to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

パレード

2010-02-26 01:23:56 | the cinema (ハ行)
歪みはじめる、僕らの日常
製作年度 2010年
上映時間 118分
原作 吉田修一 『パレード』(幻冬舎刊)
脚本・監督 行定勲
音楽 朝本浩文
出演 藤原竜也/香里奈/貫地谷しほり/林遣都/小出恵介/竹財輝之助/野波麻帆/正名僕蔵/石橋蓮司

表面的な人間関係で満足しながら、都内のマンションで共同生活を送る若者たちの日々を描く青春群像ドラマ。
映画会社勤務の直輝(藤原竜也)、イラストレーター志望の未来(香里奈)、フリーターの琴美(貫地谷しほり)、大学生の良介(小出恵介)たちは、2LDKマンションで共同生活を送っていた。それぞれが不安や焦燥感を抱えながら、怠惰な共同生活を続けていたが、男娼のサトル(林遣都)が現われたことで変化が起こり始め……。

群像劇はどちらかというと苦手なんですが、藤原竜也クンと林遣都クンが共演しているということで
観たいと思っていました。
殆ど予告も観ないで行ったのですが、「一見青春映画のふりをした、恐怖映画」(監督談)
好き嫌いは分かれるかも知れないですが、かなり良かったです

嫌なら出て行くしかなくて、居たければ笑っていればいい

映画会社に勤める健康オタクの直輝はこの部屋に最初から住んでいる最年長者で、
イラストレーターで雑貨屋店員の未来は、おかまバーの常連で、時には辛辣。
無職の琴美は若手人気俳優と熱愛中で、一日恋人の出演しているドラマを観て過ごす。
大学生の良介は先輩の彼女に恋をしたみたいだが告白できずに悩んでいる、めんどくさがり屋。
ある日ひょんな事でタケルが棲みつくようになった頃、街では女性を狙った暴行事件が連続して発生し、
上辺だけの付き合いで、ゆるく優しい関係を保ってきた彼らの共同生活のバランスが崩れ始める――

謎めいたタケルは、若いだけに率直でもある
人と繋がるとは、どういうことなのか....

子供ではない―。
でも、大人とも呼べない、青年期の彼ら。
大人になる為に、ちゃんと人と、社会と関わる為に、
困難を避けてばかりでは宿題は終わらない。
彼らはむきだしになるのを恐れ、孤独を恐れながらも各々自分なりのストレス発散法を持っているが、
自分以外には実はそんなに興味がない。

"本当の自分"を演じないで居られる関係。そんな時間。
それを手にすることはそんなに大変なことなのか…?

いつも舞台調の藤原君が、まずそぎ落とすことから始めたといい「寝起きのテンション」で演じたというだけあって、オーラを消したマジメ青年、良かったです。
去年から「ROOKIES -卒業-」「風が強く吹いている」「僕の彼女はサイボーグ」と
なんだかよく観ている小出恵介くんは、この頃堺さんと被ってしまいます、普通の青年(笑)。
貫地谷さんは、いまのドラマともチョット被る、ってか時代劇では余り感じない"作りすぎた普通"がキニナル。
さり気ないセリフが、いちいち重い。表情はとてもいいのに、少ないセリフに重量感。
香里奈は、凄くメリハリのある女性を上手く演じていて、
そして、つい先日の「DIVE!!」とはまた違う、アブナ目の林遣都クン、さすがです!飄々と演じて、存在感を放っていました

空気人形」とはまた違う都会の若者の、心の闇を描いた作品。
あまり情報を入れないでご覧になる方がいいかも知れません。
若い方が圧倒的に多かったですが、この世代の親の世代にも観て欲しい作品ですね。
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6 コメント

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Unknown (mig)
2010-02-26 13:34:17
kiraさーん★

これ気になってたんですよ、予告篇いっぱいみたから。

なかなか評判もいいみたいですよねー、
でもわたし斗真くんの方いっちゃって。
こちらはDVDで観ようと思いまーす。

楽しい週末を、、!
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migちゃん* (kira)
2010-02-27 15:25:11
観ようかどうか迷ってたから、migちゃんの斗真くん作品記事、
ちょっと斜め読みしたよ
なぜか、この作品も「人間失格」も、劇場予告観てないの
今月はかな~り劇場鑑賞したほうなんだけどね~??

migちゃんの感想まってま~す☆
お互いに、楽しめる週末を!
返信する
藤原君 (sakurai)
2010-03-09 12:09:42
そっか、オーラを自ら消したのねえ。
なるほど。
普通の青年の藤原君に価値があるなあと思って見てましたから。
いまどきの・・というよりも、アタシのときも(都会じゃないけど)若者ってあんな感じだったかも・・。
林君が秀逸でしたね。
いい青年だけじゃないんだといううれしい驚き。これからも楽しみです。
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sakuraiさん* (kira)
2010-03-09 23:29:51
放っておいても情報が手に入れられて、
逆に要らない情報にも囲まれている現代の若者って、
器用に見せかけていても、その実は・・・と、
思いながら観てしまいました。
なんか、私の頃はもっとみんな武装してなかったよなぁ~と。
林君、この年齢じゃないと出せない貴重な雰囲気、ありましたね
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Unknown (sabunori)
2010-03-11 17:02:25
kiraさん、こんにちは。
ものすごく興味深い物語でしたね。
でも観終わると胸の中にモヤモヤが渦巻いてしまって離れない・・・なんとも居心地の悪さを感じてしまう作品でした。
「そういうもの」なのかなぁ。
本当の自分すら装わなければいけない?
基本的に誰もが他人に無関心でしたね。
時々カフェなどで隣にいる人の会話が聞こえてくると若い女性が自分のことばかりものすごい勢いで語っている場面に遭遇します。
そのたびに「自分のことが大好きで他人には興味ないのかなぁ」と感じるのですが
彼女らが特別というわけではないのかもしれないと思ってしまいました。
返信する
sabunoriさん* (kira)
2010-03-12 18:45:24
この原作者の吉田修一さんと監督は、同じ年であり、
どちらも九州出身というところから、
監督はこの、都会に集まった若者の目に映る都会というモノ。
そこにかなりの共感を覚えたらしいです。
私はそれより幾分前の世代ですが、そういえば・・・と、
昔の自分をあれこれ思い出しました。
確かにホンネばかりでは特に友人関係は上手くいかず、離れていく人も多かった。
それだけに、嘘偽りの無い友人だけが残ったのでしたが

こういうゆるく優しい関係を保つ為に、さほど興味の無い隣人への話題を共有したり、
「察しろよ」があまりなく「踏み込まないで」オーラを出すことが必要なのでしょうね。
この作品は、若者社会への警告でしょうか。
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