高齢の大腸憩室症の患者さんの大腸内視鏡検査において、前回の検査前の下剤ラキソベロン(帝人ファーマ)10mlで内視鏡検査時に腸閉塞が発生していたにもかかわらず漫然とラキソベロンを20ml処方した後、患者さんが糞便性イレウスから腹膜炎、多臓器不全で亡くなったのは病院に過失があるとして提訴しています。
医師尋問
>ラキソベロン添付文書には慎重投与の対象として腸管憩室のある患者とあるが?
それはない。憩室だけではなく憩室炎。憩室だけは高齢者には結構ある。ほかの症状もある人。 憩室だけでは慎重投与はしていない。
>高齢者も慎重投与とされているが?
高齢者だけでは慎重投与はない。
>検査の日の朝に腹痛を起こし来院し検査をしたCT画像は?
直腸からS字結腸まで便が多量にあり右側大腸が拡張していた。
>穿孔していない理由は?
CT画像にフリーエアー(腹腔内遊離ガス)像がない。
>亡くなった日の画像にフリーエアーはありましたか?
無かった。
>腸管に穿孔の恐れのある患者には浣腸は禁忌とありますが?
そうです。
>患者さんが入院の翌日に死んだのは腸管穿孔が原因ですよね?
浣腸が原因ではなくイレウスの可能性が高いです。
前回の検査は電子カルテ前の紙カルテで分かりませんでした。
亡くなってから当時の副院長から病院の医療安全センターの検討の結果、不幸な出来事、やるべき検査ではなかった他の検査方法があったと説明をうけたようです。
次回は和解期日になるようです。
原告代理人 岩崎一登弁護士(あおばの風法律事務所)
被告代理人 桑原伸郎弁護士 桑原健修弁護士(桑原法律事務所)