日本が初めて開催国となったG20が閉幕 安倍首相の二枚舌外交は未来の破滅を招く?
2019.06.29(LIVERTY WEB)
《本記事のポイント》
- 日本が初めて開催国となったG20が閉幕
- トランプ氏と「強固な日米同盟」を約束しながら、習近平氏に来春の国賓招請
- 矛盾した約束を平気で取り付ける「二枚舌外交」をやめよ
28日に開幕した20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)が29日午後、首脳宣言「大阪宣言」の採択により閉幕した。
貿易戦争が続く米中関係や中東情勢の緊張など、さまざまな懸案事項を抱えた状態での実施となったG20。日本が初めて開催国となった今回、安倍晋三首相と各国首脳たちとの会談も注目された。
安倍首相とトランプ米大統領は28日に日米首脳会談を実施。トランプ氏は来日前にツイッターで「日本は原油の62%を(ホルムズ)海峡から輸入している。なぜ我々(アメリカ)が他国のために無償で航路を守るのか」などと投稿するなど、日米安保への不満を示していた。
会談後、「日米同盟が史上かつてないほど強固であるという認識を共有した」として、安保条約の見直しは話題に上らなかったと発表された。
トランプ氏との"良好な関係"をアピールする安倍首相だが、一方で、トランプ氏との会談前日の27日、中国の習近平国家主席と首脳会談を行い、習氏に来春の国賓としての訪日を招請していた。
来春、習近平国家主席を国賓として招請
安倍首相は日中首脳会談で、「習近平主席の訪日を心から歓迎いたします」「来年の桜の咲くころに習近平主席を国賓として日本にお迎えをし、日中関係を次の高みに引き上げていきたいと思います」などと発言。外務省の発表によれば、習氏は訪日を原則として受け入れたという。
そして、両国首脳は日中関係について「新時代を切り開いていくとの決意を共有した」と発表している。また「双方の共通利益を拡大させつつ、長期的に安定した日中関係を構築することでも一致した」という。
しかし中国は、新疆ウイグル自治区をはじめ、国内で民族弾圧や宗教弾圧を行い、対外的にも「一帯一路政策」などで覇権拡大を推し進めている。9日からは、香港において中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐり、200万人もの市民がデモに参加した。G20開催に合わせ、各国への支援を訴えるデモが続いている。
安倍首相は習氏に対して、「引き続き『一国二制度』の下で自由で開かれた香港が繁栄していくことの重要性を指摘」したというが、国賓として招請したり、「長期的に安定した日中関係の構築」などを約束したりするようでは、中国におもねっていると見られても不思議はないだろう。
二枚舌外交をやめて本当の正義を
一方で、トランプ氏は変わらず習氏に対する強気の姿勢を崩していない。
29日にはトランプ氏と習氏が首脳会談を行った。貿易摩擦の緩和に向けた糸口を見いだせるかが焦点だったが、会談後、トランプ氏は、中国との協議を継続する意向を示した。
トランプ氏は会談前、本会談が不調に終われば、さらなる追加関税をかけることを示唆しており、今後も強気な交渉の手を緩めることはないだろう。
中国の覇権拡大を止めるため、正々堂々と戦い続けているトランプ氏。一方、トランプ氏には「強固な日米同盟」をささやきながら、習氏を国賓として招こうとする安倍首相。矛盾した約束を平気で取り付ける、まさに二枚舌外交を行っている。
「おもてなしブース」なども注目を集めた今回のG20だが、果たして成功だったと言えるだろうか。安倍首相は、どの国にもいい顔をする二枚舌・八方美人外交をやめ、世界がよりよい方向に向かう、本当の正義とは何かを考えていくべきだ。
(駒井春香)
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