こころの羅針盤

私の人生に待ちうける「意識」の大海原・・・心と身体と魂と、日々の感情生活を語ります。

アレッツオ Arezzo

2008年09月20日 | 第9章:愛
雨の予報がでていたので、どうせならイタリア映画でも観ながら家にこもろうと、その店にあった唯一の伊映画、
“ライフ イズ ビューティフル”を借りてきました。10年前に公開され数々の賞に輝いた映画でしたが、予備知識がなかったため冒頭に“1939 Arezzo”とでたときは、ちょっと興奮しました。

よりによってアレッツオとは…!

先のスタディツアーで、最終日、空港へのバスの中でアンケートをとりました。心に残った街でもよいし、博物館で見たあの副葬品とか、忘れがたい風景でも、何でも良いから、自分にとってのベスト3を紙に書き込むのです。迷いながらも、私は3つの場所を選びだして、その中のベスト1としてArezzoと書きました。

Arezzoを訪れた日は、ちょうど中世に起原をもつ盛大なフェスタの日でした。サラセン人の脅威に、近隣の村々が自衛団を組織して戦ったことを記念するお祭り。いつもの休日は広場で開催される骨董市も、お祭りの為に公園に移動しています。骨董市の後方の木立の中に、私たちはピクニック・ランチを準備していました。突然、大砲の音が轟きます。早々にピクニックを切りあげて、ドゥーモの前から繰り出す、パレードの見物に向かいました。

石造りの街を、村ごとの鮮やかな衣装の隊列が行進し、騎兵隊と楽隊と、時折、槍さばきのパフォーマンスなどを挟みながら、延々と続くのです。それから、隊列の行進と見物の人ごみを縫うようにして辿り着いたのは、聖フランチェスコ教会。憧れ続けてきたPiero della Francescaの絵にも、やっとたどり着きました。

Arezzoのフェスタとフレスコ画。そして、映画で語られる人生の哀しみと喜びと・・・城壁の街の思い出、あの場所で吸い込み、感じ取ってきたものの気配と共に、ふと気づくと、映画に流れる“ホフマンの舟歌”をハミングしている私がいます。映画の主題が旅の思い出と重ね合わされ、Arezzoは揺ぎ無いベスト1になりました。

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