三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

渋谷はパンの嵐

2012-10-30 10:46:48 | パン侍
〈10月6日の食事〉
朝:ピザトースト フルーツグラノーラ+ヨーグルト コーヒー
昼:スモークサーモンとクリームチーズのイカスミバケットサンド パンオショコラ(以上二点、ゴンラントン・シェリエで購入) グリル野菜のサラダ(ディーン・アンド・デルーカで購入)
間食:さつまいものスコーン(キィニョンで購入)
夜:野菜とチーズのフォカッチャ(ゴンラントン・シェリエで購入) グリーンスムージー

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病院に行ってから出勤、という流れだったこの日。
普段とは違うルートで向かうことになった。
だったら渋谷で途中下車して、昼食・夕食を買ってから向かおうと思ったのだった。

ところで、渋谷がいよいよもってパン屋激戦区となったことをご存知だろうか。
パンの名店・VIRONを筆頭に、各デパートや東急フードショーに出店しているパン屋が乱立気味だったところに、この春先に出来たヒカリエの中にも有名店が数多く出店。
渋谷の店一店につき一点買っただけでも大荷物になるな…という状況下、バババーンと宮益坂と明治通りの交差点に出来たのが、今回伺ったゴンラントン・シェリエなのであった。

「ゴントラン シェリエ 東京」は、パリのパン職人・ゴントラン シェリエ さんのお店。
通りに面した部分はガラス張りで、店内は明るく開放感がある。

その中に並ぶ、色とりどりのバゲットが目に麗しい。
そう、ここには赤や黄色、黒のバゲットがあるのだ。
それぞれパプリカ色素、カレー粉、イカスミが練り込まれているらしい。
各バゲットごとに、それにマッチする具が挟まれたサンドイッチも展開され…というのは、これを書く段になって調べた記事に載っていたこと。

All About|「ゴントラン シェリエ 東京【渋谷】」レポート

記事をよく読めば、なんと味噌を使ったカンパーニュもあるということで、見落としていた自分の迂闊さにがっかりである。

尚、フレンチスタイルにこだわる店としては珍しく、ザ・ニッポンなパンである、メロンパンなんかもあるとのこと(ただし、なんとクロワッサン生地にメロン部分!)。
伝統とユニークさが共存する、「ここならでは」があるということ。
素敵だ。

さあ、早速イカスミのバゲットを使ったサンドイッチを食べてみよう。
この中身はスモークサーモンとクリームチーズで、先ほどの話に照らし合わせれば、なるほど海つながり。
とても美味しい。

特筆すべきは、お腹いっぱいになった後で少し食べたくなってしまって、ちょっと食べるつもりが美味しくてついつい全部平らげてしまったパンオショコラ。
美味しいクロワッサンの条件は、餅のような肉のような食感だと思うのだが(もちもちした歯応えと、バターのジューシーさによるものだと思う)、これはまさしくそれ。
チョコレートも惜しみなく入っていて、なんともまあ、素晴らしい食べ物がこの世にあったものよ。

他にも色々買ったが、この日と翌日だけで食べ切ってしまった。
魔性のようなパンである。
記事を読んで、来店した時には気付かなかった発見が沢山あったので、また行かねばなるまい。

とまどいガーナカレー

2012-10-28 12:38:08 | こんなものを食べてみました。
〈10月5日の食事〉
朝:カボチャとクリームチーズのトースト フルーツグラノーラ+ヨーグルト コーヒー
昼:ガーナのピーナッツカレー
夜:お弁当(白米、蒸し鶏とレンコンのナンプラーオイスター和え、カボチャサラダ、野菜の卵いため)

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職場の近所の弁当屋さんにて、「ガーナのピーナッツカレー」なるものを発見。
エスニックメニューを多く出すカフェが経営(か、または業務提携)している弁当屋であるから、ガーナ人が作ったのではなく、あくまでガーナ風のカレー、ではある。

日本人にとってガーナといったらチョコレートであり、私においてはプラスしてアフリカにある国だなということ以外の知識がない。
そんな、ガーナ風のカレーってどういったものであろう。
興味を引かれて買ってみたのであった。

