かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

僕の心細道(5:ニュージーランド編-第四章)

2008-04-02 11:17:44 | 旅行

  ≪テカポ湖とサザン・アルプス≫
なんだ、かんだとあっても、窓外の景色を楽しみながら、バスは順調に進み、途中テカポ湖などを経由して出発から約6時間後、マウント・クック村に到着しました。到着してから、すぐにユースホステルへ行き、2日間の宿泊の申し込みをしました。 
私はこの旅行まで、日本でもユースホステルに宿泊したことは1度しかなかったのですが、ニュージーランドではユースホステルが多いとの情報を得ていたので、旅行の準備段階で、生まれて初めて会員登録をしておいたのです。

  ≪ユースホステルと山々≫

そうして、このユースホステルで、NZに来て初めて日本の若者に出会ったのでした。というか、それまでにも日本人観光客を見かけたことはあったのでしょうが、面と向かって会話をしたのは、ここが最初だと思うのです。
そのうちの一人の若者男性が、近くにハーミテージという高級ホテルがあり、そこのロビーではピアノ演奏があり、ラウンジでビールが飲めるので、「行きませんか」と誘ってくれた。この旅慣れた感じの若者の有り難い誘いに即答し、夕食を食べた後、そそくさとついていきました。 
ハーミテージの1階ロビーからは、谷のずっと奥の方に月に照らされたMt.クックが、かすかに望めたように思うのです。そして、ピアノ生演奏。「うーん、ユースホステルとは格段に違うロケーションと高級感だなあ」と痛感し、ちょっぴり贅沢だけれど貧乏たれが混じった気分でビールを飲んでおりました。そうしていると、2階から、らせん階段を下りてくる日本人カップルが眼に入ったのです。その雰囲気がとても良くみえ、羨ましくて、いまだ相手もいないのに「新婚旅行はこのホテル決めた」と固く心に誓いました。 
この誓いは実現しませんでしたが、1998年末に再度ここを訪れた時、ハーミテージは改築されていて、この時指をくわえて見ていたらせん階段はなくなっておりました。
残念! 

ニュージーランドでは、ユースホステルでの食事は、基本は自炊です(他の外国のYHもそうかも知れませんが)。ですから、自分でマーケットから食材を買ってきて、調理しなければなりません。そのため、共同キッチンがあり、冷蔵庫や電気調理器が完備されていました。私はそれまで、「インスタント・ラーメン」とか、「里芋たっぷり豚汁」くらいしか作った経験がなく、ほとんど自炊をしたことがなかったのでした。ということで、ここで自分が買ったものは、お湯で温めればいいとか、鍋に移して温めればいいようなレトルト食品ばかりです。 
そんなわびしい食事の準備をしていた時、日本の若い女性が私のもとへやって来て、「すみません。お米を炊いたところ、うまく炊けなかったのですが、もしよろしかったら、残りを食べていただけませんか?」と、見るからに申し訳なさそうに、彼女が食べ切れなった分のご飯を持ってきたのです。 
まだ、日本を離れて1週間も経っていないというのに、米ご飯が食べられるという嬉しさに惹かれました。そして、食べてみると、確かに彼女が言うように芯がありました(我が地域で言う“かんちめし”)。それでも、温かい米ご飯が食べられ、ありがたかったです。
お名前もお伺いしませんでしたが、その節はありがとうございました。 

   ≪つづく≫