも濃厚で、重い作品であった。
観終わったあとには熱にうなされたかのようになり、料理欲がすっかりなくなってしまったほど。
そんな訳で、簡単に作れるクリームシチューで済ませた次第。

クリームシチューといえば、思い出す話がある。

あれはひと昔~15年ほど前だっただろうか。
当時人気の絶頂だった俳優が、音楽デビューした。
具体的にはポイズンな歌を歌い、そののち家政婦役が好評を博した女優と結婚された方である。

その頃読んでいた音楽誌の読者コーナーに、こんな投書があったのだ。
いわく、先に揚げた某役者の歌声は、クリームシチューの中のじゃがいものようである、と。
悪意はなく、ただ単にそう感じた、という書き方であった。

その投書、分かる、と思ったのである。
他のじゃがいも料理ではなく、ピンポイントにシチューの中のじゃがいもである、と思ったのである。
彼のくぐもったような声質が、ねっとりとしたペーストに包まれているもっさりとしたじゃがいもとマッチするのだろうか。
ソリッドな見た目とは裏腹なところも印象的で、私の記憶に刻まれたのである。

って、共感を得られるような話をしているのか不安だが(なんせ、当時周りの人間にこの投書の話をしても、いまいちピンときていない様子だった)、そういう風に思った人がいて、掲載されたからには納得した人もいたということなのだから、独りよがりではないと信じている。

今回、油を控えるのと調理時間の短縮を狙って、じゃがいもとカボチャをレンジ蒸しにしてから煮込んだのだが。
蒸し時間を長く取りすぎたようで、煮込む段階でそれらはルーに溶け込み、固形物としては跡形もなくなってしまったのである。
味は別になんてことなく美味しいのだが、粘度を増したそれは、尚一層そりまちであった、と付け加えておこう。

目覚ましの熱燗

2011-12-29 09:46:00 | 行きました。
〈12月10日の食事〉
朝:マルセイバターサンド コーヒー
昼:マグロユッケ丼(まぐろ大津でテイクアウト) ほうれん草の味噌汁
夜:友人・Jと、同居人と。日本酒何種類か 自家製イカの塩辛 しいたけのジュージュー焼き 里芋とアンチョビのサクサクカナッペ 熟成鰺の刺し身 野菜の天ぷら 石鯛を焼いたの など @kazefukeba/池尻大橋

----------

今日初めて食べたみたいな書き方しているが、バターサンド、この週の始めごろに五個入りをいただいて、1日に一つずつ食べてる

-----------

すっかりお店を気に入った友人が「今度行くとき誘って!」と言うものだから、そりゃああまねく誘いますよ、池尻大橋・kazefukeba。
同居人と3人で。
珍しい組み合わせだけど、美味しい酒と肴が取り持つ楽しい仲間だ。
と、断言しちゃう。
だって二度目の対面とは思えないくらい、何だかとても自然で、楽しいぞ!

そんなもんだから、酒量も増えましたねぇ。
燗酒に関しては同じ徳利のを皆で分け合ったとはいえ、計5種ってのは歴代一位ではなかろうか。

ああしかし、燗酒に関しては目が覚めた思いよ。
熱燗用にあつらえたという「自然酒」という日本酒、熱燗につきものかと思っていた「熱気でムンとする感じ」が全くないのである。
冷酒のようなニュアンスのまま、温かく染みるのだ。
「普段は熱燗用に出してないけど、これだったらそんなにムンとしないかなあ」という別の酒も燗にしてもらったのだが、違いは歴然。
普通の熱燗と比べたら断然爽やかだけれど、「自然酒」を飲んだ後だとムン度は高く感じられる。
米と麹と水という出発点は同じなのに、作り手によって着地点がこうも変わるのだから、日本酒ってやっぱり面白い。
本当に色々と教えてもらえるお店だなあ。

尚、この熱燗用の徳利。
二重構造になっていて、外側に熱湯を入れ、内側に酒を入れた徳利を入れる仕組みとなっている。
酒を器に注ぐまでの時間によって、ぬる燗やら熱燗やらの調整がお好みで出来るという優れ物。
あとで調べたら、「燗徳利」というらしい。
これ一つ家に欲しいな。

18時から始まったこの場は、気が付けば23時。
時が経つのも忘れて、実際翌日の仕事の関係で早く退座する筈だった同居人もすっかり帰るのを忘れるほどで、沢山飲んだし食べたねぇ。
いやあ楽しかったし美味しかった!
また、何度でも行きましょう。