具は主に鶏肉とジャガイモ。
「ピーナッツ」は、具ではなくルー部分に使われているらしい。
そのせいか、辛くスパイシーでありながら、ほのかに甘い。
その甘みもカレーでは出会ったことがないベクトルである訳だから、なるほど異国のカレーであると納得。

舌が慣れるのに時間がかかったが、概ね美味しい。
ただ、どうしても解せぬのがジャガイモなのだった。
すごく固いのだ。
日本のカレーに入っているジャガイモは主にホクホクだが、これはシャキシャキ、ひいてはバキバキである。
慣れない。
これにはただひたすら慣れない。

ううむ、これは「そういうもの」なのか。
それとも、単に生煮えだったのか。
実際にはガーナ人が作っているわけではないだけに、判断がつかない。
こりゃあ、ゆくゆくはガーナ人が作ったものを食べてみないとな…どこで食べられるんだろう。
ぼんやりと異国に思いを馳せながら完食したのであった。

スライスチーズの汎用性

2012-10-28 12:07:48 | 食日記
〈10月4日の食事〉
朝:カボチャとチーズのトースト フルーツグラノーラ+ヨーグルト コーヒー
昼:鶏唐揚げのオーロラソースのピタパンサンド チョコフランス トマトジュース
夜:お弁当(玄米ご飯、豚のしょうが焼き、舞茸の卵焼き、カボチャサラダ)

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私はチーズが好きである。
このブログへの登場回数からいって、言わずもがなといった感じであろう。
外食・内食におけるチョイスはもちろんのこと、自炊時においても、カマンベールにブルーにクリームにと、用途別に使い分けるのは悦楽である。

トーストに使う時は、スライスチーズだ。
しかも「とろける」方じゃないもの。
ただのスライスチーズはそのまま食べても美味しいし、「とろける」表示がないからといって、溶けない訳じゃないからである。
要は汎用性が高いのだ。

ただ、これをトーストに使うにはやや難がある。
なぜだか妙に、歯の裏から上顎の裏にかけてに引っ付くのである。
くっつく度に舌の先でこそげ落とすが、さぞかしその顔たるや、ぶっさいくなことであろう。
朝食は一人で摂る習慣で良かった。

美味いことには変わらないが、これは考えものだ。
というか、思いきり減点ポイントではないか。

考えたら、殆どの用途が「トーストにのせる(ピザトーストも含む)」 「そのまま食べる」なんである。
だったら、とろけるチーズとそのまま食べる用のプロセスチーズを、両方買っておけばいいんじゃないのか。
とろけるチーズは、別段口の中にへばりついたりしないのだから。

汎用性が高いなど堂々と言いながら、そうでもないとあとになって気付く。
何だろうか、この浅はかな日記は。

秋の味を先取りに

2012-10-26 22:29:23 | 食日記
〈10月3日の食事〉
朝:トーストにクリームチーズ+ハチミツ 弁当の残りの野菜炒め コーヒー
昼:秋野菜のキッシュ サラダ バタートースト マカロニ コーヒー プチデザート @キッシュとタルトの店SEKI/飯田橋
夜:お弁当(玄米ご飯、塩鮭、野菜炒め、卵焼き)

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秋野菜のキッシュの中身は、カボチャにサツマイモ。
長引く暑さにより、この時点ではまだまだ秋の気配すらしなかったのだが。
秋野菜の恵みを美味しく味わうと、早くこれがそぐう季節になって欲しいなと思う。

予期せぬ方向に季節を美味しく先取りしながら完食。
カボチャを食べたい欲に火がつき、カボチャを買って帰ったのは言うまでもない。

トマトジュース・イズ・ノット・ブラッド

2012-10-26 10:42:50 | 食雑記
〈10月2日の食事〉
朝:ハムとチーズのサンドイッチ(イトキトのライ麦パン使用) コーヒー
昼:お弁当(油麩と野菜の卵とじ、玄米ご飯、ほうれん草の食べラー和え)
夜:多分ローソンで買ったカルボナーラスパゲッティ トマトジュース

