三つの重大問題 ①「戦闘地域」に派兵
安倍政権の『戦争法案』の三つの重大問題の一つ目は、世界中どこにでも、そして「戦闘地域」に自衛隊を派兵できるようになることです。
政府の定義によれば、「戦闘地域」とは、≪現段階では弾は飛び交っていないけれど、いつ戦闘になるかわからない地域≫です。
今まで自衛隊が派遣されていたのが「非戦闘地域」。それでも、安全だったわけではありません。
「非戦闘地域」とされたイラク南部サマワに派遣された自衛隊の宿営地は23発の攻撃を受けました。
米兵の空輸を行っていた自衛隊の輸送機の上を4発の迫撃砲弾が飛び越えていきました。
当時の陸上自衛隊幹部は、イラク派兵部隊が棺を10個近く準備していたことを明らかにしています。
「非戦闘地域」でさえこの状況なのに、さらに危険な「戦闘地域」に足を踏み入れたらどうなるか。
柳沢協二・元内閣官房副長官補は「必ず戦死者が出る」と警告しています。
安倍政権は、そこが、実際に銃弾が飛び交うような「戦闘現場」になれば自衛隊の指揮官の判断で活動を休止・避難できるといいます。
しかし、米軍のための武器・武器弾薬を運んでいるときに、「戦闘が始まったから、やめます」などということができるでしょうか。
首相は「イラクやアフガンのような戦争に、武力行使を持って戦闘に参加しない」と繰り返しています。
しかし、首相自身、国会答弁で、自衛隊が攻撃対象になり結果として武力を行使することで「そこが戦闘行為の現場になる」と述べ、戦闘参加の可能性を認めています。