2月も最終日となりました。
え?!ほんとにひと月もあった??って毎年疑ってしまうほど早過行く月なのですが(28日しかないのだから他の月より短いのは確か)、
今年はいつもより長めに感じましたよ。
1日からピノさんの具合が悪くなり、雪も降ったり、寒かったり、おうちでどんより過ごす日が多かったせいかしら?
楽しいこといっぱいだと時は倍速で過ぎてゆくものね。
何だか気分はすでに3月に入っております~。
さて、冬から春に移り行くこの2月、悲しい報せもありました。
私の子供時代~思春期のころ好きだったものに深くかかわる方々の訃報。
自分の歳も年々上がっていくのだから仕方ないのだと思えばそうなのですが・・子供だった私を楽しませ、勇気づけてくれたあの頃大好きだったもの。
2月のラストにちょこっと振り返ってみたいと思います。
ジュリー味はほとんどないオタクな思い出話になってしまうので、ご興味ない方はスルーしてくださいませ。
一気に書くのでめちゃ長いです。
まずは、人形作家・辻村寿三郎さん。
寿三郎さん・・というよりも、私にとってはジュサブローさん。
ジュリーファンにとっては映画「魔界転生」での天草四郎の衣装がいちばんに思い出されるかと思います。
しかし、私が最初にジュサブローさんを知ったのはじつはそれよりずっと前。
1973年・・小学校1年生のころ、平日夕方毎日NHKで放送されていた人形劇「新八犬伝」がそれでした。
毎日18時半から15分間、時代劇好きの祖母の部屋で一緒に見るのが日課だったなぁ。
オープニングの音楽から胸躍り♪九ちゃん(坂本九さん)のユーモラスなナレーションにワクワクし、大活躍・大冒険するストーリーに大興奮!
エンディングの切ない歌がまたとてもよかったんだなぁ、これが。
♪夕やけの空を 君は見てるか 小さな瞼になみだをためて♪
九ちゃんの歌声、切ない~。
なんといっても心惹かれたのが物語の主人公の人形たち
私が恋したのは八犬士の最初に登場する犬塚信乃でした だって!かっこいい、そして美しいんだもの。
八犬士はみな強かったり賢かったりユーモラスだったりと個性的でお顔もお姿も様々。
いや!この作品、主人公たちのみならず、脇役、敵役、超悪役、最強悪霊などすべての登場人物・・いや登場人形がどれもこれもみなすごい個性的で魅力的でありました。
小悪党なんかはちょいと愛嬌もあって人間味たっぷりだけど、超強力なラスボス玉梓怨霊などになると、もう~とんでもなくゴージャスで迫力があって、おどろおどろしく、しかし妖艶でもあって。
ちりめん細工の繊細なお人形、艶やかで本格的な着物の衣装、悪者は極端に妖怪みたいな顔の場合もあったりして(目が4つとか)ともかくそれぞれのキャラクターがとてもエッジが効いてました。
後に知ったことだけど、ジュサブロー氏は当時おひとりで400体近い数の人形を作ったとか!すごい・・!
これも後から「ああ!あのすごかった人形劇をもう一度見たい!」と強く思ったけれど、再放送などまったくなく。
理由は、1973年のころはビデオテープがとっても高価だったのでNHKでも当時の映像を残さず上書きして使っていたっていう・・あれです。
(1973年ジュリー主演の「同棲時代」のテープが見つかったときは「大発見!!」と大騒ぎになったけど、ほんと奇跡的なことだったのですよねー。)
「家庭用ビデオで録画を残している人がどこかにいませんか!?」と募っているファンブログがあったけれど、そのころのビデオデッキって言ったらすんごい高価な機材ですものねぇ‥見つけることはできなかったようです。
でも、一部残っていた映像がディスクかされ販売されています。
なんと1975年に作成された「映画版 新八犬伝」なるものをディスク化したものだったんです。
テレビ放映終了1年後?夏休みこども映画のために撮り下ろしありの作品だったそう。
15年ほど前に販売に気づき、購入しました。テレビ版で言うと3~4話分をまとめたぐらいなのでほんと短いのですけど、あのかっこいいオープニング曲や八犬士揃い踏み映像もあって
そしてエンディングの名曲「夕やけのうた」までしっかり収録されていて・・見たら、もう~~一気に涙溢れました。
ディスクにはジュサブロー氏と大槻ケンヂ氏の対談も収録されていて、そこで大槻氏が「あらたにもういちど撮りませんか?」と聞いたとき、
「やるなら今が最後!体力的にもね。今ならまだできるかな。」なんてお話されていたのだけど・・これは残念ながら実現はしなかったんだなぁ。
