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中国の本当のGDP【澁谷司──中国包囲網の現在地】 2023.08.14

2023年08月15日 05時35分01秒 | 日記
 

中国の本当のGDP【澁谷司──中国包囲網の現在地】

中国の本当のGDP【澁谷司──中国包囲網の現在地】

 

7月17日、中国国家統計局は、経済の主要統計を発表した。それも踏まえ、近年の中国GDP(季節要因を除く)の表とグラフを作成してみよう(図表)。ただし、今年は上半期の数字しかないので、すべて2倍した。したがって、2023年の数値はあくまでも予測である。

 

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GDPは「投資+消費+貿易黒字+政府支出」だが、中国は明確な「政府支出」の数字を出していないので、「政府支出=GDP-(投資+消費+貿易黒字)」として「理論上の政府支出」を算出した。

 

「投資」と言えば、一般的に「民間投資」を指す。ところが、中国の場合、「投資」の中に「政府投資」が含まれる。

 

 

民間投資が息切れしている中国経済

以前、中国でも「投資」の中の「政府投資」はそれほど大きくなかった。ところが、昨2022年、投資総額57兆2138億元のうち、「民間投資」は31兆0145億元だった。一方、「政府投資」は26兆1993億元で、全体の45.8%を占める。投資の約半分近くが「政府投資」となっている(例えば、米国は消費がGDPの約80%を占め、投資は少ない。なお、日本は消費が60%前後である)。目下、「民間投資」が息切れして"不活発"な状態にあると言えるだろう。

 

図表を見てもわかる通り、中国で一番重要な「投資」はあまり増えていない。おそらく、今年、中国の投資は前年比マイナスになるだろう。万が一、プラスになる場合には、政府が無理やり投資を激増させたと考えるのが自然ではないか。

 

実際、図表からは「理論上の政府支出」が急増している事が見て取れる。何のための政府支出か詳細は不明である。おそらく、(1)多額の財政赤字を抱える地方政府への財政支援、(2)ゾンビあるいはゾンビまがいの国有企業への赤字補填等で財政出動しているのではないだろうか。

 

 

「中国の実際のGDPは日本くらい」説も

同国のGDPについては、7月20日、中国系アメリカ人YouTuber(「Lei's Real Talk」を配信)のLeiが、「台湾英文ニュース」の取材に応じ、中国の経済・政治情勢と台湾への影響について語った内容が興味深い(*1)。

 

Leiは、1980年代に上海からアメリカに移住したが、中国の友人や親戚と緊密に連絡を取り合っているという。金融アナリストとして15年間働いた後、彼女はパンデミックの最中、中国や中国共産党、そして中国人を西側世界がよりよく理解するためのYouTubeチャンネルを立ち上げた。

 

その中でLeiによれば、中国のGDPは(しばしば18兆米ドルと言われているが)実際、5兆米ドルから9兆米ドルの間だという。おそらく、中国のGDPは日本とほぼ同じで、5.2兆米ドル、あるいは5.3兆米ドル程度だと主張している。

 

Leiは、シカゴ大学の経済学者、ルイス・マルティネス氏の研究を引用している。マルティネス氏は、1992年から2013年にかけて、各政府が自己申告したGDPの数字と衛星が記録する夜間の明かりを比較分析した(*2)。その数は百数十ヶ国にものぼる。

 

マルティネス氏によれば、一般に、いかなる政府も、経済を実際よりも健全に見せようとする動機を持つ。

 

だが、民主主義政権では、政府の"数字を良く見せようとする誘惑"を抑制するメカニズムが存在する。自由な報道機関は数字を調査することができ、独立した立法府は透明性と説明責任を要求することが可能である。

 

ところが、独裁的な政府では民主主義政府と同じようなメカニズムが働かない。その結果、マルティネス氏は、独裁国家は年間GDP成長率を約35%過大評価(数字を上乗せ)しているという。

 

彼の研究結果を基に、Leiは中国が1992年から2022年までの間に毎年12%以上の成長を遂げたのでは"ない"と結論を出した。そして、彼女は、中国は毎年せいぜい8%程度の成長だった可能性が高いと推論している。

 

したがって、現時点で、中国の本当のGDPは我が国と同じくらいではないかという(ちなみに、Leiは、今年、中国はほとんど経済成長していないと考えている)。

 

(*1) 2023年7月25日付『台湾英文ニュース』
(*2) 2022年6月13日付『シカゴ大学ハリス校』「Q&A: ルイス・マルティネスが独裁者の経済パフォーマンスの誇張を暴く」

 

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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

 

【関連動画】

澁谷司の中国カフェ(YouTube)

https://bit.ly/3FhWU43

 

 

【関連記事】

2023年7月24日付本欄 2024年台湾次期総統選の行方【澁谷司──中国包囲網の現在地】

https://the-liberty.com/article/20787/

 

2023年7月10日付本欄 未来の中国5つのシナリオ【澁谷司──中国包囲網の現在地】

https://the-liberty.com/article/20746/

 

2023年6月26日付本欄 中国経済の真実と当局による死者数の隠蔽【澁谷司──中国包囲網の現在地】

https://the-liberty.com/article/20720/


幸福実現党の桜ひろ子氏が岩手県盛岡市議選で4期目の当選

2023年08月15日 05時32分44秒 | 日記

幸福実現党の桜ひろ子氏が岩手県盛岡市議選で4期目の当選

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4期目の当選を果たした桜氏。

任期満了に伴う岩手県盛岡市議選が13日に投開票された。定数38に対し、50人が立候補を届け出る中、幸福実現党公認候補で、現職の桜ひろ子氏が4期目の当選を果たした。

 

桜氏は一男一女の母。テレビやラジオなどに出演する地元に密着したフリーアナウンサーの経験を生かして、2011年に初当選。その後、市議会の教育福祉常任委員会や議会運営委員会の委員長を務めるなど、重要な役割を果たしてきた。

 

桜氏は、「笑顔」「繁栄」「助け合い」の3つをテーマとした「盛岡の姿」を目指している。

 

(1)子どもの笑顔が飛び交う街づくり

母親の視点で盛岡の教育行政を見直す。学校の道徳では補えない「心の教育」の必要性を強く感じており、もっと子どもの心が育つ教育を推し進め、一人一人の個性が、花開くよう取り組んでいく。

 

(2)地域経済の活性化

北東北の交通結節点としての優位性を生かしながら、広域圏における産業や観光の拠点整備を推進する。盛岡市を売り込むシティプロモーションの強化と、市民がもっと住んでいる街に誇りを持てるようシビックプライドの醸成を図る。地域経済の発展なくして福祉の充実は図れない。活力ある街づくりのための企業誘致と雇用の安定・拡大を目指す。

 

(3)少子高齢化社会に対応できる街づくり

地域ぐるみで支え合う町内会・三世代で面倒を見合える助け合いの精神を育んでいく。介護サービス過多にならないよう、介護予防と自立支援の充実を強化し、健康長寿日本一を目指す。妊娠期から子育てまで切れ目のない支援の拡充を目指す。

 

【関連サイト】

幸福実現党公式HP

https://hr-party.jp/

 

【関連記事】

2021年6月号 幸福実現党はあなたの街をどう変えるか 岩手・青森・秋田で実像に迫る - 地域シリーズ

https://the-liberty.com/article/18303/

 

2023年4月号 釈量子の志士奮迅 [第121回] - 増大する介護保険料を抑えるために必要な「宗教的精神」

https://the-liberty.com/article/20350/