
(和歌山市田野 2003年3月29日)
万葉集にも詠まれた景勝地、和歌浦の高台に昭和37年(1962)に開業。斜面に造られたRC造5階、延床面積8,700㎡の宿泊施設である。数回の増築の際、当時の月面着陸の事柄に因んで、部屋の名前を星の名で表した。また、展望浴室は浴槽が回転する装置になっており、宇宙回転温泉と呼ばれた。昭和62年(1987)映画「男はつらいよ第39話寅次郎物語」でロケ地になったこともあったが、計画性のない増築によって施設が500名収容と大型化し過ぎたこと、それに反比例して車寄せ以外駐車スペースが全く無いことや、エレベーターが1基しかない等のサービス面からも客足が減少し、昭和57年(1982)に会社は倒産。その後自主運営を続けたが平成6年(1994)に廃業となった。特徴のある構造物であったため侵入者が続出し、近隣からの苦情も絶えず、また放置されたことによる損傷で周辺の美観を損ねることや、東南海地震等が起きた場合、崩壊の恐れが出てきたこと等から、平成17年度を目途に寿司由楼と共に取り壊されることとなった。
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