知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

象牙によく似た練り物。やや象牙よりは柔らかい。
タップは紙やすりでは平面は絶
対に出ない。
先角のワイパーこすりと同じく、
カッターの刃を立ててスライド
させる事で平面を出す。
真っ平らになる。
紙やすりを使うと円周部が減る
ので平面が出ないのだ。
紙やすりを使うならば、シリン
ダーヘッドの面出し職人技と同
じく8の字を描くべきだが、それ
をきちんとしているネット解説
は見た事が無い。
また、先角削りもカッターの刃
を立てて回転させるだけの誤っ
た方法がネット上では蔓延して
いる。
それでは絶対に平面は出ない。
回転削りは真ん中部分と外側で
削り量が異なるので、必ず中央
が山になる。物理的に。
カッターの刃を立てての平面出し
も、タップ面出しと同じくスライ
ドさせて平面を出すのが正解。
まんべんなく削りこする。
また、水平の平面が出たかどうか
も、カッターの平地を当てて見る
誤った方法がネットでは多く出て
いる。
全て間違い。
平面確認は、カッターの背を立て
て当てて目視で確認する。

タップ表側。 コーティング剥がしと成形は
平ヤスリで行なう。

タップ交換完了。

タップには旬がある。
積層のほうが一枚革よりはもつ。
一枚革は最良だが、意外と良い
期間が短い。
ことし1年で交換したタップは40
個程。無論1本でなはなく、いろ
いろなシャフトのタップ。
タップの旬が過ぎると、反発力が
激減するので、引き玉が利かなく
なる。
また、ひねりにおいては純入れで
的玉の引きずられで軌道がずれや
すくなる。厚く外れ始める。
タップの旬過ぎは音では判断でき
ない。状態の判断は全て玉の動き
から判別する。

日本時間2022年最後の夕陽である。グリニッジ標準時ではピタリ-9時
間後。
皆さまも良い年をお迎えください。

昨日はパスタが長待ちなので他の店で定食を。
ホッケだ。
夏が旬だが、秋あとのホッケも
イケる。
ホッケはアイヌ語のポッケから。

泳ぐ姿が美しい花という意味だ。

アイヌこそが本当の日本人である。稲を持ってこの土地に侵略して来
た外来生物ではない。元から列島
に住んでいた原日本人だ。後から
やって来てあらゆる既存民族を征
服していった種族ではない。
だが、つい先頃法律改正されるま
で、アイヌは「旧土人」と法律で
規定されていた。
そして、大和民族なるありもしない
虚構の単一民族の国家が日本で
あるかのような洗脳が実行されて
来た。
日本はアイヌはじめ他の民族も
いる多民族国家である。
マイノリティを迫害する国は平和
で心豊かな国ではない。
ど素人に異様に多いのがこれ。
ダサいからというより、こんな変
な指にしたら玉撞きにはならない
から駄目というのが真相。
世の中しどいのは、単なるリアル
世界のど素人ならば、やり方も
知らないのもわかる。ビリヤード
に興味さえないから、本物を観察
しようとさえしないからだ。
だが、漫画やイラストなどでは
こうした妙チクリンな事を描い
ているトンデモ系が非常に多い。
実に多い。
絵師として失格。
まさに、「ちょろいもんだぜ」
そのものになってしまう。
写生の基本さえ知らないからだ。
要するに、どうでもいいのだ。
本当の姿を捉える事などは。
「ちょろいもんだぜ」が世間で
も批判されたのは、絵そのもの
よりも、そうした出鱈目で押し
通す作画者の姿勢が問われたの
だった。
ビリヤード系のちょろいもんだぜ
他にも溢れている。
出鱈目ばかりが。
ビリヤードにおけるろくでもない
ど素人絵描き屋にやたらに多いの
がこれ。
これがかっこいいのかと思ってる
ようだ。これこそくそダサの極み。
これは、カラーボールを集団で突
っつき回す連中もリアルでよくや
る。しかも、レストも何もかも
出鱈目。
お前、絶対に両足が床から離れ
てるファールだろ、てやつ。
描いた人間がルールもビリヤード
も知らない、観察しない、興味な
い、プロではないど素人の出鱈目
発想だからこんな事になる。
ビリヤードのちょろいもんだぜ
3連発。
これはひどい。
これが伝説の本家の「ちょろい
もんだぜ」。
新條まゆというプロが描いた「超
一流のスナイパー」なのだそうだ。

