それなりの ノタリ

地域活動がそれなりにやることがあって、かと言って、多忙というほどでもなく、ノタリの生活。

湊 かなえ 『花の鎖』

2013年11月21日 | 再開(読書)

湊 かなえは『告白』、『贖罪』、『夜行観覧車』に次いで、読むのは4作目かと思う。
いずれもミステリーで、中高生が中心となる作品が多い。

読み終えると、若さをもらったような錯覚をして、なんとなく気分が良い。

文春文庫「秋の100冊フェア2013」 初版(初刷)2013.09.10
350ページ  税込み619円  (単行本:2011年3月)

 

両親を亡くし祖母と2人暮らしの梨花は、祖母の胃癌の手術費に困窮し、
生前の母に年に1度豪勢な花束を送り続け、
両親が亡くなった後に資金援助を申し出てくれた名も知らぬ「K」という人物に助けを求める。
Kとは一体何者なのか、祖母に尋ねても答えてくれず、
自分で調べようとした梨花は花屋を通じて手紙を送り、Kの関係者と面会できることになり、
Kと母の関係と花束の意味を知る。

伯父が役員を務める建設会社の同僚・和弥と結婚した美雪の目下の悩みは、
結婚して3年経つのに子供ができないことだった。
設計士を夢見ていた和哉が、美雪のいとこ・陽介が立ち上げた建築事務所に
転職することになるが、任せられたのはまたしても営業職だった。
それでもめげずに和弥は、地元出身の有名画家の美術館のコンペに応募し、
見事勝ち取るが、応募者の名前が陽介に書き換えられていた。
間もなく陽介らと建設予定地を視察に行った和哉は、
岩場から足を滑らせて亡くなってしまう。

大学時代、山岳部に所属していたイラストレーターの紗月は、
当時の仲間・希美子から夫・浩一を助けて欲しいと頼まれる。
浩一とはかつて互いに想い合っていたが、理由があって離別していた。
希美子の願いをきくべきかどうか葛藤する紗月は、
水彩画教室を開く公民館の職員・前田に誘われ、
過去の因縁を断ち切るために八ヶ岳に登る決意をする。

 

てな内容なのだが、湊さんの作品は最後でどんでん返しがあったりして、
中途で「飽きた」からと言って中断すると、折角の面白さを味わえない
ところがある。

この作品もそうだ。『告白』は小説も映画も見たが、迫力のある
終わり方だった。

次の本は北海道の歴史に因んだものの予定。
アイヌは文字を持たない民族なので、はっきりしない歴史を持つ。
オホーツク文化もアイヌ民族ではないが、不思議な痕跡を残している。
この辺を一度、きちんと整理しておく必要があると思っている。