大阪を襲う危険性が高まっているとされているのが、東海・東南海・南海沖地震です。今後30年以内の発生確率は60%~80%と予想されています。
※ちなみに2003年の北海道、十勝沖地震の発生確率は60%といわれていました。
被害予想としては、中央防災会議の想定被害で大阪を含む西日本広域で死者1万7800人(うち津波で8600人)、経済被害約57兆円となっています。
100万人が海抜ゼロメートル地帯に住む大阪では、津波で、東大阪市、八尾市を含む大阪湾周辺16市に被害が及び、大阪駅、新大阪駅、御堂筋、市役所、咲洲庁舎、地下鉄、地下街も浸かるとの被害想定もされています。
立ち遅れた対策
そういった高い確率で地震が予想され、被害も想定されているなかで、大阪の防災対策は立ち遅れています。
とくに遅れているのが、学校の耐震化です。
小中学校の校舎耐震化率は74.5%で、全国平均80.3%を下回り、全国28番目。しかも、震度6強の大規模地震で倒壊する危険性が高いと推計されるのは、大阪府の397棟が全国最多です。府立高校の耐震化率56.6%、全国43位のワーストクラスです。その他の公共施設の耐震かも、大阪府は69.9%にとどまっています。
住宅の耐震化は、建築物の耐震改修の促進に関する法律で、2015年度までに90%という目標を掲げています。大阪府がこれに到達するには、47万戸分の建て替え・改修が必要です。しかし、2010年度での1年間に公的な助成を受けて耐震化されたのは、わずか386戸、このペースでは目標の90%以上まで1000年はかかります。
削られた防災予算
立ち遅れている大阪府の地震対策ですが、橋下知事時代にはさらに地震関連予算が大幅に削られてきました。
たとえば2011年度予算では、橋下知事就任前の07年度と比較すると、
橋りょう・モノレール耐震予算は18億5451万2000円→14億9000万円へ
堤防・水門・排水機場耐震予算は34億1676万円→11億4920万円へ
後方支援活動拠点・広域避難地としての整備予算は31億155万円→9億4996万円へ
こうした、11事業で97億6844万円から40億1252万円へと実に「6割」もカットしてきました。これは橋下府政が何を削って黒字を生み出してきたのか、彼がどこを向いて政治をしてきたか、というこでもあります。
今度のダブル選挙では、行政の形をどうするかが問題ではなく、「どんな政治をしていくか」が問題となります。
中身のない、勢いだけの言葉に惑わされず、事実を見ることが大事ですね。