UO回想7 ～ 大戦後のSakura ～

UO回想シリーズ　前回分
はじめに　～ UOについて ～
UO回想1　～ KDKの歩み ～
UO回想2　～ サクラ大戦（１） ～
UO回想3　～ サクラ大戦（２） ～
UO回想4　～ 酒場と暴力と、出会い ～
UO回想5　～ サクラ大戦（３） 連盟発足 ～
UO回想6　～ サクラ大戦（４） 裏切り ～


2003年11月辺り。
サクラ大戦が終結した後、それまで一陣営としてまとまりを保っていた各ギルドはバラバラになった。
そうしてSakuraシャードの圏外戦は、今となっては黄金時代と懐かしまれる時期に入る。
各主要ギルドたちがしのぎを削り合う、群雄割拠の時期である。

（圏外戦というのは、街以外のいわゆる"ガード圏外"で行われる野外戦のこと。
　UOでPKが行われるのは基本的に圏外でのことなので、PvPのほとんどは圏外戦である。
　PIT（闘技場） にて決められたルールの中で1on1の徒歩で行われるDuelに対して、
　"何でもアリ"の実戦ルールのことを圏外戦と言ったりもする。）


この時期の主要なギルドといえば、旧連合ギルドである[JAP] [SKR] 、
旧組合ギルドである[CAS] [KDK] 、どちらにも属しなかった[PK?] [BAD] 、
あとは上記PKギルド群に対して、PKKギルドである[D's] [IKI] などである。

古参Sakuraシャード民なら上記ギルドの名前はほとんど知っていることだろう。
これらはあくまでも知名度の高い主要ギルドであり、この他にも多数のギルドがそこかしこで争い合っていた。

ちなみに上記ギルドのうち、間もなくJAPは[JPN] に、PK? は[GOS] にギルド名を改名することになる。
JAPは侮蔑語というGM（ゲームマスター） からの注意勧告が理由で、GOSのほうはよく知らない。


そしてちょうどこの時期、俺は様々な小細工の研究にハマっており、
世間では「Dancho-は詐欺師だ」 という評判が出回り始める。

ある日、大手PKギルドであるBADのメンバーが詐欺行為の被害に遭ったことにより、BAD側はこれをDancho-の仕業だと断定。
報復として、当時KDKメンがよく溜まり場としていた酒場「カラスの巣」への襲撃行為に及ぶ。
これにてカラスの巣の無関係な客や店員に多数の被害が出てしまった為に、
KDKは個人的に仲の良かったGOSメンバー（Jin・Virginia） と共にBADを迎え撃った。

（このVirginiaはUO回想4 の主人公の彼である。 この時期から俺とJinとVirginiaはギルドは違えどトリオとなっており、
　UO内での敵対や協力を数年も繰り返し続けたが、UOを引退した今でも尚続く長い付き合いとなった。）


「カラスの巣」が襲撃されたKDKも報復作戦を実施。
GOSのVirginia・Jinと共にBADのGH（ギルドハウス） を襲撃し包囲する。

この抗争の折、KDKは実験的にテイマー部隊の運用を開始。
まとまった数のテイマーたちを揃え、そしてテイマーたちの駆使する
ドラゴンなどの強力なモンスターを戦闘兵器として運用する。

単独で歩くテイマーたちがPKに襲撃され、苦し紛れにドラゴンなどをPKにぶつけることは多くあっても、
ギルド戦術としてまとまった数のドラゴンを戦術的に運用することはあまりなかったであろう。
ドラゴンは人間の数倍頑丈で、火力もある、戦車のようなもんだ。
このときはおそらく5頭ぐらいまとめてBADのGH戦に投入したと思う。

BADもSakura有数の強豪ギルドであり、大手PKギルドの中でも戦闘員の数が多いことで有名だった。
しかしこの時のKDKとBADは戦闘員の数的には恐らく同等、その上にテイマー部隊までいたんじゃ、
さすがにBADも野外での迎撃は諦めてGHに立て篭もり始めた。
そしてKDKの戦術をPKギルドとして邪道とみたか、「もうドラゴンにもKDKタグつけとけよ。」 とGHの中から煽り言葉。
この言葉を受け、KDKテイマー部隊のKannaは本当にドラゴンの名前の最後に「KDK」と入れて「これで文句ない？」 と言い返す一幕があった。


ちなみに当時は何も弁解しなかったものの、今だから告白すると、
このBADメンに対しての詐欺行為は完全に俺に身に覚えがない。
つまり冤罪なのだが、言い訳を聞き入れられるほど素行の良い俺でもなかったので、
当時はただこのケンカを買い、この謂れなき報復に対しての報復行為を行った。

BADのギルマスは決して短慮な男ではなかったと思うが、
その彼が実際的にこのような報復行為に及んだところを見ると、
BADメンが詐欺被害に遭ったことは事実なのであろう。
それにしてもまったく、ひどい話だ。

カラスの巣というのはプレイヤーが運営する酒場である。 （PC酒場という）
UO回想4 でも説明したように、UOにはこのような酒場がたくさんあった。
俺やKDKメンが頻繁にここでタムロしていたので、KDKに恨みがある敵からよく襲撃の標的となった。


しかしこのBADによる冤罪事件は、決して無根拠なわけでもなかった。
俺はこの時期様々な手段で人を騙して小遣い稼ぎをすることに没頭していたし、
なにより、全くといっていいほど同時期に俺は初の大きな詐欺行為を成功させていたところだった。
だからこそ言い訳のしようもない。

この時期から、Sakuraシャードにおいては「Dancho-＝詐欺師」 がすっかり定着してしまい、
KDK自体も最悪の腐れ集団ギルドという評判が揺るぎなくなった時期だと思う。
その汚名は7年経た今もなお晴れることなく、"KDK"という名前は呪われた略号のように扱われる始末・・・　参照 → ◆


次回は詐欺行為について。


続き　UO回想8　～ 初、巨額詐欺の成功 ～