観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「松本清張 点と線」。頭フル回転で目を離すと話しに乗れない

2009年11月12日 | 映画・ドラマ
 松本清張の代表作の1つなのだから、ストーリが面白いのは決まっている。しかし、これは、難解。ドラマで、役者が考えて説明してくれていても、ちょっと気をそらすと、話しについて行けなくなっていた。
 福岡で起きた心中を、「殺人事件」とにらんだ鳥飼重太郎(ビートたけし)が、警視庁捜査二課警部補の三原紀一(高橋克典)と組んで、犯人のトリックを暴いて行くのだけれど、本当に緻密に書かれた本で、松本清張の天才振りを改めて実感した。
 なので、ストーリについては文句のつけようが無い。
 役者も渋いところを揃えて、番組制作スタッフの気概が計れようというもの。
 主演のビートたけし。表情が無いだけに、何か怖いんだよね。悪役っぽくて。高揚もあんまりないし。個人的には、鳥飼重太郎は橋爪功で観たかった。高橋克典は、「えっ」と驚いた。「サラリーマン金太郎」時代のプクプク君では無いことは知っていたが、「こんなに絞り込んだんだ」って感じ。(2007年11月のオンエアだから2年前だが)ほとんどデビューの頃の「リング」では、今で言うところの「チョーイケメン」だったが、それを彷彿とさせ、若々しくなっていた。金ちゃんの時に、「兄貴」的魅力もいいが、シャープな魅力も倍増。
 とにかく、出演人が凄い。小林稔侍、平泉成、宇津井健、橋爪功、江守徹、竹中直人、柳葉敏郎、小野武彦と主役級のおっさんたちに、名高達男、本田博太郎、大鶴義丹、斉藤洋介、佐戸井けん太、天宮良などなど。ナレータは石坂浩二。このナレーションがまた、ドラマに重みを出していた。
 女優陣も、池内淳子、樹木希林、夏川結衣、市原悦子、坂口良子、かたせ梨乃と凄い顔ぶれに加えて、若手の内山理名と原沙知絵。内山理名の晩年を池内淳子が演じているのだが、この2人、なぜか自然に同一人物として繋がったのだ。キップのいい話し方とか口調か?
 反して、高橋克典と宇津井健。これは「ちょっと違うよ」感が否めず、また、最後の最後の見せ場(盛り上げ場?)として、宇津井健が号泣するのだが、「えっ?」。(観れば分かります)「この流れでこのシーン?」と最後にビックリ。このキャラのこの人が人前で、こんな大声で、しかも号泣って…。
 気になったのが、坂口良子、かたせ梨乃。同年代の2人が全く違った役柄で、巧さを見せた。