ピエドラはPanasonic(ナショナルから名称変更)が1988年から1994年にかけて発売していた小型ブラウン管カラーテレビで8inchと11inchの2種類があり(未確認)1988年の第一世代から最終の第4世代まであった。時代はバブル絶頂期から崩壊に至る時期で購買層を若者にターゲットを絞った個性的な製品だった。
第1世代 TH-8U1
TH-8U1は緑、灰、黒の3色。画面を青、赤、紫のムード照明(!)にする機能あり。長さが5mあるTY-AC80というオプションコードを使うとACとアンテナ線が1本で供給されロッドアンテナを外して隣のACジャックと共に接続される。これなら高画質なままでテラスに持ち出せる!、、と夢が広がる。
TH-11U1
(引用:https://goldenyokocho.jp/articles/1023)
TH-11U1は白と黒。ステレオ放送に対応するにはスタンドのような形状の専用のユニットを購入(10,000円)する必要があった。ヘッドホン出力はあるがステレオアンプとスピーカーは外部接続。
第2世代 TH-8U2 TH-11U2
(引用:https://twitter.com/tas66dc/status/1384140544591372291/photo/3)
第1世代から価格が各々5,000円下げられて色は第1世代の「アーバン、、」から「ストーン、、」に変更されさらにモダンになったらしい(?)。TH-11U2専用の音声多重ユニットも機種変更してもちろん色を合わせている。
発売は1990年、TH-8U3になって形状は大きく変更された。色は緑、赤、黒の3色、側方に大きな持ち手。とても魅力的な形状だがブラウン管左右のスペースが広がってちょっと設置しずらくなったのではないかと思う。
1990年頃は8U3と並行して8U2も販売されていた。8U3は2電源対応で車載を考慮、ビデオ入力端子が(ようやく)設置された。スピーカー内蔵のリモコンもユニークだが価格はピエドラ11を含めたシリーズ中最高の60,000円。
TH-11U3
グッドデザイン賞は第1世代のTH-8U1,TH-11U1 第3世代のTH-11U3だけ受賞した。第2世代の8U2,11U2は色変更だけ、8U3はあまりに奇抜と判断されて受賞を逃したか。第3世代から「piedra」のロゴも変更になった。ちなみにpiedraとはスペイン語で「石」という意味らしい。
第4世代 TH-8U4
第4世代のPiedra8はまた形状が第2世代に近くなった(第3世代が不評だったのかもしれないが皮肉な事に現在では一番人気がある)。上面から見た非対称は継承されたが指型みたいな凹みは無くなり普段はボディに沈んでいる取手が新設された。電源スイッチは取手と連続している位置にある。それ以外の上面のスイッチはブラウン管右サイドにある島に集められた。色でユニークだったのは吹きつけ塗装と思われる3色版があったこと。
長いロッドアンテナは取り外しができる。背面にダイバーシティコネクターがあって車載も考慮されていた。
ショッキングピンクとパープルにバブルの残像が重なる。Panasonicのロゴがなければ「自分で缶スプレーでやったのか?」みたいな風情。この個体は「昨日工場出荷したか?」と思わせるほどきれいで40年前の製品とはとても思えないほど。
TH-11U4
ボディのくびれが少なく脚で後ろを持ち上げることができる。「床に直置きがオシャレ」みたいなイメージから通常の棚に収める方向にシフトしたのだろうか。
このほかTH6U4という6inchがPiedraシリーズに加わったがどういう事情かはわからない。
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