ゆっきぃの戦争映画コーナー。
今日は『エネミー・ライン』(原題:Behind Enemy Lines)について。
トム・クルーズ主演の『トップガン』がF-14の映画なら、こちらはF/A-18Fの映画である。
米海軍空母艦上機つながり。
ユーゴ紛争を背景にした映画。
空母からの戦闘機発艦シーンから始まるのが『トップガン』と被る為、よく比較されるがこれはドッグファイト物ではない。
ボスニアを偵察飛行中のF/A-18Fが撃墜され、乗員が敵に囲まれた危険区域から脱出するまでを描いた作品で、
特徴的なのは実物の兵器を用いた迫力ある映像と、各兵器のメカニズムを細部まで描写した演出。
特に物語序盤の追尾するSAM(地対空ミサイル)を回避するF/A-18Fのシーンは傑作であり、
この作品を最も有名にしているシーンの一つだが、この映画のSAMの追尾性能は尋常ではない。
軍ヲタ的視点で見れば登場するT-72戦車とBMP-1歩兵輸送車が実物であり、
そこにあるだけでかなり迫力があるので東側兵器が好きな人は一見の価値ありである。
その存在感にけっこう「おおっ。」って思うはず。
もう一つこの作品を魅力的なものにしているのは、かっこいいジャージの存在だ。
ボスニアからの逃亡を図る主人公を追跡する敵の傭兵がジャージ姿であり、そしてこのジャージ男が何を隠そう、
Call of Duty4: Modern Warfareに敵で登場する通称ジャージの元ネタなのだ。
このセルビア人に雇われたジャージの追跡能力も物語序盤のSAM以上にすごい。
どこまでも主人公を追跡して来るのでほとんど神出鬼没である。
どうやって捕捉してるのか気になったりするものだが、
そういった細かい部分を気にして観る映画でもないので特に考えなくても問題ない。
終盤はUSA!USA!のお決まりパターンで終わるので、物語に意外性もない。
ユーゴ紛争をテーマにしてるだけあり、全編を通して重苦しいリアリティーがある。
途中で民兵たちと出会うときなど「誰が敵で誰が味方かわからない」という、
疑心暗鬼に駆られる内戦心理を上手く描写してると思う。
また前述したように実物の兵器を登場させたり細かなギミックやメカニズムの描写にこだわっており、
映像的にも迫力がありシーンによっては一見の価値がある。
しかし内容的には映画としては平凡、予算をかけて映像的には迫力もあるのにどこかB級である。
でもそれは良い意味で。
ユーゴ紛争という重苦しいテーマの戦争映画のはずなのに、
1時間40分程度と比較的短く収まってるのも手伝って、
力を抜いて気楽に観れるという点でこの映画はとても易しいしそこそこ爽快感もある。
暇つぶしに観るには最適であり、『ブラックホーク・ダウン』等の定番戦争映画とはまた別の路線で、
一つの定番映画として完成されてる。
でも、個人的にはエネミーラインやブラックホークダウンより、山猫の方が一つ抜けて大好き。
あとこれは死体の中に隠れるところも印象的だったなぁ
BMPは歩兵戦闘車では?
もっと頼む
山猫もコアなファンが多いからね!
俺は好きな戦争映画って聞かれると多すぎてたぶん答えられないけど
戦場のアリアとかレッドバロンとか意外と一次大戦ものが多い。
>>SleipniR
あったね。
虐殺場の死体に埋もれるとか恐ろしい。
>>ともやん
それだけこのジャージが印象深いってことだね!
>>ryuzaki
お褒めに預かりありがとうございます。
ryuzakiさんからのそんなお言葉、身に余る光栄です。
>>今度見てみようのUnknown
正確に言うとそうだね!
>>映画レビューは実用的のUnknown
ブログネタに困ったときはこれが便利なことに気づいたから
ちょくちょくやっていくとおもうよ!
地雷の人は重要だったな。
USA!USA!
自身、ミリ系知識は全くないんですが・・・
戦闘機だけは見てるのが好きで、LOMACをいじり始めたのをきっかけに、ゆっきぃさんのblogを発見して、
ときどき拝見しております
エネミーライン見てみたんですが、パイロット二人のやりとり(特に"It's like he dosen't like us" "No,You,not me. you.")は笑えますね。
邦画の会話って飽きちゃうんですけど、洋画のやりとりはユーモアが豊富で大好きですw
SAMはポカーンとしましたね。。
素敵な映画でした!
これからもちょくちょくお邪魔いたします(ペコ