今更言うのもなんですが、なんで謙信は後続の事をちゃんとしておかなかったのでしょう。いかに突然の死と言えども、二人の養子をほぼ同列に育ててしまったのでしょうか。例えば長兄、次兄という序列さえなかったのでしょうか。不思議です。
信長が謙信は浄土とかに行けたのであろうなと生き様を褒めるのです。が、それはある意味皮肉で、「地獄を残して」、と後に続く言葉が印象的です。
これでは良い笑いものではないですか。
人の世は、なんと完璧に生きると言うことは難しいと言うことなのかも知れませんね。
こんな様子を謙信が垣間見ることがあるというのなら、涅槃の岸辺で飲む酒はなんと苦いものだと憂いていることでしょうね。
つい先程までWikipediaで「御館の乱」について読んでいました。
この二年の内乱で、上杉はその力を失っていってしまい・・・・、ふーん、そうなのか。
興味のある方はここです。→ここよ。
信長が、この内乱で上杉が混乱を起こしている様子を見て、天は自分が天下取りに行けと後押ししているのかと考え込みます。このシーンはとってもいいシーンな様な気がするのですが、なんで小りんが、あっ、違った、ええと、初音(覚えていなかったです)がまとわり付いているのでしょうね。超脇役感が拭いきれません。まあ、彼女は見ないことにして、信長が一人でこの歴史の必然の符合に気持ち揺れ、日本史の主役に躍り出る前夜と言う感がしました。
そして上杉はこの内乱によって、歴史の脇役に回ることになってしまったのでした。
こういう物語に触れることによって感じてしまうのは、歴史の必然とか言うようなものです。
誰かが何かをちょっと操作して、歴史を既に決められた流れにもって行ってしまうという 必然・・・
上杉の運命は、北条から美しく凛々しい青年がやってきた時から決まっていたのかも知れません。
ドラマ自体の感想ですが、私の中では例のあのことを乗り越えないと非常に感情移入しにくいことに気がつきました。
例のあのこと―僕には人は切れず殺せず、と言う無謀にもこの戦国時代に投げかけた超直球。それはいつ誰が受け止めたと言うのでしょうか。そして、彼はいつその壁をぶち破ったのか・・・?
で、アレだったのかと言うのが、霊のスッポットライト演出の
(「霊の」は掛詞、なんチャって。)
「紅葉のような家臣になりなさい。」と言う母の言葉に
僕は泣きましぇーん!!
と、決意する所だったのかと、今更ながら、エー、そこだったわけ!?と、妙に納得いかない感が残ってしまうのです。
用意しておいたパズルの穴が埋まらないのです。そこでその穴を埋めようと登場したのが、仙桃院の「北斗の七星」と言う言葉です。
どうも主役の彼が爽やかすっきり単純系なので、この物語も単純に分かりやすいような錯覚に陥れ易いのですが、何か言葉が100ぐらい足りないような気がして、非常に分かりづらい物語になっているなと思います。
今回「鬼になる」と言う言葉が出てきましたが、その言葉を、もっと早く聞きたかった方は多いのではないかと思います。
これは自分のブログ内のコメント欄でも書かせていただいたことなので重複ですが、兼続の使命は景勝を守り抜くこと。そこに彼の「義」があり、その為には、鬼にもなるのだという図式。
このことはドラマ内でちりばめてあるのだと思いますが、とっても大切な要なので、そこにこそ「涙」と言うアイテムを使って、熱く一気に語らせて欲しかった所です。
そして今回も、言葉足りずにパズルの隙間が開いてしまっている感じがしました。
兼続はお船に言えばいいのですよ。
「お館様は私こそお館様の『義の心』を継承出来る者だと仰せになりました。それはお館様の遺言。そして我が主君は景勝様なれば、景勝様継承は、お館様の遺言。遺言はあったのです。それを果たすためにはこの兼続は鬼にもなりまする。」
上のセリフはないですよ。私が勝手に作ったのですが、コレぐらいのごり押しがないと、なかなか感情移入ができません。と言うわけで勝手に脳内補完をさせていただきました。
その脳内補完をして今回のドラマを見ましたら、結構楽しめました。
一番面白かったのは冒頭の「なんてったって本丸」。
いったいNHKは何処に行きたいと言うのか。
次に面白かったのは、見つめ合う兼続とお船をそっと垣間見る夫。その彼に「なんでもございません。」とフォローする乳母。いいタイミングです。
闘うシーンでは夕日の眩しさを利用して、なだれ込む所。兼続が目で合図を送っていましたから、彼のアイデアでしょうか、カッコ良い~。
天の指示を待ち、静かに風を読んでいる景虎。が、カラスの鳴き声に驚いて発砲してしまう兵士に苛立つ景虎、そこに雨が・・・
兵士は自分の美学に反することをやるわ、天は味方しないわでなんとも気の毒な景虎です。
でも彼も、心の箍(たが)が外れるや否や、自分の本心に忠実です。
「裏切られたから」と言う、大義名分を振りかざしてはいますが、それが押さえつけられていた彼の本心で、「裏切り」なんてもはや言い訳にしか感じません。そう思うと、兼続たちの本丸占拠(?)は、やっぱり必然だったのかとも思ってしまうのでした。
その景虎と華姫のシーンを見て、だんなが、
「学芸会っだなー!」とキツイ一言を申しておりました。
そんな事言わないでよ、良いシーンじゃないのよー。ちょっとウルってきちゃったわよー。と、反論しておきました。
こちらは、「なんてったってイケメン」です。