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トマトジュースで思い出すのは、吸血鬼である。

子どもの頃観ていたアニメや漫画の、あれは何だったか。
吸血鬼が出てくるあの頃の漫画作品となると、「怪物くん」か「ときめきトゥナイト」だったと思うのだが、トマトジュースがこんな使われ方をしていたのである。
おいそれと生き血をいただけない現代社会に生きる術として、血液の代わりにトマトジュースを。
あくまで「我慢するか、しょうがねえ」という表情で飲んでいたように思う。

あるいは、雪合戦の雪玉に入ったトマトケチャップ。
これに至ってはどういう流れで出てくるエピソードなのか分からず、作品名がまったく想像できない。
雪玉の中に、ケチャップを仕込むのである。
ぶつかれば、その中身がグチャッと出てくる。
おい血が出てきたぞ、石入れただろう!バーカ違うよ、トマトケチャップでした~。
そんなオチだった。

何故こういった場面を思い出しているかといえば、グラスに注いだトマトジュースが、あるいはペットボトルの縁についたそれが、思いのほか血みたいだったからである。
なるほど、トマトジュースと血の色みや濃度は、似通っている。
こりゃあ、そんなオチにも使われてましょうて。
長らくトマトジュースを飲む嗜好ではなかったから、今の今になってようやく気付いた事項だ。

トマトジュースと血液の見た目の近似性については納得がついたが、大人になって今更気になるのは栄養素についてだ。
成分は大いに違うだろう。
彼らは栄養が片寄らずに済んだんだろうか。
それとも、血液は嗜好品だから摂らなくても別段問題なくて、飲んだ気分になりたいからトマトジュースで我慢しているんだろうか。
(あ、ビールとノンアルコールビールの関係性みたいだ!)

などと、25年以上前に見た彼らの姿に、思いを馳せてみる。

トマトジュースの狙撃

2012-10-25 23:31:39 | こんなものを食べてみました。
〈10月1日の食事〉
朝:無花果とクルミのパン(MUGIで購入) コーヒー
昼:お弁当(白米、鶏とピーマンの塩麹いため、ほうれん草の卵とじ、ジャガイモとアスパラのマスタードいため)
夜:BLTサンドイッチ ぎゅっとショコラ(以上二点、ローソンで購入) さけるチーズ トマトジュース

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最近の食習慣といえば、遅ればせながらのトマトジュースである。
食塩無添加のものをグラスに注いで、大さじ一杯の黒酢と混ぜる。
これを朝一番で飲むのが、朝一番の習わしだ。

きっかけは、美容院で読んだファッション誌に載っていた、室井滋さんのエッセイ。
上記のトマトジュース+黒酢のドリンクを飲んでいた主婦が痩せたという手記を目にし、室井さん自身もお試しになる。
確かに腹部に肉がつきにくなったようだ…というような内容だったと思う。
と、ぼんやりした引用なのは、なんせその時読んだだけの記憶で書いているからです。
すみません。

それを読み、やってみたいなと思った。
そこまでの効用があるならというのもあるが、何より美味しそうではないか。

早速、小さなパックのトマトジュースと、黒酢を買ってきた。
封を切ってグラスに注ぎ、大さじ一杯の黒酢を入れてよく混ぜる。

これが、予想以上に美味しかったんである。
そのままでは淡く頼りない味わいの無塩のトマトジュースも、黒酢を入れることで、シャキッとビビッドな味わいになる。
朝の目覚めにうってつけの刺激。
うん、この味でコストもあまりかからず、これだけの労力で済むなら続けられる。
以来、毎朝飲んでいる。

肝心のその効用はといえば、食欲が少し抑えられるようになったような。
ジャンクなものをおやつとして食べる回数が減ったような。
形には目立った変化はないが(おやつは減れど、飲み食いは相変わらずですし…)、無駄な食欲を抑えられているだけでも御の字である。

