五月二十七日
晴
二時頃から三浦へ嫁入り。
雄介、弥一郎、為之助らが見に行った。
花嫁は備中の国、備中の守の娘御だ。一昨日に船が着いた。
美しく本式で非常に盛大だったという。
荻野惣五郎は小笠原流諸礼家に召されているが一人では覚束ないので、和田与三左衛門の母が小笠原流の諸礼をよく知っているのでお屋敷に上がって指図することになったらしい。
通り筋は水手桶などだし、四丁町店は片付けて美しく飾っていた。あられに似ているとか。
丸の内では土手に人を上がらせない。役人が出て警護するなどまことに厳重だ。
今日は日前宮国安様御祭礼でもあり、花嫁見物との両方で人の出がおびただしいのだ。
夜に久野が来た。虎之丞や千代らがついてくる。
岸から回状がきた。明日二八日半袴着用で午前九時に登城すること。
岩橋へ回し奥向の小野田へ回す。
万次郎、虎之丞、為之助らみんな岩橋へ行ってもらふ。