「新世代」F14戦闘機を保有=国産レーダーや改良エンジン搭載-イラン軍幹部
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010042100071
イランのF-14戦闘機が近代化改修を受けて現役なようです。
開発国のアメリカ海軍では2006年に全機が退役していますが、
イラン空軍では多くとも20機程度が現役と見られています。
イラン空軍はアメリカ以外で唯一F-14を運用している軍隊で、
俗にアメリカ海軍のF-14はドラ猫と呼ばれるのに対し、
イラン空軍のF-14はペルシャ猫と呼ばれます。
F-14トムキャット は1973年よりアメリカ海軍にて運用が開始された艦上戦闘機。
空母機動部隊に接近するソ連軍爆撃機や攻撃機を長距離から迎撃するという、
艦隊防空に特化した目的で誕生しました。
一番の特徴としてはAIM-54フェニックス 空対空ミサイルを搭載することが挙げられ、
射程距離が150-200km前後とされ、現在でも世界最長の空対空ミサイルとなります。
映画『トップガン』 でトム・クルーズが操縦し、退役した現在でも人気が高い戦闘機の一つ。
もう1つの大きな特徴としては可変翼機構を搭載し、
速度域によって自動制御で主翼が最適な角度に傾くというもの。
低速域では主翼が開き旋回性能と運動性能を高め、
加速時には主翼が後退し空気抵抗を減じる効果があります。
この可変翼により、長距離狙撃での艦隊防空に特化した性能を持ちつつも、
格闘能力もF-15イーグル などの戦闘機に引けをとらなかったといわれ、
その空戦能力はイラン・イラク戦争やシドラ湾事件などで実証されていきます。
しかしF-14は高価格である上に、用途が艦隊防空に特化されていました。
大型な機体による長い航続距離と大きな搭載能力により、対地攻撃能力が付加されることはありましたが、
コストパフォーマンスの面では同じ艦載機であるF/A-18ホーネット に遠く及ばなかったのです。
空母に載せられる機数には限りがあり、それだけに器用で多用途な機体が求められていました。
F/A-18は汎用性が高く、爆撃も攻撃も空戦もある程度できる多用途戦闘機で、かつF-14よりも低価格でした。
そしてイージス艦の配備により艦隊防空能力が上がったこと、
ソ連崩壊により米機動部隊に対する脅威が大きく減じたこと、
可変翼機構はレーダー反射面積を増大させ現代で重視されるステルス性能を大きく損なうことから、
とうとうF-14は2006年にアメリカ海軍での任務から完全に退きます。
ということで現在、イラン空軍が世界で唯一F-14を運用する軍隊となっています。
しかしアメリカとの関係悪化により部品調達が困難となり、どんどんと稼働機数を減らしている状況とされ、
現在では多くても20機前後と見積もられているので、完全退役もそう遠くなさそうな感じはあります。
そして核開発問題を巡ってアメリカとどんどん険悪になっていくイラン。
近々戦争が起こるとも危惧されていますが、もしもアメリカとイランが開戦した場合、
アメリカは初手で巡航ミサイル攻撃と、空母からF/A-18の改良型であるF/A-18Eスーパーホーネット による航空攻撃を開始するだろうし、
もしもそれをイラン空軍のF-14が迎撃することとなれば、因縁の艦載機同士であるF-14vsF/A-18が実現するかもしれません。
そしてそれが実現すれば、恐らく世界で最後のF-14の実戦の機会となるでしょう。
途中までどっかのニュースの引用かと思った。
しかし、みんなF-14に興味ないの?ないの?
一般的に言って大ニュースだと思うんだけど・・・