さて、明日の分のトマトジュースを買って帰ろう。

カニにひれ伏す

2012-10-24 08:53:04 | いただきました。
〈9月30日の食事〉
朝:柚子生姜ベーグル(倉敷のMUGIで購入) コーヒー
昼:カジキマグロと野菜のガレット アイスティー @ガレット&クレープ SO/自由ヶ丘
夜:カニしゃぶ 鯛めし(伊豆土産のキット使用) 刺身サラダ 日本酒

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振り返れば、この日は中々に書くべきことが多い一日なのであった。
倉敷で買ってきたベーグルが美味しかったし、初めて行った自由ヶ丘のガレット屋さんも美味しかった。
だが、それを翻すほどの強力なタマが…カニなのであった。

カニ。
この一ヶ月ほど前に、実家が日本海側にあるひとから頂いたものである。
もう少し寒くなって、日本酒と合わせたいような季節になったらいただこうと、冷凍庫に保管していたのだ。

この9月30日時点ではまだまだ暑く、その望ましい季節にはまだまだだったのだが、何故開ける気になったかというと「食事の用意をするのが面倒だから、一品でも楽をしたくて」である。
おまけに解凍するまでろくに確かめず、剥き身・非加熱のしゃぶしゃぶ用とはついぞ思わなかった。
加熱済みの殻がついた脚をもらったのだと思っていた。
カニを全然有り難がっていない不届き者である様が伺いしれよう。
つくづく罰当たりである。

カニしゃぶだとは思っていなかったから、大慌てで出汁を張った鍋やコンロを用意し、つけ汁をありもので工夫して…と、結局一大事になりながら、食卓完成。
ささっと湯通しして、食べてみましょう。

一口頬張るなり、前述のような気持ちでカニに向き合っていたことに、深く陳謝した。
軽んじてごめんなさい。
なんなのこれ超美味しい。
旨味の集合体が、口に入れた途端に溶けてなくなるような柔らかさ。
日本酒との相性は言わずもがなで、日本に生まれた上に成人で酒が大丈夫な体質で、本当によかった。

うわあ、カニって凄いんだなあ。
人気のほどが、ようやく理解できたように思う。
以前、「海老とカニは付き合うなら圧倒的に海老」と、二者を擬人化してまで語ったことがあるが、前言は撤回だ。
とはいえカニに軍配に上げるということではなく、海老も海老で物凄く魅力的だから困る、ということ。
嬉しい悲鳴とはこういうことなのだと思う。

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長くいただいた夏休みもこの日で終わり。
エネルギーをもらったところで、また明日から頑張りましょう。

茹で置きという革命

2012-10-23 11:28:41 | 作りました。
〈9月29日の食事〉
朝:カロリーメイト・メープル味 コーヒー
昼:ナポリタン
夜:銀のさらでデリバリー寿司 日本酒

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カフェのメニューとしては必須で、実にオシャレ感の漂う食べ物である、スパゲッティ。
ここは文章の主旨上、パスタではなくスパゲッティと呼ぼう。
そんなスパゲッティの数あるうちの一つのナポリタンであるが、私はあれだけはゲスな食べ物でいて、と思っている。

果肉感たっぷりのトマトソースなんかじゃなくて、ケチャップを使おうよ。
肉の部は、ソーセージかベーコンなんかの加工肉、しかもハーブなんかを織り込んだりしていない、王道中の王道のやつ。
野菜はピーマンと玉ねぎ、ピーマンは輪切りで、気持ち程度に入ってればいい。
キノコを使うなら、スライスマッシュルームの水煮缶ね。
今は生のものが手に入りやすいけれど、そんな血迷ったりしちゃあいけない。

そして、肝心要なのは麺。
どちらかと言えば太いの。
そして、アルデンテなんて言葉は辞書に用意しないくらい、柔らかいの。
コシなんか望んじゃいけない。

こういうのを、口の周りを一周真っ赤にするのがいいのだ。

ところが、この麺のコシ問題については、どうしたらよいのか分からなかったのだ。
麺の袋に表示されているゆで時間では、理想のナポリタンより断然堅い。
もっと長めに茹でればいいのか?
それはどのくらいが最適なのか?

