医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

博多・医院火災:「できる限りの責任取る」院長謝罪

2013-10-12 17:49:18 | 医療界
 福岡市博多区の医院火災で、「8人の入院患者様、ご家族、関係者の皆さまに大変な被害を発生させてしまい、誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げます。できる限りの責任を取りたい」。安部整形外科の安部龍暢(たつのぶ)院長(46)は11日夜、福岡市役所で記者会見し、冒頭に頭を十数秒深々と下げ、謝罪した。会見の途中「すいません。自分、患者さんを殺しました」と肩を震わせた。

 黒いシャツにジーンズ姿で会見場に訪れた安部院長。疲れ切った表情で会見に応じた。

 出火当時、入院していた患者のほとんどは高齢者だった。安部院長は「ここ1カ月半ほどは高齢者で動けない人の入院が続いた。しかし、そんな時こそ頑張らないといけないと思い、受け入れていた」と声を詰まらせた。

 安部院長によると、2週間前には避難訓練を実施し、3日ほど前には防火扉の開け閉めも確認したばかりだったという。入院患者は点滴や呼吸器系の器具を使っておらず、夜間はトイレ対応する程度であるために夜勤は看護師1人態勢でやっていた。出火当時はベテラン看護師が夜勤についており、2階の患者に対応した後に1階から異臭を感じ、通りすがりのタクシーに通報を依頼したという。

 患者を亡くしたことについて、安部院長は「どんな言葉をもってしても償えない。謝るしかない」と語り「火災に対する見解の甘さだと思う。最悪の想定ができていなかった」とも語った。亡くなった両親への思いを聞かれ「今は考えられない」と答えるにとどまった。【松本光央、遠山和宏】

2013年10月11日 22時00分(最終更新 10月12日 01時03分)毎日新聞
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