朝方は、飛騨に不似合いな雨が遠慮がちに降っていた。
気温も高めで、暖かい雨が、まわりの雪をどんどん解かしていく。
つい先日まで雪と氷に閉ざされていた池では、鯉が悠然と泳いでいた。
家の脇を流れている水路のスノーブリッジが、あちこちで崩落していた。
道路も表面が濡れて滑りやすく、ユキも時々スリップしている。
日当たりの良い斜面の雪は、解けるのも早く、黒い地面が目立つようになってきた。
雨上がりの農道で、蕗のとうを見つけた。
雪の重みで少し頭がひしゃげているが、得意げに一番乗りを名乗っているようだ。
雨上がりの散歩で、わずかながら春の兆しを感じた。