あぁー・・暑い。夏なんだから仕方ない、とはいえこの夏の暑さは異常なような気がするのは私だけでしょうか。
暑すぎるからか?近所のちょっと木々が多い場所で毎年鳴いてるセミの声が今年は少ないような気もするんですけど。暑すぎて鳴けないとか?そんなことないか。
・・・でね?
夏が来~れば 思い出す~
と言ったら尾瀬のさわやかな光景を歌った歌ですが・・皆様、夏が来て思い出すものってなんでしょうね?
子どもの頃の「夏」って、なんだかとってもきらきら特別な季節だったような気がします。夏休みが特別だったのもありますけどね。
家族旅行とか、花火とか、海や川で遊んだこととか・・なんともキラキラ輝いていたような記憶が
しかし、我が家で「夏が来れば思い出す」ものの一番といえば・・・先日書きました・・・伊勢えび!
これは家族全員一致してると思います。あまりに強烈で。味覚にも残ってる。
が、実は・・もうひとつあるんですよ。忘れたくても忘れられない・・夏が来れば思い出す体験がっ!
じつは、これはちょっとホラーに近い話なんですが。書いちゃっても・・いいかなぁ~??
我が家がここ、千葉に越してきたのはもう7年前。それまでは静岡県の静岡市におりました。ここには2006年の春から2008年の夏まで、実際2年半しか住んでいなかったのですが。
この短い2年半の間に2度体験した夏の恐怖ー・・
2006年春休みに静岡に転居した我が家。初めて一戸建てを借りてなんだかみんなわくわくしておりました。建物は古いしきれいとは言いかねましたが、まぁ家は広いし、狭いながらに庭もついてるし。
庭にはそんなに小さくもないけど大きくもない木が左隅に1本、右隅に2本。(なんの木だったんだろ?)そしてアジサイが5株ほど。それまでアパート2階での暮らしだったから小学生の子どもたちは庭がめずらしくて引っ越してすぐ探索してました。
で、なんだか無意味に庭を掘ったりしてた子どもに「こんなの出てきたー」と呼ばれ見てみたらそこにはなにかの幼虫・・ぎえー・・私は虫は苦手です。しかも1匹じゃない・・10匹ぐらい。
「なんの幼虫かなぁ?カブトムシかなぁ?」なんてわくわくしてる子どもたち。「いいから戻しておきなさいー」って埋めなおさせて・・引越し片づけで忙しく過ごし、やがて新学期も始まって日々忙しく。このことはすっかり忘れておりました。
新しい学校での新しい生活・・あっという間に日が経って、梅雨がきて、明けて、夏が来て・・。
夏休みに入る少し前の頃か・・朝早く・・5時ぐらいからセミの声が。けっこう大きな音です。これまで住んでいたところでは公園からとか並木道からとか、ちょっとはなれたところから聞くセミの声がせいぜいでした。たまーに家の網戸に貼り付いて鳴くやつとかいるととてもうるさいじゃないですか?あの大きさで聞こえてくる・・。「ミ~ンミン」ではなく「ジ~~~っ!」ってやつです。アブラゼミ?
「ああ、ここは庭に木があるからセミもいるのね。」って、起きてから庭を見てみるとやはり左隅の木にセミが留まってます。1、2、3匹?で、うるさく鳴き続けるセミですがお日様が高く上がるにつれその声も止んで。まぁーセミの命は1週間程度なんだから多少うるさくてもしょうがないか。と、このときは高をくくってたのでありました。
が・・・翌朝・・・さらにうるさい音で目が覚めて。ジ~~!が確実にパワーアップしてます。庭を見ると左隅の木に10匹ぐらい、右隅の木にも・・うわっなんかいっぱいいる!みんな早くから起きてしまって文句言いつつ「まぁ1週間だから」とあきらめて。
しかし、さらに次の日の朝・・・
とんでもない衝撃で目が覚めて!・・耳が痛い・・・いやほんとに。次第にこれがものすごい音のせいだと寝ぼけながらもわかったのですがいったいなにが起きているんだかよくわからず。「グワングワングワングワン!」って感じに聞こえます。
ジ~~~!が集まるとグワ~~ンになると、このとき初めて知りました。そう!轟音のもとはセミの声!
これだけの音が出るって、いったいどれだけのセミが一斉に鳴いてるっていうの?不思議に思いつつ、階下におりて庭に面した窓の雨戸を開けて・・・そこで見たものは・・・
セミ。蝉。蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉・・・・・・・!!!!
左隅の木・・幹がすっかり見えないくらいに蝉!そして右隅の2本の木にも蝉!蝉蝉蝉!びっしり蝉なんですよ!大げさな、とお思いでしょうがこれが事実
ありえない・・・ほんとこれは「世にも奇妙な物語」とか「あなたの知らない世界」とか・・そんなに出てきそうな信じられない光景!そのびっしりの蝉たちが羽を震わせ、一斉に「ジ~~~~~~~~ジ~~~~!」と鳴いてると言う・・・
あまりの数の多さ、気持ち悪さにかえって目が離せなくなってしまって・・すごい見ちゃいました。家族も起きてきてみんなでこの信じられない光景を呆然と見つめる・・・そしてなんだか笑えてしまう・・窓の外は完全な異世界です。
決して広い庭ではないんですよ。貧弱な木が三本あるだけ。なのになぜにこ~~~んなに大量の蝉が一斉にここに集まるの?いったいどこから??
あ! 答えはこの庭の地中から!そうなんです。春に庭を掘ったら出てきたあの幼虫たちは蝉だったんだ。しかし・・いったいどれだけの蝉が埋まっていたの~?この異常大量発生はなに?
・・・ね、ホラーでしょ?
