A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

その静けさが雨のもたらすものであるなら

2010-12-07 23:47:57 | たわごと
雨が降っている。静かに降っている。
空から降ってくる雨は、まるで空気中の音を取り込んでしまうかのように、辺りを静けさで包み込んでいる。

音が聞こえる。
たった一つの音。
雨粒が軒先から庭に落ちる音だ。

ひたっひたっひたっ。
水滴は土と出会って粉々に崩れ、その土の間に吸い込まれて行く。

その音はまるで静寂の神髄。
総ての音なき音の化身。
静けさを雄弁に語る究極の言葉。

聞いている僕すらここにはいない。
漂いながら、たゆたいながら、ためらいながら、静かに目を閉じている。

やがて日差しが柔らかにまぶたに届く頃、僕は不覚にも自分が眠り込んでいたことに気づくのだ。

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