木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

国立障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳学科卒業研究発表会(その2)

2011年02月28日 21時14分47秒 | sign language
発表を聞いて、会場でメモした内容をまとめて記載しておきます。
1.他動詞と自動詞の選択
 他動詞と自動詞を意識して手話を考えるのは学習者にとってイメージをどう作るのかの視点を整理できて良いなと感じました。
2.日本手話における発見構文-中国語との比較から-
 構文という考え方を手話の学習者に理解してもらうのは、なかなか難しいものがあるなと感じました。すでに手話を理解できている人は「日本手話としての構文」ということをすんなり理解できると思いますが、先に日本文から見てしまうとどうしても「(音声)日本語文法としてはどうなのよ?その訳ちょっとヘンじゃない?」みたいな余計なことを考えてしまいがちです。
3.発見構文の構成要素
 発見構文で「~したら~だった」というのを日本語に対応させて指導するとしたら、どういう説明が分かりやすいのだろうか?むしろ発見のNMSだけを学習した方が聴者には分かりやすいだろうか?
4.日本手話における形容詞の感動詞的用法
 過去文を日本手話では「過去に遡って追体験しているように語る」ことを踏まえて「失敗」という表現の位置を分析。ここでは照合、推論、結論と分けて位置とその意味の違いがあることを発表され、面白かった。アトムさんが音声語にはないのでは?と指摘されていた、なるほど。
5.ろう児の言語獲得-発見構文について
 「~すると~だった」という例文に、ろう児の場合は特定のNMSに欠落が見られたとのこと。それは何が分かってないから欠落するのだろうか? 聴者の手話学習者ならさしずめ「~する時~だった」って表現するのだが、違いがあるのだろうか?
6.「A違うB構文」の存在意義に関する研究
 選択的か交代的であるか?あるいは行為的か状態的かで異なる意味を表すとの整理は分かり易かったです。
7.実体CLによる物体の向きの表現
 タイトルどおり「実体CL」(この概念自体私はよく理解できていないが)を表現する時に「手のひらの裏表などの手の向き」はどのような意味を持つのかあるいは持たないのかについての発表。
8.日本手話における視点-『雪国』を通した他言語との比較-
 川端康成の「雪国」の冒頭の文章を音声日本語、英語、日本手話で比較し「日本手話における視点」について考察した発表。
9.日本手話における視点-空間表現での視座の移動について-
 空間表現「どこどこに何がある」について日本手話と音声言語を比較。

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