- 千沼ケ原 -
久しぶりに北東北に出かけ、秋田駒ケ岳・乳頭山を歩きました。駒ケ岳・乳頭山を最初に縦走したのは1981年の7月初めです(その時の記事はここから)。
その後もこの山域は何回か出かけていますが、今回はブログを通じて知り合いましたぼんいぢさんとぼんいぢ会長さんのお二人と一緒に歩きました。
ぼんいぢさんは「謎の柄杓(の)ハンター」です。詳しくはぼんいぢさんのブログを見ていただいたほうがいいかと思います。ぼんいぢさんのブログはブックマークにも登録してある ”山歩き、大好き” です。(ぼんいぢさんの駒ケ岳・乳頭山の記事はこちらから)
それにしても駒ケ岳周辺の人の多さと整備状況には驚きました。最初に歩いた時は天候のせいもあって阿弥陀池の避難小屋で一組のグループに会っただけでした。今の駒ケ岳は”観光地”といっていいかもしれません。
私は前日水沢温泉近くの宿に泊まりました。当日は朝早くぼんいぢさんが車で迎えに来てくれる約束になっていました。私がそろそろ時間だと宿の玄関を出るとちょうどそこへぼんいぢさんの車が玄関先に入ってきました。実際に顔を会わせるのは今回が初めてですが、この絶妙のタイミングもあって直ぐに互いを認識できました。
今の時期は八合目まで一般車は上がれませんので、アルパこまくさでバスに乗り換えます。
八合目は残念にも霧の中でした。花を写真に収めながら登って行きます。
やがてミヤマダイコンソウの群落が広がりだし始めました。霧の為細かい水滴が葉・茎についていて、まるで白い毛が生えているように見えたので、私はミヤマダイコンソウではないと言っていたのですが、それは間違いでした。
コバイケイソウも咲いています。
阿弥陀池まで来ましたが、依然霧の中です。
霧の阿弥陀池付近の木道を行くぼんいぢ会長さん。
阿弥陀池周辺にはチングルマが一部咲き残っていました。
普通なら女目岳・男岳に寄っていくのですが、今回は予定に入れていませんでした。私も何回か登っていますし、ぼんいぢさん達も何回か登っていて、しばらく前にも駒ケ岳に登ったばかりでした。仮に予定していても今日の霧の中では上がらなかったと思います。
避難小屋の脇を通って横岳に向かいます。横岳で少し休み、湯森山に向かいます。
焼森まで来ると風の通り道になっているらしく強い風が吹き付けます。ここでゆっくりタカネスミレを見ようと思っていたのですが、とてもそんな状況ではありませんでした。
焼森を過ぎれば灌木の中を行くようになるので風の影響もなくなりますが、霧の中展望も開けず、足下の花たちだけが楽しみです。
しかし、かつて一生懸命勉強したのにかなり花の名前を忘れてきているようです。色々な花を見ながら、もう一度勉強し直さないといけないなと感じました。
湯森山では山頂で休まず、少し先にある大岩の影で休息にしました。ちょうどこの辺りから霧も晴れ始め、特に岩手県側の眺めが開け始めました。
休息した大岩のある場所。青空が広がるのが岩手県側。(岩の上に見えているのは撮影中のぼんいぢさんの頭)
休息した大岩から熊見平に向かいます。ここからは次第に青空も広がりだし、爽快な気分の楽しい山歩きが始まります。
熊見平の湿原。
コバイケイソウ咲く熊見平から休息した大岩方面を振り返る。
熊見平からの志和三山。奥に見えるのが志和三山(赤林山・南昌山・東根山)でその手前に御所湖が見えていますが、これらの名前はぼんいぢさんに教えてもらいました。
やがて笊森山への登りが始まります。
広がりつつある青空に向かって登るぼんいぢさんと会長さん。
振り返ると広々とした伸びやかな尾根が湯森山まで続いています。奥の駒ケ岳は依然雲の中です。
素晴らしいのは展望だけではありません。足下には綺麗な花達が咲いています。この写真の花はヨツバシオガマ。
何回か手前の峰に騙されながら笊森山頂に着きました。
この笊森山頂からの展望は素晴らしいです。
笊森山頂からの展望。(クリックで拡大)
山名付きはここから。