タリーズに犬食い女

2011-12-23 13:08:28 | 食日記
〈12月9日の食事〉
朝:トーストほうれん草のせ ココア
昼:鶏のピッツァだかそんな名前のもの シュークリーム コーヒー @タリーズ アトレ目黒店
夜:お弁当(玄米ご飯、牛肉と野菜のトマトオイスター煮、ニンジンの卵炒め、野菜のコチュ胡麻和え)

----------

コチュジャンかなり使える子。
醤油とみりんを控えめにしてコチュジャンに置き換えるだけで、いつもと一味違った胡麻和えになります。

------------

外で打ち合わせだった。
また、締め切りの早い仕事を抱えていて、終わったら即刻帰りたかった。
けれど、空腹が度を超えて、出先でさっと昼食を済ませたい気分であった。

降り立った場所は目黒駅。
さっと済ませられる場所はと駅隣接のアトレで探し、目に留まったタリーズに入る。

こういう気分で食事を摂るとき、人は、というか私はどういう食べ方をするかと言えば、犬食いである。
そりゃ手は使いますが、ひとめも顧みずにわしゃわしゃ食べる様はだいたい犬である。
いや、そう言ったら犬に失礼だ。

とにかくまあ早さ重視の汚い食べ方をしていまして、問題はロケーションだ。
タリーズといえばおしゃれコーヒーチェーンであり、そしてこの店舗は二階にあれど全面ガラス張りなんである。
二階だからそうそう目には入ってこないだろうが、下から見上げたら、窓辺で貪り食う三十代の女が視界をよぎるんである。
これって営業妨害になってやいないか…?

それに気付くのは食事が済んだあと。
タリーズに申し訳ないと心の中で詫びるとともに、どんなに急いでいても美しい所作ってやつを心掛けないとなと反省したのであった。

スメルズ・ライク・アスパラ・スピリット

2011-12-23 00:46:11 | 食雑記
〈12月8日の食事〉
朝:ピザトースト 弁当のおかずの残り りんご コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、豚と野菜のショウガ炒め、根菜とこんにゃくのキンピラ、たまごもやし炒め)
夜:デミグラスオムライス(ファミリーマートで購入)

------------

汚い話をしますので、食事中の方はご容赦ください。
------------

仕事中の耳の友として、ラジオ番組のポッドキャスト配信を聞くことが増えた。
好きな番組は、『小島慶子のキラキラ』『安住紳一郎の日曜天国』、それに忘れちゃいけない『デイリーポータルZラジオ』。
たいていそういう時は一人で作業をしているから、楽しいおしゃべりで寂しさが和らぐようで心地よいのである。

その『日曜天国』のアーカイブを聞いていたところ、こんな話を紹介していたのだ。
番組からの聴取者プレゼントとして、北海道産のアスパラガスを送りますよ、というその日。
安住さんがアスパラの効能について説明しながら、あの作用についても触れたのである。
あの作用、それすなわち「にょうが臭くなる現象」である。

ええとスミマセン、平仮名で生々しくならないように心掛けましたが、排泄の話ですね、つまり。
食事中のかた、本当にスミマセン。
更には追い討ちをかけるように申しますと、私はそっち側の人間であります。

で、その現象なのだが。
臭くなるのは約3割の人だけで、臭くなるけど特に健康に問題があるわけではない、と認識していたのだ。

ところがその時の話によると、別の調査結果もあるらしい。
どんな人も、アスパラの成分が反応して、にょうの中に匂いが放出されることはされるのだ。
だが、その匂いを感知できるのが、3割の人間だけだというのだ。
なんとまあ。
目から鱗である。

自分の中の常識が覆ったのも驚きなら、同じ匂いを発していても、それを知覚する人といない人がいるのも驚きだ。
匂いってそういうものなのか。
この分だと、他の匂いにおいても感知する・しないものがあるのかもしれず、また、私が嗅げない匂いもあるのかもしれないと想像すると、だから人間って面白いと思う。

そう考えていくと、レアな匂いを嗅ぎ分けられて私ラッキー!と思う訳はなく。
まじきついんで勘弁してください私アスパラ好きなのに、と切望するのであった。

君は「わらさ」を知っているか

2011-12-21 11:19:02 | 学びました。
〈12月7日の食事〉
朝:キャベツのピザトースト りんご ココア
昼:お弁当(玄米ご飯、わらさの照り焼き、白菜のおひたし、じゃがいもとブロッコリーのマスタード炒め)
夜:チキンマサラ ナン チャイ @スルターン/飯田橋

