たまごのなかみ

千葉県北西部在住。映画・観劇、近隣のこと。毎日 元気に機嫌良く♪

やだ! 先週末 千秋楽だったのね☆

2008年09月23日 22時27分02秒 | 観る
あらヤダ! レビューを書き倦んでいる間に 千秋楽を迎えてしまいましたね...赤坂大歌舞伎

いやぁ〜、ちょっと高を括っていました。納涼歌舞伎と平成中村座の狭間だし、いわゆる看板役者も少々少なめかなぁ...なんて。だから、殿もあまり強く誘わなくて 単独での芝居見物だったわけですが、これが お姐さん! 赤坂ACTシアターって箱で 歌舞伎は初めてってお客さんにも馴染みやすい演目ってのがね、子ども騙しじゃなく面白くてね、なかなか ようござんしたョ 大部屋さんも大勢出てらして、囃子方や長唄連中もズラリと勢揃いで、思いの外 賑やかな舞台でした。

『江戸みやげ 弧狸弧狸ばなし』
いやぁ〜 笑った笑った。
「男と女、狐と狸の化かし合い」三角関係が四角になって、夫を毒殺。ところがどっこい、騙し騙され...

死に際の伊之介(勘三郎)は、バラをくわえ タンゴを踊り、裾を捲れば 褌に “T Boo S”
亀蔵の娘役は 出てくるだけで可笑しいし、平成中村座の宣伝あり 金比羅歌舞伎の予告あり。

勘三郎・扇雀の夫婦役は なかなかのコンビネーションで、芝居は 面白可笑しく...。が、勘三郎の軽快なテンポに対して ほんの少し扇雀が重い様な気もします。女房‘おきわ’の軽妙な芝居、ここはひとつ福助で観たかったものだなぁ...と思ってしまいます。‘重い’といえば、猿之助のスーパー歌舞伎で活躍する段治郎。歌舞伎としては 新しい形であったスーパー歌舞伎ではあるけれど、ゴージャス且つ様式美に重きを置く芝居でしょうから、台詞回しは むしろ溜め気味で たっぷりしているのでしょう。段治郎の喋りがゆったりしているのは 仕方がないかもしれません。どうも生臭坊主重膳(段治郎)と おきわ(扇雀)の掛け合いになると テンポが落ちる様ではありました。

それでも、ラストで扇雀の演じる狂女振りは見事だし、ACTシアターに掛ける最初の歌舞伎として『弧狸弧狸ばなし』という選択は 大正解だったと思います。終演後、みんな楽しそうだったもん。「勘太郎、お父さんにそっくりね...」なんて言いながら♪ その勘太郎の出番は、休憩を挟んでの『棒しばり』。

『棒しばり』
『弧狸弧狸ばなし』は、元々 先代の勘三郎や山田五十鈴 森繁久彌の為に書き下ろされた芝居です。一方『棒しばり』は...というと、言わずもがな 狂言の『棒縛り』を踏襲した舞踊劇で、役名も太郎冠者 次郎冠者と狂言に乗っ取っていますし、舞台も能舞台と同じように松が描かれ 下手の揚げ幕からの登場となります。

えぇ〜っと、じゃ 何を以て“歌舞伎”というかというと...定かじゃありませんけど、確か“歌舞伎役者が歌舞伎として演じているのが‘歌舞伎’”だとか。なるほど...庶民が楽しむ芝居だもんね。面白そうな物は なんでも取り込んじゃうし、堅い事は言いっこなしということネ。従来は、時代考証に関係なく 江戸の装束で演じられる歌舞伎ですが、近年『源氏物語』では 衣冠束帯に十二単と 平安絵巻さながらに演じられます。7月の歌舞伎座に ちょいちょい掛かる泉鏡花の『夜叉ヶ池』なんざ あなた! 山沢学円や県議会議員などが洋服姿で登場致します。

話が大きく逸れてしまいましたが...
『棒しばり』は、狂言の面白さが 丸まま楽しめる舞踊劇ですし、意気もぴったりの勘太郎・七之助に 文句なしの大拍手です。酔っぱらった次郎冠者(勘太郎)の台詞回しといい声といい、勘三郎とのそっくりさ加減に 改めて驚き☆ 踊りの巧さも父親譲りですね。

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赤坂ACTシアターでの観劇は、赤坂ミュージカル劇場の時代に観た『美女と野獣』を含め 今回で3度目になります。TBSやACTシアターのある赤坂サカスは 坂の上なので、地下鉄の出口から直接劇場方面を目指すと 長い階段を上らなければなりません。そこで、階段は ちょっと...という方に情報です♪ 地下鉄の改札を出たら、赤坂ACTシアターの表示に惑わされることなく 赤坂BizタワーのB1に入りましょう。エスカレーターで2階へと上がり 屋外へと出ると、ACTシアターの入り口は 目の前☆ 階段で息が切れちゃう心配も無用です

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レビューを書き切れずにいる 最近観た映画や舞台に関して、ちょっと気付いた事がありまして。。。

ワタクシ、以前より“バックミュージック by 邦楽”ってのに 滅法弱う御座います。内容問わず、長唄・清元・常磐津...(義太夫は 大丈夫みたいです)流れるか流れないかという 自分でも気付かないくらい早いタイミングで気を失うかの様に墜ちて仕舞います。「ハイ墜ちたっ!」 

内容を問わずってのは、『棒しばり』くらい面白くても...ってことでして...
舞踊劇『棒しばり』。本来の狂言とは異なる演出で、松の描かれた背景の幕が跳ね上げられると 更にその奥に描かれた松を背に ズラリと並んだ長唄囃子連中☆ 賑やかな舞台へと転じます。そりゃもう 見逃すまいとする興味や理性とα波との 壮絶な戦い!! マジで困ってます。

でも まぁ、同じ様な事は これまでにも幾度となく有り、邦楽のみならず オーケストラの演奏でも 同じ現象が起きるっちゅー自覚アリなんですが...。今回 新たに発見したのは、クラッシックギターがヤバいのではないか...という 哀しいお知らせ。。。

暗く哀しく壮絶な内容の舞台『谷間の女たち』...
役者陣も達者揃いで、息の詰まる程緊迫したストーリーに 眠くなるなんてあり得ない筈なのに、ナニ?ダレ? ワタシの神経を ふんわりツマミアゲルのは...???
そうか...ギターか! 物語の舞台は 南米チリ。背後に流れるヒスパニック系ギターのメロディが ワタシをツレテユク...。

そして、映画『歩いても 歩いても』...
監督は、『誰も知らない』の是枝裕和
地味だけど いい映画。樹木希林が 素晴らしい。
だから ほら! やめてョぉ〜 ゴンチチぃ〜 あ...

因みに、タイトルの『歩いても 歩いても』は、♪ブルー・ライト・ヨコハマ♪ に由来するものです。

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