「音色の魔術師」ことWiz.さんが新作を発表されましたのでご紹介です。『Swingin' by HUDSON』。読み方は「スウィンギン・バイ・ハドソン」じゃなくてバ~~イ・ハドソンですね。動画がアップされてるのでまずはお聞きくださいませ。「スターソルジャー」「忍者ハットリくん」「迷宮組曲」「チャレンジャー」といった私の曲たちがスウィング調にアレンジされてメドレーになっています。
演奏時間4:54の中に10曲以上が詰まっていて中身が濃いですね。Wiz.さんの作品は一音一音がとても丁寧に打ち込まれていて、お互いの音が連携しあって一つの効果を出すような場面が多く感じます。今回の作品は4和音+2ノイズ?(違ってたらごめんなさい)ファミコンの3和音+1ノイズよりは多いですよね。音数が多くなると自由度が増して楽になる部分がある一方、パートごとのバランスを管理する手間が級数的に増えます。私もPCエンジンの時は4和音+2ノイズだったのでファミコンの時よりオーケストレーションを考える作業が増えたことを思い出しました。
今回のWiz.さんの作品は①原曲をコピーする⇒②リズムをスウィング調にアレンジする⇒③音数が増える分も合わせてオーケストレーションを考える⇒④パートごとのバランスや干渉等を調整する…といった作業が非常に手間も時間もかかったであろうことが想像され、「よくぞここまでおやりになった」と猛烈に感動するワケです。その他にも何気なくオープニングで「バ~イ・ハドソン」ってしゃべらせたり。私にはどういう装置を使ってどうやって入力しているのか皆目見当もつきませんが。技術に裏打ちされたユーモアって大好きです。
そんな力作「Swingin' by HUDSON」はサークル「FMPSG」の新作『FMPSG011 -kaleidoscope-』に収録されてるそうです。打ち込み音楽好きな方、ぜひどうぞー。
ゴージャズな感じがしますね。
ドラムとかの音が目立つ分、
リズムが強調されているようにも聞こえますし。
完成度の高さに、聴く度に感心するわけです。
そして己の才の無さを嘆いて、今夜もヤケ酒をあおるのでした(ウソです。笑)。
発音数は、実はもうちょっと多いです。 メインは、矩形波2音+三角波1音+ノイズ1音+DPCM1音(ここまでがファミコン内蔵音源)で、更にVRC6というコナミのゲームカートリッジに搭載されていたチップの音源部分(矩形波2音+鋸波1音)の計8音構成です。(ちなみに、冒頭のアイキャッチだけは、内蔵音源のうち矩形波2音+三角波1音と、ディスクシステムに搭載された波形メモリ音源1音で鳴らしてます。 喋ってるのはディスクシステムの音源です)
リズム隊を強調するのは私の癖かもしれませんね。 今回もアレンジするにあたって無駄に色んなパターンを試したりしてますし。(でも、好みによっては「大きすぎる」って怒られる場合もありまして…以前「HUDSON Premium~」で作った「迷宮組曲」の時は、プロデューサの方に「もうちょいリズム隊の音量を落としたい」という話をされたんですが、既に完成しちゃったのをいじるのは結構大変なので、結局はパート別にwavファイルで納品後、マスタリングの時にリズム隊の音量だけ落としてミックスダウンしたそうです。
あと、SCC音源で喋るのは、恐らく波形メモリをいくつも並べて(高速で切り替えて)、擬似PCMのような事をしてたんじゃないかなー、と思います。(当時、ベーマガにも「SCCでPCMを鳴らす」ソフトが掲載されてましたし) ちなみに、SCCを本気でPCM化できる「SCMD」という音源ドライバもあるようです。⇒http://cpu.dip.jp/3mhz/index.html
うちのサークル(FMPSG)でSCMDを使った楽曲を作られる方がいらっしゃるんですが、本気で物凄い音が鳴るので、MSXの音源スペックに詳しい方なら度肝を抜かれること請け合いですよ。
⇒http://www.nicovideo.jp/mylist/6731177
ゴージャスな感じ。ホントですね。隠し味がいっぱい入ってるので時間をかけて味わいたいですね。
⇒Wiz.さん
いろいろ教えていただきましてありがとうございます。このブログ、マジで勉強になるなー。迷宮組曲の時のパート別wavファイル納品のお話とか、知らなかったのでとても興味深く読ませていただきました。コメントの後半からは私の知識では追いつかなくてフシギな呪文のようにしか読み取れず、情けないところですが(ボッカ~ン)