朝、雪が積もっていたが直ぐに融けた。
今日はのどかだ。
二時過ぎに清が来た。
京師から手紙と神代杉で作られた文箱一つが送られてきた。
これはこの前、こちらから仏手柑、利夫人橘を清吉に送り、またそれを兄に送った事への挨拶だろう。
今晩主人は山本督学宅によばれた。
善一どのも加わって他にも二、三人居たそうだ。
裏庭になっている利夫人橘(みかんの一種)十三持たせたが二時過ぎに帰ってきた。
寿司少々のみやげがあった。
良蔵は淺之助どのへ米つきに行く。
火鉢を二つ取り寄せたらお代は五匁五分だった。
ところが赤い色が勝ちすぎているので権七を交換にやったら、値段がさらに高い物しかないらしい。