きんぴらにっき 

ジュリーと猫と日々のこと・・

ヴィスコンティと美しき男たち

2017-03-02 01:11:03 | ジュリー 映画

3月に入りました。

気象庁の区切りでは 12月1日から2月末日までが冬。

3月1日から5月末日が春、ということらしいのできょうからはしっかり「春」ってことらしいです。

真冬!という寒さはなくなったけど、まだ暖房も必要だし 外に出るにはそれなり防寒しないと・・っていうね。

春とはいえまだまだ冷える、早春でございます。

 

1月の正月ライブ以降、2月はまるまるジュリ枯れ期でしたが幸いあれこれ忙しく過ごしてあっという間のひと月でした。

っていうのも、1月後半から2月中、けっこうこまめに映画を見に行ってたんですわ。

ついおとといの「リボルバー」と2月半ばの「太陽を盗んだ男」はジュリー映画でしたからブログにもお知らせしたけれど、

それ以外にもめずらしく見に行ったものがあったのでちょっと記録しておこうと思います。

そう!私がわざわざジュリー以外で、遠い映画館まで足を運んで見に行ったもの・・

 

が、こちら!

 

 

ルキーノ・ヴィスコンティ監督作品

アラン・ドロン主演「山猫」

ヘルムート・バーガー主演「ルートヴィヒ」

 

ヴィスコンティと美しき男たち

って言われたら・・見に行きたいじゃぁないですか。

そう。

ヴィスコンティと言ったら、あの久世光彦さんがご自身の著書でその美学を何度も熱弁されていたでしょう?

ジュリーの妖しい美しさをかの映画になぞらえて綴った文章もあったような。

かつて私が愛読していた「少女のための耽美派雑誌アラン」でも話題に上がっていた監督さんでした。

いつかあれもこれも見たい・・とか思いつつ、なんだかその機会もないままここまで来てしまって。

唯一見たことあるのは「ベニスに死す」だけでした。

あれはもうビョルン・アンドレセンの圧巻の美少年ぶりにただただ見蕩れましたが。

そしたら今回、千葉の柏にある映画館でこの企画がある!と聞いてはるばる見に行ってきたのですよ。

 

上のチラシはちょっと折り目ついちゃってますが

「太陽のごとく、月のごとく、輝きは不滅」

というコピーがすばらしい

 

チラシ裏面はこちら

 

ふ~む。太陽がアラン・ドロンで月がヘルムート・バーガーなの?

 

折り目のない画像はこちらで。

 う~ん 美しい

 

で、1月の終わりに まずは「山猫」を観に行きました。

実は・・私、アラン・ドロンをスクリーンで観るのも初めてでした

 

 

 

アラン・ドロンは野心家な貴族青年・タンクレディ、恋に落ちたお相手・新興ブルジョワの娘アンジェリカはクラウディア・カルディナーレ。

負傷した目を覆う黒い眼帯が似合いすぎ~。あやしくてよいです

豪華絢爛な舞踏会シーン

このシーンの撮影は36日間、総勢240人の俳優、エキストラには本物のシチリア貴族が出演!

衣装・調度品すべてが本物~!という金に糸目をつけない超豪華さ。

ヴィスコンティ監督ご自身が名門貴族の末裔ということで、やはり下々の感覚とはちがうのでしょうか。

あぁー これはもう目の保養というより目が眩む~

で、肝心のアラン・ドロンさま、この映画が1963年だからドロンさまは28歳ぐらいかな?

たしかにきらきらとまぶしい美男ぶり。

しかしどちらかというと、もう一人の主役・・タンクレディの叔父であるサリーナ公爵のほうにそそられてしまったかも。

演じていたのはバート・ランカスター。(ポスターで左向きの横顔の方)

長身で堂々とした髭の公爵さまがたそがれてゆく悲哀にただよう色気にやられました。

上映時間3時間・・がんばって観ましたわ。

ちなみに映画音楽はニーノ・ロータ 美しかったー。

 

で、2月に入ってすぐ、またまた行ってきました。

こちらは

 

ポスターを観て、「あれ?」と思ったでしょ。

そう、「ルードウィヒ」って、濁点付く場所が違うじゃ~ん?

私が勘違いしてたのか?と思ったけどほかの表記は「ルートヴィヒ」。こっちが正しいようです。

 

ヘルムート・バーガーが演じるのは、実在したバイエルンの国王・ルートヴィヒⅡ世。

18歳で即位するも、いろいろと想いが届かず(大好きなワーグナーは浪費家で不本意ながら国外に退去させることになったり、

恋い慕う従姉妹エリザベートはオーストリア皇后で実る恋ではなかったり・・とか)

徐々に世界を閉ざし、芸術と孤独に逃避していった彼は40歳で謎の死を遂げる・・というね。

ドラマ以上にドラマティックな王様ですが・・

 

 

弟のオットー殿下も精神を病んでいきます。

あんた(ルートヴィヒ)のせいでは?と思ってしまった・・

 

  高貴な容貌はそのままですが、不摂生のため口をあけると虫歯だらけ~になっておられます・・ひ~

憧れのエリザベートを演じるのはロミー・シュナイダー。男前なオーストリア皇后さま素敵でした。

 

狂いゆく美貌の王、滅亡の美学。雲間に翳る月。

ヴィスコンティが愛するヘルムート・バーガーのために撮った豪華で陰鬱な御伽噺の美学といいましょうか。

ラストシーンは水死したルートヴィヒの横顔のアップ・・

上映時間4時間!という驚異の長編。

ふ~ぅ おなかいっぱいでございました。

 

そういえば・・ルートヴィヒが指先で合図したりする仕草が、「悪魔のようなあいつ」の野々村さんの仕草にそっくりだー、とか思ってしまったんですが

久世さんがそういう演出されてたんですかね?

それとルードヴィヒが黒い帽子に杖を持ったスタイルはどうしても1977紅白のジュリーを思い起こしてしまいました

(・・ヴィスコンティの愛した世紀の美男たちを見てきましたが、最終的にどうしてもジュリ~になってしまうのよね。)

 

久世さんが特にお気に入りだったヴィスコンティ作品は「地獄に堕ちた勇者ども」だったかな?

これもいずれ機会があれば見てみたいと思いますが・・よりヘビーかなぁ?

そうそう、久世さんの筆ではありませんが、「狂王・ルートヴィヒ」とジュリーを絡めた文章があったと思うので今度ご紹介しますー。

 

 

で、明日は「宇宙戦艦ヤマト2202」行ってまいります~。

 

コメント (7)
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