衝撃を受けつつ家族は学校や会社へ出かけ、騒音の中取り残された私。まぁーうるさいうるさい。もうほかのなにも聞こえない。
蝉時雨なんていうと風流ですが、これはもう~蝉暴風雨!蝉ハリケーン!ぐわんぐわんという音衝撃の攻撃です。
けど、10時半ぐらいになんだか音が小さくなり、何分もしないうちににぴたっと鳴り止んで。やめるときも一斉にやめる!これまたびっくりでした。就業時間をみんなで決め事でもしてるのか?
で、蝉は1週間はがんばるわけで・・毎日毎日毎日、朝5時ごろからぐわ~~~~んと始まって10時半にピタッと終業!
で、それ以外の長い時間どうしているのか?というと、どこに行くでもなく、みなその同じ場所にひたすらびっしり貼り付いているんですよ。よく見ると羽や足を動かしてたりするんだけど、基本場所は変えない。
なぜか?たまにじじっと飛び立つやつがいるんですが、飛び立ったあといったいどこへ??もう一度止まろうにも狭い庭の貧弱な木。スペースがないわけです。ありゃ!戻ろうにも空いたスペースはほかのやつが押し合いへし合いでぎちぎちにもう使っちゃってますから。で、困った蝉は仕方なく塀に止まります。しかしやはりコンクリの塀はつかまりにくいのね?居心地悪いみたいで、けっきょく塀の上に止まってる。で、気がつくと塀の上に蝉の列ができてるという。なんなの?このシュールな図は。
私、虫は苦手です。なんかこわい・・というか気持ち悪い。
なのに!昼間、物好きにもざっと数を数えてみました。一本の木に200匹以上はいました。・・ってことは3本で少なくとも600匹とか??塀にもいるから700匹超か?だいたいこんな狭い庭のなかに600匹も埋まっていたって?ほんとわけわかりません。
でも羽化したなら飛べるんだから、なにもこんな狭い庭にとどまらずどこかもっと広いところへ飛んでいけばいいのに、誰も飛んでいかないのがまた不思議。ぎっちり密集した状態で一日中過ごすんですよ。
学校から帰ってきた息子がちょっとだけ追い払おうとしましたが、ちょっとやそっとじゃ動じないの!下手に飛び立ったらつかまる場所がなくなってしまいますからね。自分のスペースをしっかりキープしてます。まぁもし全部が飛び立ったりしたら・・それはそれで怖い光景でしょうしね。
夕方あたりにカラスが一羽飛んできました。あ!えさにするのかしら。これはもう食べ放題状態ですよ。いくらでもたっぷり召し上がれ~って感じに並んでます。塀にとまったカラス・・塀の上の蝉をおもむろにばくっとくわえ・・・蝉たちはどれも動きもせず騒ぎもせず・・・カラスはしばらく蝉をくわえたままそこにいましたがなんだかしらけた感じで飛び去りました。あんまりに多くて気持ち悪くなったのか、そもそも蝉がまずいのか、よくわかりませんが捕食の対象にはならなかったようです。それ以後一羽も来ませんでした。
なので、我が家の庭のこの蝉密集状態は一向に減らないまま1週間ちょっとキープされてました。朝5時から10時半・・いや、だんだん時間が短くなって10時には終業になっていったかな?あとはひたすらじっとしてます。
考えてみたら、鳴くのはオス。あれだけ数がいても半分はメスじゃないかと思うので実際鳴いてるやつは半分なのかな?
蝉ってかなりグロテスクに「昆虫」っていう姿をしてますがこのときはあまりのすごさにけっこう観察してしまいました。
そして轟音な騒音も、3日ぐらいはまったく寝れないー!と5時に起きてましたがだんだんと慣れてみんな6時ぐらいまで寝ていられるようになって。いや、人間の適応能力もすごいものですわ。
で、いつの間にか音が小さくなって、気づいたら迎えた静かな朝~1週間経ったのね。それまでの音が嘘のように静か。
あんなんにぎっしりいた蝉はどこへ??不思議と死体もそんなには落ちていないと言う。朝のうちに鳥が食べに来たのか?死期を迎えて急にみんなでどこかへ飛び立ったとか??う~~む、けっきょくそこは謎のままです
一斉に羽化して一斉に姿を消す・・なんとも不思議。
あの600匹超の蝉のいた夏・・まちがいなく我が家の伝説のひとつです
でもね、これがこの年だけではなく、次の年もびっしり現れたんですよー単なる異常発生ではなかったらしい。
もしかしてあの庭には何層にも蝉の幼虫が埋まっていて・・・1年もの2年もの・・って感じでね?7年かけて地中に現れ、また次の世代を残していく、蝉の聖地だったのかしら?とか思ったり。
んまぁーしかしあの光景、あの轟音。今でも目に耳に焼きついてます。家族全員の記憶にあるから幻覚ではないはず。
でもあまりにすごくて逆に写真も撮りませんでした。動画とかも。今思えばもったいなかった?ですが、あのときはあまりの轟音にそんなふうに頭が回らなかったのかも。珍百景とか出したらばっちり採用だったかもね?
今でもあの庭はあのままなのか定かではありませんが・・・
うちが引っ越したあと入居された方、応募してみたらいかがかと
はぁー・・・いつか書き残そうと思っていた記憶。書いてしまったわ・・・。
虫嫌いな方ごめんなさい~。
お口直し・・・オマケ ホラーと言ったら・・・ 妖怪ハンター ヒルコ!
こ~んな笑顔のジュリーが
ぎゃ~!とか ひぃ~~!とかなりながらも・・・
ちょっと凛々しく戦ったりもして
男子高校生との萌え もある。 美味しい映画でした。