小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

西国第二番 紀三井山 金剛宝寺(こんごうほうじ)

2017-06-07 | 西国三十三所

西国第二番 紀三井山 金剛宝寺(こんごうほうじ)
ご詠歌 ふるさとをはるばるここに紀三井寺 花の都も近くなるらん

救世観音宗の総本山。開基は770年。為光上人による。
いつも「紀三井寺(きいいでら)」と言い慣れているので金剛宝寺が寺名だと初めて知った。
前回は桜満開で全山がピンクだったが、今回は冬景色。松の内だからやはり賑わっていた。石段も急でやたらに長い。山の上に鎮座しているお寺なのだ。




楼門から一直線に伸びる急な石段は231段ある。が、男女の厄年で区切って踊り場が設けられている。これは最後まで自分の足でゆっくりと最後まで辿りついてくださいということらしい。
寺名につながる三つの名水の湧き出る井戸があることでも知られている。
清浄水、吉祥水、楊柳水の三つだ。古来名泉中の名水として、茶の湯、お華の水、墨の水に又酒、味噌、醤油等の醸造家はひそかにこの霊水を汲みて仕込みに混じ、観音様のご冥護を祈念して来たと伝えられる。
また、桜の名所であり境内には約500本の桜の木が植えられている。京阪神では早咲き桜の名所として有名で、開花宣言の目安となる和歌山地方気象台指定の標本木(ソメイヨシノ)が本堂前にある。「日本さくら名所百選」に選ばれているほど。
本堂、六角堂、鐘楼とたくさんの建造物がある中でも多宝塔は遠くからも目立つ美しさだ。



偶然にテレビ和歌山で前田副住職の話を聞いた。
南海沖地震の折にはこの紀三井寺は避難所になれる。しかし、あの231段の石段を高齢者が登るのは無理。エレベーターや回遊路を作りたいとの趣旨だった。
遍路、いや遍路に限らず神社仏閣には長い石段が多い。ツアー遍路でもそのためにバスの中で待っている人がいた。短い石段なら横にスロープを作れれば車椅子で行けるが、急な長い石段では対応しきれない。
外国からの観光客がふえている昨今、観光立国を目指すのであれば早急に対応すべき問題だと思う。
雛流しで知られる加太の淡島神社では去年行った時にはスロープがつけられていてほっとしたものだ。
ましてや、避難場所にするのであれば弱者にも手をさしのべて欲しい。
紀三井寺にエレベーターが設置されたらお詣りする人がぐっとふえるだろうな。



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