観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「ザ・マジックアワー」とにかく観てよ!

2008年12月24日 | 映画・ドラマ
 文句無し! 三谷幸喜って映画大好きだってよく分かった。「THE 有頂天ホテル」を越えた。
 佐藤浩市、妻夫木聡がいい! 前宣伝を越えた面白さ。もう絶賛しかない。演技と実際が上手く噛み合う巧妙な本。三谷幸喜は天才だと思ったね。
 小日向文世、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、戸田恵子、寺島進、伊吹吾郎、香川照之、小野武彦が脇。
 市川崑、山本耕史、中井貴一、鈴木京香、谷原章介、寺脇康文、天海祐希、唐沢寿明、香取慎吾なんか目をそらすと登場場面見逃しちゃうからね。
 だよ。あらすじなんか語らないから、とにかく観てよ!


「セレブと貧乏太郎」まあ、コメディだから…

2008年12月24日 | 映画・ドラマ
 世界のホテル王の父親と女優の母親を持ち、何不自由ない環境で育った令嬢・美田園アリス( 上戸彩)と、5年前に妻と死別し、3人の子供を養いながら極貧生活を送るも、前向きに生きる青年・佐藤太郎( 上地雄輔)のラブコメディ。
 上戸彩の可愛さとファッションがドラマを盛り上げる。
 一言で言えば、毎回どたばたして、笑いと人情とか織り交ぜて、最終回でハッピーエンド。とたわいないが、週頭の緊張感を紛らわす意味で楽しめた。
 一文無しになって布団もなくアパート暮らししながらも、服やアクセは山のようだし、生活費稼ぐために、キャバレーで歌っちゃったり。最終回の大仕掛けのお金はどこから出てるかとか、何で一文無しでロンドンで暮らすのか? とか、疑問はいっぱいあるが、細かいことは気にしない気にしない。
 太郎の幼なじみの幸子に国仲涼子。アリスの元恋人で、ドラマのキーマンの後藤田司に柏原崇。ほか、田村裕、 山下真司 、風間杜夫 、若村麻由美らが共演。
 金持ち嫌らしさを柏原崇が巧みに演じていた。彼、こういう役上手いよね。口調もとかも。
 ほとんど「ヘキサゴン」のままだった上地雄輔は、今回は面白かったが、こういう役はここまで! 大河ドラマも決まったようだし、脱却を願う。


「終りに見た街」さすが、山田太一。の一作

2008年12月24日 | 映画・ドラマ
 2005年。東京郊外に住む清水家。9月のある朝目覚めると、そこは昭和19年の9月。太平洋戦争の真っただ中の日本だった。
 とまどいと不安の中、昭和19年の生活を強いられる家族とその友人親子。清水要治(中井貴一)、妻・紀子(木村多江)、長女・信子(成海璃子)、長男・稔(成田翔吾)。清水の友人・宮島敏夫(柳沢慎吾)、長男・新也(窪塚俊介)。
 平成からタイムスリップして戦争真っただ中に飛び込んだ、苦悩や嫌建ちが各自よく表現されていた。そして、歴史を知った上での、「英語のTシャツは着るな」とかいった配慮が随所にあり、知恵を絞って生き抜く家族。原作・脚本の山田太一の巧さを改めて感じた。
 ラストの東京大空襲では、空襲がある筈の無い地域に空襲が…そして観た物は、見渡す限りの瓦礫と焦げた無数の死体の山。さらに60年前にはあるはずが無い物を見る。
 それは廃墟となったビルや東京タワー、そこは2XXX年の原爆の爆心地となった東京だった。要治が「終わりに見た街」は…。
 中井貴一、柳沢慎吾が好演、将校役の柳葉敏郎が好演。小林桂樹、津川雅彦、柄本明らが共演。


「遙かなる約束~50年の時を越えた運命の愛」政府は手をこまねいていていいのか

2008年12月24日 | 映画・ドラマ
 実話ってのが、何とも言いがたい、悲しい。こんなことが実際にあっていいのか? と平和な時代の人間はそう思うが、こんな理不尽な人背を余儀なくされた人が居たことは事実。
 イタリア映画の「ひまわり」、今話題の加勢大周も朝鮮人役で、「海峡」は中国人と日本人。同じようなテーマで作品が作られてるってことは、実際にもかなり多くのこんな話しがあってというこtだろう。
 しかし、ソ連(ロシア)ってなんて国だ。戦争だって、勝ち馬に乗って、勝ちが決まってから参戦。アメリカには恥が無い、中国には秩序が無い、ロシアには何も無いってことか? いくら国土が広くても、そのほとんどが人間が住めるような環境じゃないもんな。だから、あんな人たちなんだ。そりゃあ、個人個人にはいい人も居るだろうが、集団になると…。
 第一、終戦後、敵国人を強制労働に使うって、違法じゃないのか? 
 とにかく、実話ってだけに切なすぎて、コメントのしようがないし、主人公の蜂谷彌三郎さん(阿部寛)がどんなに悔しい思いをして半世紀を過ごしたのか、察するに余ある。
 政府にはこういうことをキチンとしてほしい。
 そそて蜂谷彌三郎さんに助けてもらいながら、彼をはめた安岡(佐々木蔵之介)って一体なんなんだろう。自分は死刑決定なんだから、ほかの人を巻き込むどころか、仮に蜂谷彌三郎さんに罪があったとしても被って死んで行くのが、武士道なんじゃないの?
 第一、戦時中の大和魂は、武士道から大きく外れてる。いつの間に、日本人は武士道を忘れてしまったのだろう。
 武士道は、潔く戦ったなら、捕虜となることも恥とはしていなかったのだ。
 話しは、朝鮮在住の日本人夫妻、蜂谷彌三郎さんとその妻の久子さん(黒木瞳)が、安岡という日本人を助けたことから、彌三郎さんにスパイ容疑がきせられ、全くの民間人だったにも関わらず、安岡が彼をスパイと証言し、懲役10年、ソ連に送られる。極寒の地での重労働に耐えたものの、気候は許されず、ソ連人として、現地で妻をめとって生きて来た彌三郎さん。
 だが、50年後、思わぬ帰国…。現地の妻と日本の妻の間に揺れるも、帰国し、日本で余生を過ごしている。苦渋の決断だっただろうことが伺える。30年以上も暮らした妻と、50年会っていない妻、どちらを取るか。思うに、ソ連には子供が居なかったことが、帰国を決めた要因か?
 阿部寛の演技は完璧。デビューの頃は、モデル上がりで大根だったが、今や演技派の素晴らしい俳優だと思う。
 そして、帰国を信じて子供を育てながら待ち続けた久子さんの人生も、ソ連が責任を取るべきだ。
 最期に、この話しが、ほんの数年前ということ。誰もが戦争なんか忘れて生きているそんな中で、まだ戦っていた人が居たことを忘れてはならない。