7月8日は、本日から9月18日まで大阪中之島美術館で開催されている「民藝 MINGEI 美は暮らしのなかにある」に来ました。
京都を巡っていると河井寛次郎や富本憲吉、黒田辰秋などいわゆる"民藝派"の作品を目にする事が多いです。
展覧会のサブタイトルにあるように「美は暮らしの中にある」が表すように湯飲みやお盆、手帚(てぼうき)と言った、名もなき作り手が生み出す"普段使い"の日用品の数々。
それらを民藝(民衆的工藝)と名付け価値を見出した思想家の柳宗悦(むねよし)の美的感覚が100年近くの時を超えて注目されています。
昭和 年(1941)に東京駒場の日本民藝館で開催された「生活展」を再現した展示です。
室内を民藝の品々でコーディネートされています。
日本の古き良き時代の原風景にある古民家の室内を見ているようです。
(この部屋だけ撮影可でした。)
職人の技から生まれた生活用品の機能美を指す「用の美」。
柳宗悦が民藝運動を本格的に始めたのは明治 年(1926)の事です。
今回の展示は彼が日本各地ばかりではなく世界を歩いて収集した約150軒の名品が展示されています。
足袋は山形県の刺子(さしこ)足袋。
甲の全面に入る濃紺の刺子は、寒さが厳しい北国で、保温性を高める為にあしらわれたもので柳宗悦はこうした実用から生まれた美を特に慈しんだそうです。
柳宗悦は、その土地の風土に即した品々を愛しました。
とりわけ沖縄を「奇跡」と呼び、足しげく通ったそうです。
今回の展覧会では、南国らしい鮮やかな琉球染め物「紅型(びんがた)」や、湿気を逃すために愛用された芭蕉布(はじょうふ)の着物などが展示されています。
最近の日本人は物を大切にしなくなってきたように思います。
今回の展覧会を観覧し"物を大切に使う"事の意義を再認識しました。
会期は9月18日までです。
一度、観覧に行かれてはいかがでしょうか?
きっと、"物"の見方が変わると思います。