
似た世界
子供の頃の記憶が蘇ってきた瞬間である
我が家の前に鉄道が走っていた
家から200mの距離だが親はいつも厳命していた
絶対に線路へ行かないこと・遊ばないという事を
私は素直だったので線路へは近づかなかった
線路内を平気で歩くようになったのは
高校生になり都会の学校へ行く為、鉄道を利用しだしてから
朝寝坊し道を歩いていると間に合わなくなった時、電車と競争しだしてから
間に合わなくなり電車の前を走る高校生と
後ろからドケドケと警笛を流しながら定時に駅へ着きたい電車が
乗車する時、車掌に怒られ苦笑いする私は
見っとも無いと云ったらまるでゴミみたいな状態
電車内の全ての乗客が軽蔑の眼で見ている
そんな鉄道の思い出も悪い事ばかりじゃない
昔は鉄道員は男の憧れの職業だった
エリートたちの職場だったのである
私の親も私が鉄道員になるのを希望していた
でも私は知っていた、国鉄マンになれないことを
教室に行けば国鉄マンの子が沢山いて
情報をドンドン出してくる
そのすべては私が国鉄マンになりたいという希望の芽を
ドンドン摘み取ってくれる情報ばかり
国鉄には諺が有り
釜焚き十年は覚悟という機関車助手の掟
十年すれば機関車の運転見習いになり運転手試験に合格して
一人前になる( ^ω^)・・・
それより一番落胆したのはクラスの国鉄マンっ子の一言
親が国鉄マンでないと絶対になれないという話でした
長男は大丈夫( ^ω^)・・・次男以下は地獄の世界と
その頃は中学生だったから理解できなかったが
電車と競争しながら駅まで掛けた青春時代
我が校の卒業生には国鉄マンが多くて
其処でも嫌というほど聞かされた
クラスにもいた二つ上の兄がいて兄は国鉄マン
俺は国鉄には入れないと
何故かと聞けば試験に受からないという
私は納得した( ^ω^)・・・成績が悪かったからね
せめて学年で半分くらいの成績なら
一般入社で合格できると思うのだが勉強しない
団塊世代は何でも厳しかった
日本も
親子なんだろうか( ^ω^)・・・二人で枕木の交換をしている
声掛けして交換作業を最初から最後まで見学した
枕木とレールを釘で固定している鉄板は内と外が一体の鉄板であること
これを二人が力を合わせて固定するのを見ていると大変だなぁ作業である
呼吸がを合わせられないと出来ない作業
私はこの作業を見ていて一子口伝を思い出した
モンゴルも
レールは二本である、固定板を取り付けると
次は釘打ち作業である
それまで親子ほど差が有る親爺さんが長さ20㎝程の
長釘を打ち付ける作業を見て驚いた(両方で10本)
彼は両手で釘打ちのハンマー(1m20㎝程)を両手で振り上げ
釘の頭が3㎝程の頭を狂い無しで最後まで三本と二本を正確に打ち付けた
これは一つの奥義である(私は拍手した)
それと同時に昔を思い出した(日本の保線区員も同じ作業をしていたことを)
それは彼は振り下ろすハンマーを両手で左右八の字に交差しながら打ち付ける
これは侍の刀の使い方と同じ動作ではないか
作業が終わり親爺に聞いた、あなたはこの釘打ちを覚えるのに
十年ぐらい掛ったのかと聞くとそうだという
道理で若者は私と同じで見ているだけでしかなかった
あの技は簡単にできない
レールの内と外で五本の釘が打ち終わるとレールが
ビクともしない状態で打ち終わった(奥義)
国鉄マンは同じ
一本の枕木取り換え作業が終わるまでに1時間を要した
作業が終わり機関車を通過させ作業結果の様子を見る
無事、完了すると最終作業で掘り起こした枕木に土をかぶせ完了
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