今日の詩篇明日の詩篇 羽鳥明著より
死の前に、この世のどんな力も無力です。
死は、得意絶頂にある人をも、まるでわなにかけるようにつかまえて離しません。
滅びの川のように、すべての人を飲み尽くします。
死の綱、よみの綱はぎゅっと締めつけて私たちの息の根を止めます。
待ったなしに、私たちからすべてをはぎ取ります。
そして傷だらけの魂、汚れきった魂を、暗やみのかなたに押しやるのです。
これは、肉体の死の姿ばかりでなく、その向こうに待っている魂の永遠の死、
裁きの姿でもあるのです。ダビデは、肉体の死に直面しました。
そして、その向こう側の恐ろしい死の暗い口を見たのです。
金や、権力や、実績があっても問題ではありません。
この最後の敵、死の圧倒的な力を悟った時、ダビデの最後の手段は、
心から神に呼び求めることだったのです。
砕けきった魂の叫びを、万有の主、いのちの創造者、
すべてのものの生死の支配者である神が聞き、
解決を与えてくださった時、ダビデは、謙遜に、喜びと平和と確信の頂から、
賛美の歌を歌うことができたのです。
詩篇18:5-7
死の縄がからみつき
奈落の激流がわたしをおののかせ
陰府の縄がめぐり
死の網が仕掛けられている。
苦難の中から主を呼び求め
わたしの神に向かって叫ぶと
その声は神殿に響き
叫びは御前に至り、御耳に届く。