その答えは、TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』のアーカイブを聞いている時に得られた。
それは、いろいろな店のナポリタンを食べ歩くブログをやっている方が、ゲストに出られた時のこと。
その方も、麺は柔らかめが好みらしい。
曰く、「麺は茹で置きしているような店がいい。何なら、昨日茹でておいた麺を使っていてもいい」のだとか。

茹で置き!
革命のファンファーレが鳴った瞬間であった。

そうと分かれば、話は早い。
ナポリタンは思い立った時に食べたくなるものだから、前日からの茹で置きは難しいが、先に麺を茹でてから放っておけばいいのである。
従って、最初に麺を茹でザルにあけてから、野菜を切り炒めてと、味部分の調理をした。

そして、いざ実食。
うむうむ、この麺の柔らかさ。
冒頭にあれだけナポリタンのセオリーを述べておきながら、具なんてちっとも守ってないが、麺の茹で具合とケチャップの味による作用は大きい。
まさに理想のナポリタンである。

簡単に理想の味を得られる上、同時進行しなくて済む分、落ち着いて調理できるのもいい。
これからもこのやり方で作ろうと思う。

倉敷へ

2012-10-22 09:07:24 | ちょっと遠くに行きました。
〈9月28日の食事〉
朝:カロリーメイト・チョコレート味 緑茶
昼:カレーライス アイスティー
間食:ぶどうのスムージー
夜:鮮魚のアヒージョ ソーセージの盛り合わせ ビール二種類ほど @テイキー/都立大学

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ひとり旅最終日。
行き先は倉敷である。

瀬戸内海の島々に行くにあたり、東京からなら高松まで飛んで船、というルートもあったのだが、何故岡山を駐屯地にしたか。
といえば、飛行機が苦手でなるだけ乗りたくないというのもあるが、大きな要因が、倉敷にも行きたいからなのであった。
島へも倉敷にも、岡山からのアクセスはよいのだ。

さて、お世話になったホテルをチェックアウト。
岡山駅から倉敷駅までは電車で20分弱、その上電車の本数も多い。
乗り遅れに怯えなくていいという、安堵といったら(と思ってたら、実際一本乗り遅れました)。

倉敷での目的は、散策と買い物。
駅から15分も歩けばもう、目に美しい美観地区のお目見えだ。
水路の両脇にはすらっとした柳に、白さが青空に映える蔵が並ぶ。
水路には、なんと白鳥まで…!
こんな町中で白鳥を見たことなど、今まであっただろうか。
歩くだけで心が洗われるような街である。



さて、倉敷は昔から有名な帆布製品やデニム、近頃では可愛らしい色・柄のマスキングテープと、ガーリー寄りの文化と親和性が高いものの生産が盛んである。
(正確には、デニムは倉敷駅のまわりではなく、倉敷市の中でも児島という街で盛んらしいが)
特にマスキングテープはよく買うし使うから、テープの直営店に行けたのは感激だ。
また、帆布の小物なども購入。
つくづく、物欲との闘いにもなる街でもある。

そして、平翠軒。
数年前のデイリーポータルZの記事(「岡山のおいしいものブティック「平翠軒」」)で読んで惹かれ、以来ずっと行きたいと思っていたこちらに、遂に訪問である。

平翠軒は、お店のオリジナル食品のほか、全国各地・世界各国からの選りすぐりのいいものを集めた、〈食〉のセレクトショップである。
記事のおかげで予備知識はあったものの、実際に目の当たりにしたときの、ところ狭しと置かれた食の世界には、ただひたすら圧巻。
そのどれもこれもが、今まで見たことがないようなもの。
手当たり次第欲しくなってしまって困り果て、一度店を出て昼食を摂り、冷静になってから再訪したほどである。
候補を絞って絞って数点を買ったが、もう少し買えばよかったと今さらながら後悔している。
いや、また行こう。



その後、雑貨屋を巡りカフェ休憩もし、最後には渡し舟で水路を巡って、フィニッシュ。
渡し舟の上では、船頭さんから街や蔵の話を聞いた。
歴史を知るか否かで街の姿は変わって見え、貴重な体験だった。

