昨日の夜、飼い犬が死んだ。病気だった。
数日前から夜といわず辛そうに苦しそうに鳴き続けていたのだが、ついに力尽きたようだ。娘が泣きじゃくりながら目を閉じてやった。
思えばこの街に迷い込んできた犬だった。虐待でもされていたのか、大人の男に気を許すことはなかった。
最後まで俺には慣れず、指を噛まれたことすらあった。
そんなこいつが、いま何もやり返すことなく、黙って俺に頭を撫でられている。
『馬鹿だな。死んでからやっと俺に心を許しやがった……』
まだ暖かい犬の頭を撫でながら、俺は少し泣いた。
数日前から夜といわず辛そうに苦しそうに鳴き続けていたのだが、ついに力尽きたようだ。娘が泣きじゃくりながら目を閉じてやった。
思えばこの街に迷い込んできた犬だった。虐待でもされていたのか、大人の男に気を許すことはなかった。
最後まで俺には慣れず、指を噛まれたことすらあった。
そんなこいつが、いま何もやり返すことなく、黙って俺に頭を撫でられている。
『馬鹿だな。死んでからやっと俺に心を許しやがった……』
まだ暖かい犬の頭を撫でながら、俺は少し泣いた。