「新八犬伝」のあとの「真田十勇士」も人形も担当され、その後数々の賞を受賞。蜷川さんの舞台「王女メディア」のアートディレクターも務めすっかりメジャーに。
そして1981年にはあの「魔界転生」の衣装担当されたのですよね。
ジュリー演じる美しい四郎さまの妖艶な魅力を最大限に引き立てた雅でいてゴージャスなお衣装はまさにジュサブローワールド真骨頂
ほとんど「新八犬伝」の思い出話になってしまいましたが・・すばらしき作品で私の幼い日のあの楽しいひと時をくださったジュサブロー氏に深く感謝
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
そしてもうおひとかた、マンガ家・松本零士さん。
「宇宙戦艦ヤマト」は、再放送で見たんだよな?というぐらいの記憶なのですが、その後作成された「さらば宇宙戦艦ヤマト」は劇場に観に行き、大号泣しました。
ラストシーンの宇宙空間、響き渡るジュリーの「ヤマトより愛をこめて」・・なんとも悲しくて。
(このことは2017年に新キャラで上映された「ヤマト」を観に行った際に、1978年の鑑賞を振り返っております。)
が!ヤマトはその後「新たなる旅立ち」が作られて、亡くなったキャラ達が生き返って・・えーっ!?ちょっと感動を削がれたような💦
それゆえか、というわけではありませんが、私が一番好きな松本零士アニメ作品はヤマトではなく「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」です。
作品メジャー度では「ヤマト」や「銀河鉄道999」のほうが上かもしれませんが、私はハーロックが好き。
ハーロックは「宇宙海賊」の名の通りアウトローなヒーロー。
無法者と呼ばれ、地球の腐った体制側に異端として追われつつ、広い宇宙の荒波を旅し、しかし地球という星を愛してやまず、地球侵略を目論む異星人軍と戦う!というね。
それまでありがちだった熱血正義少年が主人公というのが定番を翻し、クールで寡黙で影のある大人の男が主人公っていうのも新鮮でした。
井上真樹夫さんのクールだけれど哀愁と甘い艶があるお声もなんとも魅力的。
主題歌もサントラもめっちゃかっこよくて素晴らしかったー。
サントラはLPで買いましたが、組曲となっていて、雄大でドラマチックな本格的豪華オーケストラ演奏は音楽だけでも聴きごたえ十分でした。贅沢な作りでしたねぇ。
歌も、オープニング主題歌、エンディング、そして挿入歌に至るまで素晴らしかった。歌唱はすべて水木一郎さん・・この方も昨年末お亡くなりに。さびしい。・・大好きな歌声でした。
とくに印象深いのは挿入歌「銀河子守唄」。
作品内でハーロックの親友の忘れ形見・まゆがオカリナで演奏する美しい曲があるのですが、そのメロディーが「銀河子守唄」の間奏に流れるのです。
これがすごく気に入って、たしか中三の音楽「自由演奏」の授業用にリコーダー三重奏に編曲し、友人たちと演奏したこともあったりして思い出深いです。
松本作品の持ち味は、SFであってもどこか哀しく残酷、不条理であったり、人間味の濃いお話であるところ。
その持ち味が濃かったのは999の一話完結ストーリーでしたかねぇ。
決して「爽快!」とはいえないのだけれど、そこが辛くもあり魅力でもあったと思います。
とはいえ、映画版「銀河鉄道999」ににハーロックがちらっと(でもめちゃくちゃかっこよく)登場したのは、ミーハーに喜んでましたし、
その後だいぶ遅れて「わが青春のアルカディア」という若き日のハーロックが主人公の作品も映画化されたときも、ただただ「かっこい~」と喜んでましたけどね。
おもにアニメで楽しんだ松本作品ですが、コミックもそれなりに買っていました。ちょっと異色なところでは「とらじまのミーめ」という作品があったなぁ。
松本作品に共通して登場する「宇宙船に乗ってる猫」ミーくん。かわいいの。
そのモデルとなった実際に松本先生が飼われていたトラジマ柄の猫のお話。これも切なくほっこりな作品だったなぁ。
残念ながら松本作品のコミックはどれもすでに手放してしまい手元にないのですが。
検索したら出てきました。これこれ!
(どうやら2021年まで4代目ミーくがいたらしい)
あの頃の私をときめかせ、夢中にさせてくれた素敵な作品たち。その世界観はその後の私を形成する源にもなったと思います。
それを生み出してくださった松本零士さん、感謝でいっぱいです
どうぞ広大な宇宙の星となり、いつまでも輝き続けてください。