かえるネット木津川南

大阪市南西部で活動する日本共産党の青年後援会のブログです。

【破たんしている待機児童対策】

2016-09-18 20:04:56 | 教育・学費・就活
【破たんしている待機児童対策】
厚労省が9月2日に発表した保育所待機児童数(4月1日現在)によると、認可保育所を希望しながら入所できない子どもの数は9万人を超えて、2年連続増加という深刻な状況となっています。

安倍政権の「待機児解消プラン」は行き詰っています。

国は受け皿を増やしていると宣伝しますが、実際には、これまでの認可外施設を加えた〝水増し〟をしているのが実態。安心して預けられる認可施設を求める保護者の声に応えたものとはなっていません。

とくに都市部では深刻な不足があり、256万人にのぼる利用申込者の需要を満たすには程遠い現状です。安心して預けられる保育所を中心にした抜本的な対策が必要です。

しかし、安倍政権がとってきた対策は相変わらずの詰め込みと規制緩和路線。

よりよい保育を行うために国の最低基準に上乗せしている自治体に、一人でも多く受け入れるように要請したり、小規模保育施設の定員を増やし、定員以上に子どもたちを預かっている施設への補助金を減額の猶予期間を引き延ばすなど、子どもたちの詰め込みを奨励。

「企業主導型保育」を導入し、新たに約5万人分の認可外施設を増やすつもりです。

待機児童解消のためにも急がれる保育の処遇改善策も、わずか月6000円の増額で、全産業平均より約10万円低い賃金の引上げには程遠い中身。しかも、補正予算では見送り、来年度予算に先送りしています。

数のごまかしや不十分な処遇改善策ではなく、保護者の求める安心・安全の認可保育所の増設と保育士の抜本的な処遇改善を進めるべきです。


【33か国中32位】

2016-09-18 09:26:48 | 教育・学費・就活
【33か国中32位】
経済開発協力機構(OECD)が15日、加盟各国の2013年の国内総生産に占める教育機関への公的支出割合の調査結果を発表。

日本は3.2%と比較できる33か国中ハンガリー(3.1%)に次ぐ32位。

7年ぶりに最下位はまぬがれたものの、OECD平均の4.5%には遠く及ばず。

ちなみに33か国中、もっとも高かったのはノルウェーの6.2%。そのほか上位は欧州各国が占めています。

大学などの高等教育への支出を公費で負担している割合は、日本は35%で韓国(32%)に次いで2番目に低く、大部分を私費で負担している実態が明らかになりました。

OECDは、日本では高等教育への需要が高いにもかかわらず、公的支出が少ないと指摘しています。
OECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長は、大学への進学を希望しているのに学費を出せない場合のための救済策が必要だと強調しているそうです。


【希望者の8割分しかない】

2016-09-01 22:48:25 | 教育・学費・就活
【希望者の8割分しかない】
日本の教育人は家計負担が大きい。

子ども二人が私立大学に通った場合の学費を含む教育費は、自宅通学の場合、勤労世帯の平均可処分所得(584万8740円、50歳~53歳の二人以上の勤労者世帯)の47%(272万3200円)、下宿の場合は81%(475万5200円)。

そのため半数の学生が奨学金を借りている。

日本には返済不要の給付制奨学金がないため、貸与制の奨学金を借りざるを得ず、大学卒業と同時に平均300万円の借金を背負うのが実態となっている。

しかも、貸与制の奨学金も予算の枠があるため、希望者全員が受けられるわけではない。14年度は希望者の83.73%にとどまっている。

奨学金のうち無利子型は46万7297人、有利子型が87万7343人となっています。

奨学金返済が学生を苦しめている実態があるのに、文科省は文科白書で「返還金を確実に回収することが重要」だと強調。来年度から導入予定の「所得連動型奨学金」も、所得がゼロでも変換させる内容となっています。

世論におされ、給付制奨学金創設を言い出した安倍政権は、経済対策で「来年度予算編成で結論を得、実現する」と盛り込みましたが、支給額や対象者を厳しく限定することが検討されています。

生まれた家に経済力があるかないかは、学生の責任ではありません。しかし、そのことによって将来が大きく左右される、社会に出るスタートラインで借金を背負わされる。理不尽なことです。

