今度こそF-XはF-35に決定か

2011-12-13 19:10:53 | 軍事ネタ

今日はSkyrimレポートの続きを更新しようと思ったけど、
軍事関連で時事ネタが入ったのでこちらを優先。
本日、航空自衛隊のF-X(次期主力戦闘機選定)が最終段階に入ったと報道されました。




次期戦闘機、F35選定へ=第5世代機で「性能重視」―防衛省
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_359682


やはり一番可能性のあったF-35に確定かな。
まあ性能面から最も有り得る選択肢だと思われるけど、
数日前にはF-35の開発が難航しさらに2年延長される可能性があるという報道もあったし、
また2年前にも同じようにF-35決定と報道されて実は報道ミスだったということがあったので、
これからまた細かい部分でひっくり返る可能性もあるけど。
→ 2009年11月23日 航空自衛隊F-X、F-35を採用か

ただ元々今年の11月中にはF-Xを確定させると発表されていたので、
時期的にもこれが最終段階として十分に有り得る話。


F-35はステルス戦闘機であり、遠距離からの敵軍のレーダー波を受け流し、レーダーに映りにくいという特徴を持つ。
遠距離から探知されなければそこにいるということもバレず、またミサイルの攻撃も受けず、
逆にこちらからは一方的に敵機に対してミサイルを放てるという、
ステルス性というのは現代の航空戦に大きなアドバンテージをもたらす。

反面、F-35の性能面で問題とされているのが武装搭載量と機動性。
F-35は大型の機体に強力なエンジンで、十分な重量の武装を搭載して飛行することが可能だが、
ステルス性能を活かす場合は翼下や胴体下に兵器を吊り下げることはできず、胴体内に武装を格納する必要がある。
その場合、空対空ミッションだと短距離ミサイル2発と中距離ミサイル2発、合計4発しか格納できないのだ。
この点については改良案も研究されているが、まだF-35自体が開発中で完全ではない現状、対応はまだまだ先の話になるだろう。

機動性については、現在日本が配備している戦闘機はF-15,F-2,F-4の全てがM2.0(約2450km/h)以上で飛行することができる。
またどこの国でも一線級の戦闘機のほとんどはこの速度域で飛行することが可能だ。
しかしF-35の最高速度はM1.7(約2080km/h)と言われており、代替元である旧式戦闘機のF-4にまで劣り、最高速度が全てではないにせよ、
M2.0以上の速度で飛来する敵機をM1.7で追いかけ迎撃するのは難儀する局面も出てきそうである。

実際のところ空戦では最高速度よりも加速性能の方が重要だが、こちらもF-35が特別に優れているという話は聞かない。
運動性能の面で言えば良くも悪くもないようで、F-16相当の運動性能は有しているようだが、しかしF-35は最新の第5世代機である。
第4世代機のF-16と同等の運動性能なら、悪くはないが優れているわけでもないので、
他国のタイフーンやSu-35等の主力戦闘機たちと比べれば劣っているとも言える。

以上の点から、F-35は空対空戦に関してはBVR(視界外)戦闘に特化されている機体であり、
有視界距離でのドッグファイトはできなくはないが得意ではないだろう。


現代のハイテク機器による航空戦ではドッグファイトは起こりえないという人もいる。
しかしいつだって想定外の局面というものはあるし、
また日本の空戦というのは専守防衛という戦略上、
本土に向かってくる敵機を迎撃する性格のものだ。

本土に向かってくる敵機に向けてミサイルを放ち、それらが外れた場合、迎撃機は引き返して逃げるしかないのか?
防空が主任務である以上、あらゆる手段を講じて敵機を食い止めなければならない。
つまり、日本の戦闘機部隊は手持ちの中距離ミサイルを全て外し、それでも尚敵機が向かってくる場合、
次は敵機に突進して短距離ミサイル、また機銃を使ってでも敵機を阻止しなければならない。
そこにドッグファイトが生起する可能性が生まれるのだ。


現代のミサイルがそこまで命中しないことがあるのか、
ドッグファイトが起こりえるのか、現代の空戦については、
長くなるので次回の軍事記事で書こうと思います。