岡山から、東京への新幹線に乗る。
戻ってからの夕食を同居人と摂ったせいか、早くもこの旅は夢ではなかったかと思えてくる。
が、土産物や写真を見れば、紛れもなく私はそこにいたわけで。

瀬戸内海の島々、また行きたいな。
日にちと場所を吟味した結果、今回は駐屯地にしてしまったけど、岡山市内もゆっくり回りたい。
うむ、何度でも思い出したい、いい旅であった。

旅二日目・1 豊島へ

2012-10-19 21:24:19 | ちょっと遠くに行きました。
〈9月27日の食事〉
朝:玄米クリームブラン・イチジク 緑茶
休憩:りんごの炭酸飲料 @地中美術館内カフェ
夜:ドライカレー 生ビール @Little Plum

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記事一覧
最初に結論を申し上げると、この日に食を堪能したのは夕食だけだ。
しかも、昼抜きだ。
いやあ、なんせ時間がなかった。
それは何故かといえば。

ひとり旅二日目。
ベネッセの運営する〈アートの島〉3つのうち、この日は最大の島である「直島」、そして「豊島(てしま)」を巡ろうとしていた。
が、いかんせん島間のアクセスは、そんなにいいわけではない。
美術館の開館時間や電車・船のダイヤを慮って色々計算すると、直島をメインにしたうえで両方一日で廻るには、12時前に豊島に到着後、14時30分くらいに出る豊島発・直島着の船に乗るしかない。
というのを調べて判明したのが、ひとり旅一日目の夜。

豊島にいられる猶予は約2時間半…それって、「巡る」と称していいものだろうか。
移動時間を考えたら鑑賞に費やせる時間はもっと限られるし、ましてや食事なんて。
ああ、昨日犬島行ったあと豊島に行けばよかったんだ。
昨日のペースだったら犬島発・豊島着の船には十分間に合ったし、豊島と岡山を結ぶ船は多いから、帰りもゆとりを持てたはず。
ひとつでも乗り物を間違えたらアウトという、こんな切羽つまった気分で今日一日を過ごすなんて。
どれもこれも、下調べが甘いせいである。

まあ、変えられない運命を嘆いたって仕方ない。
気を取り直して、岡山駅より電車で宇野に移動、そこから豊島へと向かう。
港に程近い場所から発着しているシャトルバスに乗り込み、一路「豊島美術館」へ。



この豊島美術館が、素晴らしかった。
いびつな半球状の白いドームの天井に、ぽっかりと開いた大きな穴。
下には泉のような、大きな水たまり。
足下を見れば、つつーと泉に向かって流れる水、そして水を生む小さな球体。
裸足の足に伝わる床は冷たく、かすかな音さえ響く(それこそ、腹が鳴る音さえ…恥ずかしかった)。
なんとも不思議で、それでいて心地の良い空間だった。

しばし放心し、すっかり虜になるも、ゆっくりとはしていられない。
後ろ髪を引かれるように、美術館をあとにする。

美術館から港へ戻る道には、じつはタクシーを呼んでいた。
なるだけ出費は抑えたいが、ちょうどいい時間にシャトルバスが出ていなかったのだ。
結果的に、それは吉であった。
今まで沢山の観光客を運んでいたであろう運転手さんから、豊島美術館のいいところをとくと聞けたのである。

ドームの天井にあく穴はガラスなどがはまっている訳じゃないから、天候や時間によってまったくの違う姿を見せること。
特に印象深かったという、どしゃぶりの雨の日に見せた姿。
晴れたあとには、ドームから伸びるような感じに虹がかかったのだという。
極め付きは、他に客もない時にたった一人で美術館の中に入ること。
さぞかし別世界に連れて行かれたような気分になることだろう。
それ味わいたい!もう一度行こう、今度は他の物も見たいし!と、決意を固くしたのであった。

そして、直島への船に乗る。
まだ旅は終わらない。



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という訳で、長くなってしまったので旅二日目は2回に分けてお送りします。
続きはこちらよりどうぞご覧ください。