-----------

あなたは「わらさ」をご存知だろうか。

それを目にしたのは閉店間際のスーパーマーケット。
半額のステッカーが貼られた魚の切り身のパックが目に留まった。
品名には「わらさ」と書いてある。

「さわら」の間違いではないかと思った。
その一角のすべての魚が「わらさ」と表記されているが、プリンターか何かで一気にラベルを作るのだろうから、全部が間違いであってもおかしくない。
面白いし安いし、と買うことにしたのだ。

そうして買って帰った「わらさ」だが、気がかりな事があった。
「さわら」の誤表記のつもりでいるが、あんまり鰆っぽくないな、という見た目だったのだ。
魚の種類の見分けには自信がないが、それでもちょっと違うみたい、と感じられるほどに。

「わらさ」を調べてみた。
漢字では「稚鰤」と書くらしい。
ブリの未生育種であるらしい。
…あなた、ブリでしたか。

誤字発見!わらさだってwww などと、ツイッターに写真つきで投稿しなくて本当によかった。
養殖ものや冷凍した魚を解凍したものじゃないですよ、という意味の「天然」シールを、「自己申告か!」などと突っ込まなくて本当によかった。
ああ、赤っ恥寸前…。

こうして初めて買った「わらさ」は、照り焼きにした。
ブリだしね!
とてもおいしゅうございました。

「オゴる」を考えた

2011-12-20 22:02:07 | 食雑記
〈12月6日の食事〉
朝:たらことカッテージチーズのトースト ブロッコリーとウィンナーのコンソメスープ
昼:キッシュプレート @キッシュとタルトの店 SEKI/飯田橋
夜:お弁当(玄米ご飯、鶏とレンコンの酢醤油炒め、ニラの卵焼き、ほうれん草のおひたし)

-----------

二週間分も日記を溜め込んでおります。
そのときの写真を振り返ると、「あー、この時も使った食材、まだ冷蔵庫に残りがあるな…早く使いきらないと…」と思いますね。
備忘録としてはいいのかもしれないけど、具体的にはとっととレンコン使ってしまえ。

-----------

以前仕事をした相手に、50歳間近の女の人がいた。
年齢は私よりもだいぶ上だけれど、その取引先の会社で働き始めてまだ数ヶ月ということもあり、つまりはその仕事においてかなりの初心者だったのである。

当然のように仕事は滞り、スムーズにいかなかったのだが、仕事を始めて間もないのを知っていたから、私はそんなに気にしなかった。
態度にも出していなかったと思う。
ところが彼女の方こそ気にして恐縮してしまい、ことあるごとに丁重に謝られる。
その挙げ句、「今度オゴりますから」と何度も言うのだった。

仕事がうまくいかないことには何も思わなかった私だが、その言葉には引っ掛かりを覚えた。
まだあまり親しくない人との会食なんて気詰まりだし別にいいんだけどなあ、という以前に。
いやいやなにも飯で帳消しにしなくてもと思いつつ。
まずは「オゴる」という言葉が、どうも気になったのだ。

「傲る」という言葉がある。
三省堂の大辞林によると、「才能・家柄・地位などを誇る。また、それを頼って(思い上がって)わがままな振る舞いをする」という意味だ。
要はいばりくさった印象の強い言葉である。

一方この場合の「オゴリ」は漢字にすると「奢る」と書き、「人にごちそうする」と言う意味も持つことは持つのだが、「分不相応に贅沢になる」という意味を持ち、「傲る」の方と同源の言葉であるらしい。
確かに例文にある「あの人は口が奢っている」にはいい印象を持てない。
違和感の正体はここにあるような気がした。

つまりは、何の気なしに発したと思うが、目上の人間が下の人間に使うような、少し偉そうに感じられなくもない、下手したら「飯食わせてやってやる」くらいの強い言葉なんである、「オゴリ」は。
それ、上司が部下にだったり、あるいは友人関係で何かのお返しとして、ならおおいに使って然るべしだが、仕事相手に使うもんじゃないだろう。
特に詫びを表意したいのならなおさら。

ならば、「今度お詫びにごちそうさせてくださいね」辺りが正解なんだろうか。
いや、べつにご飯食わせてくれなくていいですけどね。
年齢的には彼女の方が上だった訳だから、その辺りない交ぜになってしまったのかもしれない。

あれから彼女はその仕事の担当を離れ、私もその仕事から離れた。
関わりを持たなくなって時が経つ。
「飯オゴリ」の約束は、果たされぬままである。


いやだから約束してねえって。