笊森山頂で一休みした後、千沼ケ原に向かって下ります。この下り道も楽しいです。道の脇には花達が咲き、眼下に千沼ケ原の池塘が幾つも光り、正面には岩手山が望めます。
コバイケイソウ咲く千沼ケ原への道から岩手山。
千沼ケ原への道からの展望。(クリックで拡大)
山名付きはここから。
近づくことはできませんでしたが、新緑の中にミネザクラが咲いていました。
ミズバショウなど珍しくもないですが、小さくてあまりにも可愛らしかったので思わず撮ってしまいました。
そして、千沼ケ原へ下り立つ手前に水場があり、「柄杓ハンター」のぼんいぢさんにとっては別の意味で本日のメインでもある柄杓の検証です。
柄杓検証中の会長さんとぼんいぢさん。
柄杓を確認でき二人とも満足のようです。私はぼんいぢさんに対しても正直に言っているのですが、柄杓にはあまり興味はありません。山の楽しみ方は人それぞれですから・・・。
柄杓のある水場から少しで千沼ケ原です。
千沼ケ原。
千沼ケ原。
千沼ケ原。
千沼ケ原。
千沼ケ原。
予定通り千沼ケ原のこの静かな池の前で昼食にしました。
会長さんから暖かいコーヒーなどをいただきました。一人で風に吹かれながら静かに昼食をするのもいいですが、楽しくおしゃべりしながらの昼食も別の意味でいいものです。
昼食を終え、再び千沼ケ原を通って、乳頭山に向かいます。
千沼ケ原。
千沼ケ原。
千沼ケ原。
笊森山の北東斜面を幾つかの沢を横切りながらトラバースしていきます。一部の沢には雪が残っています。
この道にも花が咲いています。
正面の乳頭山を目指します。(クリックで拡大)
訪れたくなるような湿原も見られます。
花を愛でながら乳頭山頂を目指します。
乳頭山頂直下からの眺め。
乳頭山頂には意外にも誰もいませんでした。ここで最後の休息をして乳頭温泉に向かって下ります。
乳頭温泉への途中にある露天風呂。手を入れると”いい感じ”です。いつも通り過ぎるだけでまだ入ったことがありません。
乳頭温泉に到着し、バスでアルパこまくさに戻りました。
今回は微妙な天気予報のためになかなか最終決定を出せずにぼんいぢさん達に迷惑をかけてしまいましたが、幸い予報が好転したのを信じ、出かける前日の夕方に決断しました。望み通りの好天とはなりませんでしたが、一番いい場所を陽射しを受けながら歩くことができてよかったと思います。これをきっかけに、最近出かけることが少なくなっていた東北の山へ通うことになるかもしれません。
途中で見た花たち
アカモノ、ヒメシャクナゲ、コケモモ、イソツツジ、ハクサンシャクナゲ、ウラジロヨウラク、ミネザクラ(タカネザクラ)、ナナカマド、ベニバナイチゴ、ミヤマハンショウヅル
ツマトリソウ、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、サンカヨウ、オノエラン、シラネアオイ、オオバノヨツバムグラ、ハナニガナ
チングルマ、ミツガシワ、イワイチョウ、ムシトリスミレ、ワタスゲ、イワカガミ、ミツバオウレン、ミズバショウ、ヒナザクラ
ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、ヒナウスユキソウ(ミネウスユキソウ)
コバイケイソウ、ヨツバシオガマ、ハクサンチドリ、ウサギギク、ニッコウキスゲ、カラマツソウ、ミヤマカラマツ、イワベンケイ
ミヤマキスミレ、キバナノコマノツメ、タカネスミレ、・・・
ヒナザクラ。
ミヤマキスミレ。
ハクサンチドリ。
ヨツバシオガマ。
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ミヤマダイコンソウ。 / イソツツジ。
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ヒナウスユキソウ。 / ツマトリソウ。
駒ケ岳周辺をのんびり回ればもっと多くの花に会えたかもしれませんが、今回の目的は千沼ケ原・乳頭山への縦走でした。