山田浩二(1887-1941)。東京生まれ。22才でヨーロッパに
撞球留学の後、渡米。
1913年、世界選手権でウィリー・
ホッペを破り世界チャンピオン
になる。種目はボークライン。
前年にも選手権を制している。
ボークラインはキャロム種目で、
10フィート台で行なわれる。
三ツ球競技であるが、四角の特定
エリアでは得点が認められない。
レールナースのセリー玉と角使い
の千日玉を排除する為に設けられ
た1880年代後期からのルール。
これにより、観客は動きの少ない
マンネリ試合を見せられ続ける事
から解放された。キャロム選手は
平気で千点あたり1キューノーミス
で撞き切ってしまうからだ。

初期の1880年代のボークライン。
キャロムビリヤードで一番簡単な
種目が四ツ球で、次に三ツ球、
そしてボークライン、スリークッ
ションとなる。
撞球王国日本は、大正時代に既に
世界チャンピオンを輩出していた。
なお、世界選手権の種目はキャロ
ムが主流だ。
アメリカン・ポケットはバクチ玉
の遊びゲームと捉えられていたの
で、ヨーロッパや日本だけでなく、
アメリカ合衆国でも主流はキャロ
ムだった。
正確にはキャロムの事をビリヤー
ドと呼び、ポケットはポケット・
ビリヤードもしくはプールと呼ば
れていた。(プールは俗語)
日本でも全国的にビリヤードとは
四ツ球を中心としたキャロムの事
を指したが、1986年末の映画『ハ
スラー2』の爆発的ヒットにより、
アメリカン・ポケットの事がビリ
ヤードと呼ばれるようになった。
私はそのブーム以前に撞球を始め
たので、プールの事をビリヤード
と呼び慣らすのには、違和感が
ある。100年以上、ビリヤードと
はキャロムの事を指したからだ。
だが、今でもプールの正式呼称は
「ポケット・ビリヤード」である。
ビリヤード=アメリカン・プール
であると思い込むのは、それは
あまりにビリヤード自体の歴史に
疎いといえる。

私のオリジナル作のキューは5年前の2017年に完成した。
材を削ってブランクにしてから
足掛け30年だ。
原材は1987年に仕入れた。
かなり苦労もしたが、私の撞き棒
いじりとしては7作目。
(6作目のみは完全外注)
このキューは手持ちのTADやボブ・
ランデに匹敵する撞球能力を私に
もたらしてくれる。
ジョイントからエンドまで、一本
のメープルの突き通しである。
ちなみに、私のTADも分割連結
構造ではなく一本木のバット。
通常のキューはバットが3分割だ
が、私のTADとこのオリジナルは
スヌーカーキューのようにバット
が一本の木だ。
曲がりは計器で計測してもゼロ。
撞き味も性能もとても良い。
一つ欠点がある。
これに全精神力を使ったので、
これ以降、キューを作る気には
ならない。真っ白に燃え尽きた。
ここがプロと素人の違いだ。
あたしゃ白く燃え尽きた。
髪もジョーのようになっちまった(笑
ポケット・ビリヤードで配置が
出来てしまい、あとは取り切り
だけになった場合の事を「温泉」
と言う。
私が言い出したのではない。
東京目黒・五反田界隈で先輩たち
が言い始めたのだ。
昔からの俗語みたい。
「おんせぇ〜ん」と独特の節で
言う。
下から上に上がる音階で。
キャロムの規範に倣って、高い
抜ける声で言う。
場を作った者か、やられた者の
どちらかが言う。
「温泉でゆっくり休んでろ」と
いう意味だ。
東京目黒・五反田・品川にかつて
あった、一つの文化である。
ニッカやファイブや山手会館あた
りが発祥地ではなかろうか。山手
以外はもう店は無い。
スリーとポッケ2台店の頃の武蔵
小山の店ポケットでもそれだった。
ムサコのポッケももう店は無い。
このローカル文化は、東京人の
山手線7時〜8時エリアの撞球者
のみが知る文化だろう。
ピン倒しの時にも言われていた。