「観梅苑」という名の通りその民宿は梅園の中にあった。梅農家が民宿を始めたような感じ。梅干し販売所が傍にあった。
早めに着いたので一休みしたから散策に出かけた。
この宿へは大きな鳥居をくぐって立派な並木を左折したので、その並木の先が気になっていた。聞いてみると大きな神社があるという。
石灯籠と桜が両側に並ぶ長い道の先には赤い橋があって由緒ありげな鳥居があった。
阿波の国の一の宮「大麻比古神社」
地元では”おおあさはん”と呼ばれ、古くから信仰を集めています。忌部氏の祖先を祭り、大和朝廷とも関連の深い歴史のある神社で、現在は徳島県の総鎮守として信仰を集めている。境内は大麻山県立自然公園に指定されている。また、樹令 約千年余の楠が大麻比古神社の御神木として崇められている。
柏手を打ってお詣りしていると若い神官が本殿の扉を閉めにきた。多分、17時なのだろう。神官がこの神社の由来やら裏山にあるドイツ橋のことを教えてくれた。
ドイツ橋!そうだった。時間があればドイツ館に行きたかったのだと思い出した。ドイツ館とは「第一次世界大戦中のドイツ人捕虜収容所(板東俘虜収容所)の記念施設として、1972年に創設された。捕虜の人権尊重と自主的な運営を許し、地元民との交流も活発に行われたため多くのドイツ文化が伝えられた。そのひとつとして音楽の分野ではベートーベンの第九がこの収容所において日本国内初演された。建築物では、近くの大麻比古神社に彼らによる石造りのアーチ橋(ドイツ橋)も残っている。こういった当時のエピソードを紹介するための施設である。」(by wikipedia)
ドイツ館の傍には道の駅もある。しかし、どちらも5時までだったから間に合わない。
追いかけてきた神主さんが帰国を前に記念として母国の土木技術を生かし近くで採れる和泉砂岩を使って造られたというドイツ橋への門をあけてくれた。
新緑の木々と小さな川の流れに石畳もアーチ型のかわいい橋がおとぎ話の国に迷い込んだような感じで前日に来た甲斐があった。
入浴して食堂で夕食。お遍路さんは先を急ぐので一番札所で止まる人は少ないのか二組の方しかいなかった。
部屋からは梅園の向こうに建つドイツ館が見えた。
朝食は7時からということで8時出発を決めて早々に寝床に潜り込んだ。
いよいよ、明日から本格的な歩きが始まる。大丈夫かなあ、私の足。
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