『ペイルライダー』(1985)監督主演:クリント・イー
ストウッド15歳のシドニー・ペニーが
滅茶苦茶かわいいの。まるで、本作品公開当時タ
イムリーな当時の後藤久美
子さんみたい。
ペイルライダーとは、聖書
にある神が遣わす四士のう
ちの第四の使者の事。蒼
ざめた馬に乗り人の死を
司る。
四名の騎馬使徒は人類を殺
す権利を持っている。
西部開拓時代のアメリカ。
山のクリークで金すくい
をする開拓者たちに町の
実業家が土地を奪おうと
暴虐の限りを尽くしてい
た。
その金鉱掘りたちと共に
住んでいたpreacher=宣
教者と呼ばれる男は、こ
れから始まるブルジョア
ジーによる暴虐の理不尽
な金工夫たちの大虐殺を
前に、かつて使用を封印
して町の貸金庫に保管し
ていた昔の自分の拳銃2
丁を手にするのだった。
宣教者の印であるホワイ
トのカラーを取って貸金
庫の箱に投げ捨てて。

本作は、ラストシーンは
『シェーン』(1953)への
オマージュ表現の描写が
ある。
シチュエーションだけで
なくシーンのカットも。
そして、シドニー・ペニ
ーの母親役との心のやり
とりも『シェーン』への
オマージュが含まれている。
そうなのだ。
主人公はシェーンと同じよ
うな経歴を持っているのだ。
『アウトロー』(1976)と
『ペイルライダー』(1985)
と『許されざる者』(1992)
の主人公のキャラクタは
共通している。
それは過去に人を殺し、
贖罪のために銃を捨てる。
そして、平和なひと時の
生活を営むが、やがて理
不尽な暴力が大手を振る
現実にいやがおうにも引
き戻されて、再び銃を取
る。
『シェーン』(1953)もそ
れだった。
『荒野のストレンジャー』
(1973)ではクリント・イ
ーストウッドの監督主演
作品とはいえ、まだドン・
シーゲルとセルジオ・レ
オーネの影響を受けたま
まの作品の特色があった。
それの風味は『続・夕陽
のガンマン』(1966)に作
品基調のエッセンスが似
ていた。
しかし、『アウトロー』
(1976)では、後年のクリ
ント・イーストウッドの
基盤を垣間見る事ができ
る。
それはのちに名作『許さ
れざる者』(1992)へと結
実する。
そして、この『ペイルラ
イダー』は静かなる傑作
だ。