京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

奈良大和路⑰當麻寺境内散策

2020年05月12日 15時29分35秒 | 日記
  當麻寺の創建は飛鳥時代推古天皇の御代にまで遡ります。







その70年余り後に用明天皇の皇子麻呂子親王の孫にあたる當麻国見が現在地に移したと伝わります。
天武天皇9年(681)に金堂、講堂、千手堂、東塔、西塔などを造営、寺号を現在の當麻寺と改めて現在に続いています。

仁王門を入りまず目にするのは鐘楼です。





中の梵鐘は白鳳時代の鋳造で国宝に指定されています。妙心寺の梵鐘より古く我国最古の梵鐘です。
今から10年前の平城遷都1300年祭の時に櫓が組まれ間近で見学する事が出来ました。



次に天平時代の創建で東西二塔が残る唯一の三重塔(国宝)です。





こちらの二塔も平城遷都1300年祭で初層が開扉されました。どちらの塔にも大日如来坐像が安置されています。
今まで修復工事がされていないのか柱や壁の絵の剥落がかなり進んでいました。

上の写真が東塔で下が西塔です。
西塔は基壇周辺の工事中で近づく事が出来ません。




次に本堂の曼荼羅堂です。



本堂は奈良時代の建立で曼荼羅図とも呼ばれ国宝です。
内陣は天平時代の遺構で厨子と須弥壇とは国宝です。

厨子には中将姫が天平宝字七年に蓮糸で織り上げたと伝わる蓮糸曼荼羅がお祀りされていましたが、現在は室町時代の文亀年間に転写した文亀曼荼羅がご本尊としてお祀りされています。

オリジナルの綴織當麻曼荼羅は奈良国立博物館に寄託されています。



次に金堂です。



鎌倉時代の再建ですが、ご本尊の弥勒菩薩坐像は白鳳時代作で塑像では最古の仏さまです。(国宝)

周りには四天王がご本尊を御守りされています。
四天王の内、多聞天のみが鎌倉時代の木造ですが、その他は創建時の白鳳時代の乾漆像です。

次に金堂に向かい合うように建つ講堂です。



ご本尊は丈六の阿弥陀如来坐像で藤原期の定朝様式です。その他、不動明王、多聞天、地蔵菩薩など藤原期から鎌倉時代の仏さまがお祀りされています。

金堂裏にある我国最古の石灯篭です。





白鳳時代の松香石で作られた石灯篭で重要文化財に指定されています。



現在、當麻寺には中之坊、護念院、西南院、奥院と四つの塔頭があり、いずれも拝観可能です。

よく帰りに立ち寄る和菓子屋"中将堂本舗"のリーフレットです。





伊勢名物の赤福餅の餅がよもぎ餅に変わったイメージです。
(こしあんの味は全く違います。)



場所は近鉄大阪線当麻寺駅前です。








奈良大和路⑮當麻寺中之坊

2020年05月12日 05時20分00秒 | 日記
  二上山を下山し當麻寺へ。







コロナ対策で曼陀羅堂、金堂、講堂の各お堂は拝観停止になっていますが塔頭の方はいつも通り拝観をされています。

久しぶりに當麻寺で最も古い塔頭"中之坊"を拝観しました。





ご由緒については案内板をご覧下さい。

山門を入り本堂へ。



ご本尊は平安時代に中将姫の守り本尊である十一面観音立像です。
"導き観音"として進路に迷った時に進むべき道へと導いてくださる観音さまです。



役行者が「陀羅尼助」を精製する際に用いたと伝わる井戸です。



中之坊庭園は大和三名園のひとつで桃山時代に完成。江戸時代初期には後西天皇をお迎えするため、片桐石州により改修されています。
石州は大和三名園のひとつ大和郡山市にある慈光院の作庭者としても知られる当代一流の文化人です。





天平時代の東塔を借景にした池泉回遊式庭園で昭和9年に国の史跡及び名勝に指定されています。







中之坊書院と片桐石州作の茶室は国の重要文化財指定を受けています。







當麻寺の牡丹は名高く古より皇族や貴族に愛された王朝文化を象徴する花です。





その他に山吹や射干、藤の花が庭園に彩りを添えています。





庫裏には陀羅尼助を製造する際に薬草を煮た大釜が保存されています。



當麻寺金堂のご本尊弥勒菩薩坐像の御朱印を授与して頂き次に法然上人ゆかりの奥院へと向かいます。