かつてテレビは一家に一台が当たり前で家族が集う茶の間の主役だったが1970年代にはアパート暮らしをする若者が増えたためかお一人様向けテレビが数多く発売されだした。多くは白黒ブラウン管テレビで若者の好みを意識したのか小型でスタイリッシュ、筐体の色は黒や赤など原色が多かった。Victorは1970年の大阪万博に前後してSpaceageデザインの代表的な製品Videosphereを発表したがその後もいくつかの小型テレビがあった。大手の電器メーカー製品にしては一般的な小型テレビと異なりチープでプラスチッキーなデザインは玩具のようだった。
5T-22V
5T-22V(VはVHF専用機)の電源は内蔵の電池もしくは専用の12V ACアダプターで欠損している事が多いACアダプターはこの個体にはラッキーな事に付属していた。接続プラグは珍しくセンターがマイナス、本体の背面に引っ掛けて使用する。だが接続しても画も音も出ず開けてみると内部は埃が積もっていた。
5T-22Vの回路図は見つからなかったが同シリーズの5T-24Vとほとんど同じではないかと思う。
回路図が適応されるシリアルNo,の指示があるので細かな変更はあったらしい。電源のAA-22Aは共通。
電源電圧を測定すると無負荷で19Vもある。この回路は安定化電源なのだろうか?、、いや違うだろう! 半固定ボリュームを回しても無負荷では出力電圧は変化しない。
外部電源を接続して電流が流れていないのを確認した。調べてみると音量ボリュームに付属している電源スイッチの不良が見つかったがこの故障は定番だったようで5T-24Vの時と全く一緒。原因は金具のかしめが緩んで接触不良になったため。接続部を磨いてハンダ付けしたら電流が流れるようになりラスターとホワイトノイズが現れた。12Vで0.45Aほど。
ブラウン管、基板などを取り出して掃除をした。ケースは外して洗剤で水洗い、傷んでいた電源ケーブルは交換、ロッドアンテナはステンレス磨きで一心に磨く。
Videoshereが丸かったからこんどはキューブスタイルにしたのだろうか?
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