どんな家に生まれようとも、学びが保障され、自らの才能を伸ばしていくことができる。そのことが、多くの学生にとっても、そして社会にとっても大切なことではないでしょうか。

日本共産党は、給付制奨学金の創設と、10年間で学費を今の半額にしていくことを提案しています。



【チリで大学授業料無償化】

2016-02-14 21:29:44 | 教育・学費・就活
【チリで大学授業料無償化】
南米チリのバチェレ政権が昨年12月、教育改革をおこない、大学授業料を無償とする法案を成立させました。
財源はすでに実施している法人税増税です。

大学の授業料無償化は今年、全学年の30%以上にあたる約20万人に適用されます。
世帯収入が下位50%内の学生で、今後、段階的に拡充されるそうです。

高学費や高利子の学資ローンの苦しみから学生たちが解放され、高等教育の機会均等が格段に広がり、そのことが同時に、チリの経済・社会の発展に貢献し、国際競争力の向上につながる。

経済界が法人税の増税にそれほど強く反対をしないどころか、一部では理解も示した背景にはその点があります。

ちなみに、チリの法人税はこの数年で17%から24%になり、年80億円の歳入増になっているそうです。

さらに、この教育改革では、授業料無償化以外に、国の補助を受けている大学は利益をあげることを禁止され、余剰資金は研究や設備などに充てられます。

チリで行われた、この大学授業料無償化をはじめとする教育改革は、ピノチェト政権が敷いた「教育の民営化」路線、つまり教育分野の規制緩和、国の責任の放棄、利益優先からの転換を意味します。

こういった教育改革が実現した背景には、学生たちから始まった運動の広がりから、教育改革を社会的な要求になり、その運動が学生の保護者や教員、労働組合など社会を横断するまでに発展したことがあります。

首都サンディエゴだけで40万人が参加するデモが実現。
右派政党の支持者や無党派層も含む過去にない流れになり、要求も教育以外の分野に広がり、今回の教育改革をおこなったバチェレ政権を誕生させました。


わたなべ結・大阪府青年学生委員会責任者

【大学学費値上げの危険 交付金削減】

2016-02-13 00:41:58 | 教育・学費・就活
【大学学費値上げの危険 交付金削減】
安倍政権による国立大学の学費値上げの危険が言われています。

ことの発端は、昨年10月、政府の財政制度等審議会で「(国からの)運営費交付金に依存する割合と自己収入割合を同じ割合とする」という財務省の方針が了承されたことです。

運営費交付金とは各大学の収入不足を補うために出される補助金のこと。
国の組織の一部だった国立大学を、切り離して法人化することを受け創設されました。

財務省の方針というのは、今後15年間、交付金を毎年1%削減して、総額で1948億円も削減する一方で、大学の自己収入を2437億円も増やせというもの。


財務省はこの方針を今も撤回していません。

財政制度等審議会でとりまとめられた昨年11月の「建議」(意見書)では「授業料の値上げについても議論が必要」「国費に頼らず自らの収益で経営を強化していくことが必要」と打ち出しています。

自己収入を増やすといっても寄付金や経費削減には限界があります。結局、学費値上げの現実が目の前に迫ることは明らかです。

自己収入増を授業だけで賄うとするならどうなるか。
日本共産党の畑野君枝衆院議員が昨年12月に国会でただすと、文科省は「授業料は40万円増えて93万円になる」と答弁。こう答弁したことは、今年の国会審議でも馳文科相が認めています。

若者が奨学金で多額の借金を背負う実態を無視したものであり、高等教育の段階的な無償化を求める国際人権規約や、憲法が定める教育の機会均等にも反するものです。

ちなみに、ご紹介した「建議」対しては、公明党も新妻秀規議員が「授業料の値上げによって教育の格差が拡大してしまう」と批判、「わが党として到底容認できません」と明言しています。(2015年12月11日 参院文教科学委員会)

国立大学の学費が値上げされれば私立大学にも波及し、学費の値上げの悪循環を招くことは必至です。

日本共産党は、「国の大学予算削減のために学費を値上げする方針を撤回させる一致点で、引き続き世論と運動を広げよう」と呼びかけています。


わたなべ結・大阪府青年学生委員会責任者